マンション経営の節税方法!経費の種類や注意点を紹介

マンション経営の節税方法!経費の種類や注意点を紹介

目次1 マンション経営の節税方法2 マンション経営で計上できる経費3 マンション経営の経費における注意点4 まとめ マン … 続きを読む マンション経営の節税方法!経費の種類や注意点を紹介


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マンション経営では、所得税や相続税などの税金を減らせる場合があります。

マンション経営で節税の恩恵を受けるためには、節税方法や経費として計上できる費用を知っておきましょう。

本記事は下記のような方におすすめです。
  • 税金の負担が重いから少しでも節税したい
  • 相続税を減らして少しでも子供や孫に財産を残したい

上記のように税金の負担を減らすために、マンション経営を検討されている方も多いでしょう。

本記事は、マンション経営の節税方法をまとめています。マンション経営で経費として認められる費用や節税する際の注意点も解説しているため、マンション経営に興味のある方は最後まで読んでください。

マンション経営の節税方法

マンション経営の節税方法

マンション経営で節税する方法には以下の2つがあります。

・マンション経営の赤字での損益通算
・相続税の節税

マンション経営の赤字での損益通算

マンション経営で不動産所得が赤字になった場合は、損益通算により給与所得や事業所得の黒字と相殺することができるので、所得税と住民税の節税が可能です。

・不動産所得:マンション経営により発生する所得
・給与所得:会社員やパートタイマーが勤務先から受け取る所得
・事業所得:営んでいる事業から得られる所得

所得税や住民税は、給与所得・事業所得と不動産所得を合算した年間所得に対してかかる税金です。
不動産所得が赤字なら年間所得を減らせるため、納める所得税や住民税も少なくなります。
下記2つの例で所得税額の違いをシミュレーションしてみましょう。

・給与所得900万円+不動産所得0円=年間所得900万円
・給与所得900万円+不動産所得-100万円=年間所得800万円

所得税の計算式は次の表を参考にしてください。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

【引用】所得税の税率

・年間所得900万円の所得税:900万円×33%-153万6,000円=143万4,000円
・年間所得800万円の所得税:800万円×23%-63万6,000円=120万4,000円

マンションの赤字で100万円所得が減ったことで、23万円の節税効果になりました。

マンション経営で赤字が出ても確定申告をおこなわないと、損益通算による節税はできません。必ず確定申告をおこないましょう。

相続税の節税

マンション経営では、相続税の節税ができます。現金と土地や建物などの不動産とでは相続税を算出するための「相続税評価額」が異なるためです。

現金は単純に額面額が相続税評価額になりますが、不動産は、土地と建物を分けて考えます。

土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式の2つがあります。

路線価方式は「路線価×各種補正率×宅地面積」で評価額を求め、路線価の目安は公示価格のおよそ80%です。

公示価格とは

国土交通省が公表している土地取引の基本となる価格です。

倍率方式は「固定資産税評価額×一定の倍率」で評価額を求め、固定資産税評価額の目安は公示価格のおよそ70%です。

建物の相続税評価額の計算式は、自宅の場合は「固定資産税評価額×1.0」で算出します。

さらに相続したマンションが賃貸用だと、相続税評価額は下がります。

マンション用の土地(貸家建付地)の評価方法
マンション用の土地の評価方法は本来の相続税評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)です。
※本来の相続税評価額とは、先述した路線価方式、倍率方式で求めた価格です。
借地権割合は地域によって異なり、30%〜90%の間で定められています。借家権割合は、全国一律で30%です。

マンション(貸家)の評価方法
貸家の場合の計算式は「(固定資産税評価額×1.0)×(1-借家権割合×賃貸割合)」です。

上記の計算式からわかるように不動産の相続税評価額は、現金で相続するよりも低くなる傾向があります。

現金を相続した場合

以下の条件で現金1億円を相続した場合の相続税を算出します。

・相続人は長女1人(基礎控除額3,600万円)
・相続財産は現金1億円のみ

相続税額1,220万円=(1億円-3,600万円)×相続税率30%-控除額700万円

不動産を相続した場合

次にマンションを相続した場合の相続税を算出します。

・相続人は長女1人(基礎控除額3,600万円)
・1億円で賃貸用のマンション(土地5,000万円、建物5,000万円)を相続
・土地の相続税評価額は公示価格の80%
・建物の相続税評価額は公示価格の70%
・借地権割合は70%
・借家権割合は30%
・賃貸割合は100%
・小規模宅地等の特例は考慮しない

