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マンション経営を始めたいが、借金を抱えて自己破産したような事例を読んで怖くなった方もいるでしょう。
マンション経営における借金とは、ローンだけではありません。
そのほか、経営の失敗によって借金を抱え、最悪の場合は自己破産に至ることもあります。
この記事では、マンション経営における借金の種類や失敗例、借金返済が難しい場合の対処法や借金を抱えないための方法を解説しています。
最後まで読み、不要な借金を抱えないマンション経営を目指しましょう。
マンション経営における”借金”と家賃収入の注意点とは
マンション経営は、基本的には借金をすることが伴います。
- マンション経営を始めるためのローン
- マンション購入費用以外の諸経費
マンション経営における借金の種類を理解し、必要な借入のみおこなうようにしましょう。
マンション経営を始めるためのローン
マンション購入の際のローンも、厳密にいえば借金です。
相場を見誤って不必要に高いローンを組まないように注意すれば、良い借金といえるでしょう。
マンション購入費用以外の諸経費
そのほかマンション購入費用以外の諸経費も発生します。
- 修繕・リフォーム費用
- 税金
- 管理コスト
上記はマンション経営において外せない費用です。
修繕・リフォーム費用
マンションを長年所有すると、修繕やリフォームが必要となります。
劣化した箇所や故障箇所の修繕は、入居者の確保に必須の経費です。
また、古くなってきたマンションに新規入居者を呼び込むため、戦略的にリフォームするケースもあります。
税金
マンション経営にかかる税金は以下のとおりです。
・所得税
・住民税
・不動産取得税(不動産取得時)
・印紙税
・登録免許税
・固定資産税
・都市計画税
税金は昨年1年間分の所得で計上されるため、税金分は収益から確保しておかなければなりません。
なにも考えずに収益を使うと、所得税や固定資産税が支払えなくなります。
将来的にマンション売却を検討している方は、売却時に利益が生じると、税金の支払いが必要です。
詳しくはマンション売却時の税金について解説している記事をご参考ください。
管理コスト
マンションの管理を管理会社へ委託する場合、毎月管理委託費用の支払いが必要です。
また、仲介会社に対して入居者の募集を依頼すると客付けの仲介手数料がかかります。
そのほか管理に必要な経費は、オーナー負担となるため、思わぬ管理コストが増える可能性があるでしょう。
資金に余裕をもたせておかないと、不測の事態に対応できず、借金を抱えることとなります。
空室や家賃滞納により家賃収入が予想より低くなる
マンション経営では、以下のような理由で予想よりも家賃収入が低くなる可能性があります。
・空室
・家賃の滞納
・家賃の値下げ
さらに設備機器の故障や火災・地震によって修繕費がかさむと、手残りが少なくなってしまうケースもあります。
そのためマンションを購入する前のシミュレーションでは、空室率や経費率を厳しく見積もっておきましょう。
マンション経営で借金を抱えてしまう失敗例
具体的にマンション経営で借金を抱えてしまう事例を紹介します。
- 諸経費や税金を考えず収入を浪費
- 空室状態・家賃滞納
- 維持費の滞納
マンション経営の失敗とはどのようなものか、事前に知識をつけておきましょう。
その上でしっかり対策し、失敗のないマンション経営を目指してください。
諸経費や税金を考えず収入を浪費
マンション経営でよくある失敗は、諸経費や税金を考えずに収入を浪費するケースです。
家賃収入によって毎月定額が入ってくる安定感で、金銭感覚が麻痺し、支出を増やし過ぎてしまうケースが多いです。
ローン支払いがまだあるにもかかわらず、収入が増えた気になって浪費をしていると、翌年の税金や経費が払えなくなるでしょう。
空室状態・家賃滞納
マンション経営が初めての方は、空室リスクや滞納リスクを想定しないケースが多いです。
マンションに入居者のいない状態が続くと、当然家賃は入りません。
また、入居者がいても家賃滞納されると、家賃収入が滞納戸数分減ります。
家賃滞納については、保証会社の利用で解決が可能です。
しかし保証会社も永遠に家賃を払ってはくれません。
会社によりますが、滞納が続く場合は退去してもらうように保証会社も動きます。
退去しない場合は、約3か月で訴訟、裁判所による強制執行となるケースが多いです。
そのため、保証会社から家賃が入金される期間は数か月が限度です。
入居者が退室した場合は空室となり、その間の家賃収入は入ってきません。
