ワンルームマンションの投資で知っておきたい利回りの計算と相場!

ワンルームマンションの投資で知っておきたい利回りの計算と相場!

ワンルームマンションの投資で知っておきたい利回りの種類や計算方法、相場を解説しています。利回りは表面利回りだけでなく、経費やランニングコストが含まれている実質利回りも参考にしましょう。利回りが高い物件のリスクや注意点なども解説しています。


この記事は約7分で読み終わります。

ワンルームマンション投資における収益を予想するうえで利回りは重要な指標となります。
利回りには三種類あるため、それぞれの計算方法や活用できるシーンなどを把握しておきましょう。

本記事は下記のような方におすすめです。
  • 利回りについて詳しく知りたい
  • ワンルームマンションの利回りの計算方法が知りたい
  • 利回りの目安が知りたい

本記事では、ワンルームマンション経営で知っておきたい利回りや注意点をまとめています。

ワンルームマンション投資で知っておきたい利回りとは

利回りとは、物件購入価格に対してどれくらいのリターンが得られるかを数値化して示したものです。
その物件が持つ収益力を判断する材料となり、不動産投資向けの物件サイトやチラシにも「利回り○○%」のように記載されている場合が多くあります。

ワンルームマンションにおいても利回りを見ることで、「購入した場合にどれくらいの利益が得られるか」、「何年で投資資金を回収できるか」などの見立ても可能です。 

利回りの計算方法とシミュレーション

ワンルームマンション経営の利回り計算を紹介!やり方や相場感を紹介

ワンルームマンション投資で用いられる利回りは三種類あります。
それぞれの利回りの計算方法とシミュレーションを下記の順番で解説します。

・表面利回り
・実質利回り
・想定利回り 

表面利回り

表面利回りとは、「物件価格に対してどれくらいの家賃収入が得られるか」という収益性を表わす数値です。

計算式は下記の通りです。

「年間家賃収入÷物件の購入価格×100=表面利回り」

それでは、下記の物件例をもとに具体的な計算方法を紹介します。

(物件A)
・ワンルームマンションの購入価格:2,000万円(税込)
・年間の想定家賃:84万円(毎月7万円)

(物件B)
・ワンルームマンションの購入価格:4,000万円(税込)
・年間の想定家賃:144万円(毎月12万円)

計算式表面利回り
物件A84万円÷2,000万円×1004.2%
物件B144万円÷4,000万円×1003.6%

物件Aの方が表面利回りが高く収益性が高いといえます。

実質利回り

実質利回りとは、「物件価格に対して経費も含めてどれくらいの家賃収入が得られるか」という収益性を表わす数値です。

計算式は下記の通りです。
「(年間家賃収入−年間経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り」

※経費の例

年間経費購入時の経費
・固定資産税
・都市計画税
・管理料
・修繕積立金
・リース料
・リフォーム費
・ハウスクリーニング費
・不動産仲介手数料
・司法書士手数料
・金融機関への融資手数料
・火災保険、地震保険
・固定資産税
・不動産取得税
・収入印紙代
・不動産登記費

それでは、表面利回りで紹介した物件に諸経費を加えた具体的な計算方法を紹介します。

(物件A)
・ワンルームマンションの購入価格:2,000万円(税込)
・年間の想定家賃:84万円(毎月7万円)
・購入時の諸経費:65万円
・固定資産税や修繕費の年間経費:25万円

(物件B)
・ワンルームマンションの購入価格:4,000万円(税込)
・年間の想定家賃:144万円(毎月12万円)
・購入時の諸経費:50万円
・固定資産税や修繕費の年間経費:22万円

計算式実質利回り
物件A(84万−25万円)÷(2,000万円+65万円)×1002.9%
物件B(144万−22万円)÷(4,000万円+50万円)×1003.0%

