こんな勧誘で投資用マンションを買わされませんでしたか?
投資マンションを購入したきっかけには、不動産業者の営業マンなど勧誘によるものが多いのではないでしょうか。ここでは、国民生活センターに寄せられた実際の声などをもとに、購入事例を紹介します。
しつこい勧誘、営業マンが怖くて断り切れなかった
不動産投資の勧誘手法のひとつに、電話での勧誘があります。
国民生活センターに寄せられた声によると、何度も電話がかかってきて、話をするうちに断れなくなって営業マンと会って話を聞いてしまったというケースがあります。
断り続けると営業マンの機嫌が悪くなり、最終的には怒り出したため、投資用マンションの購入に同意してしまいました。
約2,600万円のマンションの購入申込書にサインしたものの、何の資料も書面ももらえず、マンションの詳細を問い合わせても教えてくれなかったそうです。
全ての営業マンがこのような対応を取るわけではないのですが、中にはこのような手法で購入を促す営業マンがいるので注意しましょう。
メリットばかりを強調した説明だった
投資用マンションのメリットばかりを強調してくるのも、営業マンの勧誘テクニックのひとつです。
悪徳な営業マンの中には、「節税や老後資金になる」といったメリットの話ばかりで、家賃収入の減少などのリスクについての説明をしないことがあります。
実際に、家賃保証があるので空室が出ても大丈夫と説明されたが、5年間しか家賃保証がなく、リスクの方が大きかったという事例があります。
デメリットを説明せずにメリットばかりを強調した勧誘の場合は、悪質な会社ではないかと疑ったほうが良いでしょう。
買ってしまったけど…投資用マンションにはどんなリスクがある?
ここまでは、実際にあった投資用マンションの勧誘について見てきました。では、実際に投資用マンションを購入した場合、どのようなリスクがともなうのでしょうか。
ここからは、投資用マンションの購入後に発生するかもしれない問題を紹介します。
赤字になって返済が難しくなるかも
投資用マンションの購入にともなうリスクのひとつが、赤字になってローンの返済が難しくなることです。
ローンの返済というと物件の購入費が注目されがちですが、投資用マンションの経営に必要な支出はそれだけではありません。毎年かかる固定資産税やリフォーム費用、数年に1度の大規模な修繕などさまざまな支出が必要になります。
家賃収入でそれらの経費をまかなうことができなければ、赤字になってしまい、毎月のローンの返済が苦しくなってしまいます。
さらに、空室リスクについても考えなければなりません。空室が長期間に渡って出ると、その分の家賃収入は減ってしまい、ますます返済が困難になります。
最悪の場合は、物件の競売、自己破産もある
投資用マンションの経営で赤字が続きローンの返済ができなくなると、最悪の場合、物件の競売や自己破産も考えられます。
投資用マンションの利益からローンの返済できない場合は、自己資金からローンの返済を行う必要がありますが、それも限界があります。
最終的には、マンションを売却し、その資金でローンの残債を返済することになりますが、物件の価値が低い場合は、売却してもローンの残債が支払えないこともあります。
返済が遅れると、ローンを組んでいる金融機関から督促状が届きます。何度かの督促後も支払わないと、投資用マンションは、差し押さえられ、その後裁判所によって競売にかけられます。
さらに、自己破産に陥ることも考えられます。自己破産は、ローンの返済額が軽減されることがありますが、信用情報がブラックリストに記載されたり、官報で自己破産の事実が公表されたりと、今後に支障が起きる可能性があります。
なお、不動産投資の場合、裁判所による免責許可(ローン残高がなくなること)がでないこともあり、自己破産の申し出を受諾されないこともあるので注意が必要です。
投資用マンションを買わされたならどうするか
リスクのある投資用マンションを購入すると、最悪、自己破産に陥ることもあります。そこで、望まず投資用マンションを買わされた場合に、どのような対処法があるのかを見ていきましょう。
クーリング・オフを申し出る
投資用マンションを買わされた場合に、まず考えたいのが、クーリング・オフです。「宅建業法」では、投資用マンションを買わされた場合にクーリング・オフができると定めています。
投資用マンションでクーリング・オフができる要件は次の通りです。
・喫茶店やファミレス・自宅などで売買契約を結んでいること
・クーリング・オフの説明を受けてから8日以内(クーリング・オフの説明がない場合は8日以上でも可)であること
・投資用マンションの引き渡しや売買代金の支払いが済んでいないこと
上記要件を満たしている場合は、内容証明郵便でクーリング・オフの通達をすることで、契約を解除できます。
消費生活センターに相談する
強引な勧誘をされて投資用マンションを購入してしまった場合や、トラブルになった場合には消費生活センターに相談しましょう。
強引な勧誘を受けたことを伝えると、解決案を一緒に考えてくれます。消費者ホットライン「188(いやや!)」番 もあるので、まずは電話をかけてみましょう。
免許行政庁に相談する
不動産業者は、国土交通省などから宅建物取引業者の免許を受けています。そこで、強引な勧誘等をされた場合は、免許行政庁に直接相談できます。
宅建業者企業情報確認のページで、勧誘をしてきた宅建物取引業者の免許行政庁を検索し、担当の「免許行政庁」に電話で連絡をします。
詳細は、国土交通省のホームページをご参照ください。
投資用マンションの売却が得意な不動産会社に相談する
ここまで紹介してきた方法は、主にクーリング・オフができる場合の対処方法です。では、クーリング・オフが難しい場合はどうしたらよいのでしょうか。
その場合は、マンションの価値が下がらないうちに売却することを考えなければなりません。そこで、投資用マンションの売却が得意な不動産会社に相談します。
不動産会社には得手不得手の分野があります。そのため、投資物件専門の不動産会社など投資用マンションの売却が得意な会社を探しましょう。
投資用マンションの売却については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ぜひ、ご参照ください。
弁護士に相談する
弁護士に相談することも、投資用マンションを買わされた場合の対処方法のひとつです。
お住まいの地域の法テラスやインターネットなどで、まずは無料相談できる弁護士をまず探してみましょう。
ただし、弁護士に依頼するときは報酬が必要です。
マンション投資で自己破産をしないための方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、ご参照ください。
まとめ
消費生活センターなどで、注意喚起がされているように、今、不動産投資用マンションの悪質な勧誘が増えてきています。
悪質な業者から不動産投資用マンションを購入した場合、思うように利益が出なかったり、トラブルが発生したりする恐れがあります。まずは、消費生活センターや免許行政庁などに、速やかに相談するようにしましょう。