維持費の滞納
マンション経営において、入居者が維持費を滞納してしまうケースもあります。
維持費を滞納されると、マンションのメンテナンスがおこなえません。
マンションの設備などが劣化し、入居者が流出してしまうでしょう。
最終的に入居者がいなくなければ、賃料収入が確保できません。
結果的に収益が減り、支払いのために借金する確率が上がります。
マンション経営に失敗して借金を抱えた場合の対処法
万が一マンション経営に失敗し、借金を抱えた場合は以下2つの対処法があります。
- 自己破産など債務整理
- 物件の売却
借金の返済や収益の回復が見込めない場合は、どうにかして債務を整理しなければなりません。
万が一の対策として、借金で経営が立ち行かないケースの方法を知っておきましょう。
自己破産など債務整理
マンション購入時のローン返済が滞った場合は、債務整理手続きをおこないます。
債務整理には3つの種類があり、マンション経営で使える方法は、任意整理と自己破産の2つです。
債務整理の種類 | 内容 |
任意整理 | 利息の減額が可能 住宅ローン以外にも借り入れがある場合におすすめの方法 |
自己破産 | 借金の返済が免除される 不動産は裁判所によって競売などで処分される |
個人再生 | 投資マンションは対象外 申立者が居住している物件を手元に残し借金の減額が可能 |
任意整理は利息の減額が可能な方法のため、利息が少なく設定されている住宅ローンにさほど有効ではありません。
住宅ローン以外に借り入れがある方は、利用すると良いでしょう。
自己破産は借金の返済が免除され、物件は裁判所によって競売で処分されます。
また、そのほかの資産も処分されるうえ、クレジットカードの利用や新規作成、新たな融資ができなくなる点に注意しましょう。
【参考】破産法
個人再生は手元に物件を残したまま、借金の減額が可能です。
しかし、あくまで対象は居住用物件であり、投資用マンションは対象外なため、債務整理手続きとして選択することはできません。
専門家と相談したうえで、適切な債務整理をおこないましょう。
物件の売却
マンション経営で抱えた借金を返済するため、物件の売却も必要です。
ローンが残っている場合は、売却時に融資元の承諾を得て、買い手を探します。
物件を手放さなければなりませんが、売却価格によっては借金を完済できるかもしれません。
ただし、物件売却価格によっては借金が残り、今後も返済が続くこともある点に注意してください。
マンション経営で負債を膨らませないための予防策
マンション経営で負債を膨らませないために、2つの予防策を徹底しましょう。
- 収支シミュレーション
- 集客・管理ノウハウをもつ管理会社の選定
マンション経営で失敗しないためには、事前のシミュレーションと不動産会社の選定が重要です。
収支シミュレーション
現在マンション経営の収支が悪化しており、返済が滞りそうな方は収支シミュレーションを見直しましょう。
シミュレーションの見直しでは、これまでの経営実績をもとに以下の項目を見直します。
・空室率
・家賃の滞納率
・長期的な家賃の下落
・設備の修繕費
・諸経費
しかし慣れていない方が、収支シミュレーションをおこなうことは簡単ではありません。
おすすめの方法は「イエリーチ」の活用です。
イエリーチは、必要な情報を入力するだけでいつでも簡単に収支シミュレーションが確認できます。
また所有物件を一元管理できるため、複数のマンションを所有している方にもおすすめのサービスです。
集客・管理ノウハウをもつ管理会社の選定
マンション経営の際は、集客や管理を不動産会社へ委託するケースが多いです。
オーナー自身が管理をおこなうケースもあります。
しかし業務が膨大になるため、マンション経営初心者や副業で経営を考えている方には難しいです。
管理会社に委託すれば、客付けからマンション管理、賃料の集金まで代行してもらえます。
入居率を高め、マンション管理を一任したいなら、経営に長けたノウハウのある不動産会社を選んでください。
まとめ
マンション経営はローンという借金から始まります。
さらに、運用資金や維持費、経費がかかるため、諸経費を把握していない場合、予想外の負債を抱える可能性があります。
しっかりとシミュレーションをおこない、マンション購入から売却まで見越して経営を始めてください。
また、マンション経営の失敗を回避するためには、ノウハウに長けた不動産会社への管理委託が欠かせません。
不動産会社の実績やエリアの熟知度など、様々な点から不動産会社を見極め、信頼できる不動産会社を選びましょう。