実質利回りでは、物件Bの方が高くなっています。

表面利回りがほかの物件に比べて高くても、実質利回りで比較すると低くなることもあるため、より正確な収益性を把握するなら実質利回りをみることが大切です。

想定利回り

想定利回りとは、「物件価格に対してすべて満室だった場合にどれくらいの家賃収入が得られるか」という収益性を表す数値です。

計算式は下記の通りです。

「満室時の年間家賃収入÷物件の購入価格×100=想定利回り」

複数の物件を所有している場合に使用されるため、ワンルームマンション経営で用いることはありません。

しかし、マンションの物件情報によっては想定利回りが記載されていることもあります。

場合によっては、その物件内の最高額の家賃で計算をおこない、高い利回りが算出されている場合もあるため注意しましょう。

ワンルームマンション投資の利回りの目安

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首都圏におけるワンルームマンションの表面利回りの目安は約2%~3%です。

下の表は2020年~2022年の東京都・埼玉県・千葉県の平均利回りで、中古マンションの成約価格と賃料(※)をもとに算出しています。

賃料(※)成約価格表面利回り
東京都2020年10.0万円4,611万円2.6%
2021年9.9万円4,974万円2.3%
2022年9.9万円5,399万円2.2%
埼玉県2020年6.8万円2,273万円3.5%
2021年6.8万円2,529万円3.2%
2022年6.9万円2,783万円2.9%
千葉県2020年7.3万円2,191万円3.9%
2021年7.4万円2,438万円3.6%
2022年7.5万円2,650万円3.3%

(※)賃料は新築・中古を含みます。
賃貸マンションにおいては、新築と中古の築年数の違いによる賃料の変化は売却価格に比べて小さいです。
【参考】REINSTOWER-年報マーケットウォッチ2022年・年度

近年はマンション価格の上昇によって表面利回りは下落傾向にあります。

ワンルームマンション投資の利回りで注意すること

マンション 売却 戻ってくるお金

ワンルームマンション投資の利回りにおける注意点は下記の二つです。

・築年数が古いマンションは利回りが高くなりやすい
・利回りが高い物件はリスクが高いケースがある

築年数が古いマンションは利回りが高くなりやすい

築年数が古いマンションほど利回りは高くなりやすい特徴があります。
その理由は、築年数が古いほどマンション価格が下がるためです。

下の図をご覧ください。

【出典】東日本不動産流通機構 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

首都圏における中古マンションの築年帯別平均価格です。

築0年から10年までと築16年から30年までの下落幅が特に大きく、築年数30年のマンションの成約価格は、築年数0年に比べて約三分の一となっています。

一方、家賃は毎年のように大きく下がらないため、築年数が古くなるとマンション価格に対する家賃収入の割合(表面利回り)が大きくなるわけです。

しかし、築年数が古くなるとリフォームや大規模修繕工事などのコストがかかるため、実質利回りは小さくなります。

築年数が古いマンションは、表面利回りが高くても実質的な収入は減りやすいため注意しましょう。

利回りが高い物件はリスクが高いケースがある

利回りが高い物件には、下記のようなリスクが潜んでいるケースがあります。

・空室リスクが高い
・流動性が低く売れない可能性がある

利回りが高いということは、家賃収入に対してマンション価格が安いため、立地や設備などに問題があって空室になりやすいことも想定されます。

また収益性の低さを理由にマンションを売ろうとした際に、空室が多いと買い手がすぐに見つかるとは限りません。

利回りが高い物件が候補としてある場合は、「設備や立地に問題はないのか」、「大規模修繕工事の時期は近くないか」などを十分にチェックしてから検討しましょう。

まとめ

ワンルームマンションの投資をおこなう場合は、表面利回りだけではなく経費やランニングコストを含んでいる実質利回りも参考にしましょう。

表面利回りだけでは物件の正確な収益性が判断できません。
特に築年数が古いマンションは修繕費やリフォーム費などがかかってくるため、利回りが高くても収益は低くなる可能性もあります。

ワンルームマンション投資を検討している方や、収益性の高い物件を検討している方は、利回りの計算や相場などをぜひ参考にしてください。

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