土地の相続税評価額
3,160万円=(5,000万円×80%)×(1-70%×30%×100%)

建物の相続税評価額
2,450万円=(5,000万円×70%)×(1-30%×100%)

相続税額251万5,000円=(土地3,160万円+建物2,450万円-3,600万円)×相続税率15%-控除額50万円

マンション経営で計上できる経費

マンション経営で計上できる経費

経費を計上することで、所得を減らし節税が可能です。

先述したようにマンション経営により生じた赤字は、給与所得や事業所得と相殺ができるため、節税につながります

ここでは、マンション経営の経費を紹介します。

・マンション購入時にかかる経費
・マンション経営における経費の範囲
・マンション経営でかかる月々の経費
・経費にできない費用

マンション購入時にかかる経費

ここでは、マンション購入時にかかる経費を紹介します。

登記費用

マンションを購入すると、以下のような登録免許税が発生します。

【登記免許税(住宅に係る特例)】

登記の種類税率対象住宅特例税率
※下記の要件を
満たした場合には、
税率が軽減されます。
所有権の移転登記2.0%・個人の住宅の用に供される
 床面積50平方メートル以上の家屋
・中古住宅の場合は、築後25年以内
(木造は20年以内)のもの
 又は一定の耐震基準に適合するもの
0.3%
抵当権設定登記料0.4%同上0.1%

※長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築等に係る登録免許税の税率は、令和4年3月31日までの措置として、0.1%(戸建ての長期優良住宅の移転登記については0.2%)に軽減。
※買取再販住宅の取得に係る登録免許税の税率は、令和4年3月31日までの措置として、0.1%に軽減。
【引用】住宅に係る登録免許税の軽減措置-財務省

これに加えて、司法書士に支払う手数料が別途5万円~10万円ほどかかります。

ローン事務手数料

住宅ローンを利用してマンションを購入する場合は、金融機関に支払うローン事務手数料が別途必要です。
ローン事務手数料は金融機関によって異なります。

ローン事務手数料の目安は、「借入額の約2%」です。
設定額は金融機関によって異なるため、条件がいい金融機関を選びましょう。

仲介手数料

マンション購入時には、仲介した不動産会社に対して仲介手数料の支払いが必要です。
仲介手数料の上限は以下のように決められています。

マンション購入価格仲介手数料の上限
200万円以下マンション価格×5%+消費税
200万円超~400万円以下マンション価格×4%+2万円+消費税
400万円を超える場合マンション価格×3%+6万円+消費税

【参考】宅地建物取引業法第四十六条第一項
※表の計算式は仲介手数料の計算を簡略化した速算式を用いています。

上記は上限金額のため、実際にかかる仲介手数料はさらに安い場合もあります。

印紙税

印紙税とは、印紙税法で定められた課税文書にかかる税金です。
マンション購入時には、不動産売買契約書に対して発生します。

不動産売買契約書にかかる印紙税は以下の表を参考にしてください。

契約金額税額軽減税率※
10万円を超え50万円以下400円200円
50万円を超え100万円以下1千円500円
100万円を超え500万円以下2千円1千円
500万円を超え1千万円以下1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下2万円1万円
5千万円を超え1億円以下6万円3万円
1億円を超え5億円以下10万円6万円
5億円を超え10億円以下20万円16万円
10億円を超え50億円以下40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万

【引用】不動産売買契約書の印紙税の軽減措置-国税庁

※軽減措置
記載金額が10万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成された不動産売買契約書には軽減措置が適用されます。

マンション経営における経費の範囲

マンション経営で経費として計上できるものを紹介します。

・修繕費
・損害保険料
・接待交際費
・広告宣伝費
・租税公課

修繕費

修繕費とは、マンションの原状回復や維持管理のためにかかる費用です。

以下のような支払いが修繕費に該当します。

・割れたガラスの修理
・外壁にできたひび割れの補修
・受水槽の取替工事にかかる費用

修繕積立金は修繕がおこなわれて完了した年の必要経費となります。
ただし、修繕によってマンションの価値が高まる、寿命が延びる場合は、修繕費ではなく減価償却として経費を計上します。

損害保険料

マンション経営では、その年に支払った火災保険や地震保険などの損害保険料を経費として計上できます。

ただし、「火災保険を5年契約」のように長期契約でまとめて5年分の保険料を支払っている場合、契約時に支払った保険料を5分割にして1年ごとに経費の計上を行います。

たとえば、5年契約で30万円の火災保険を支払ったとしましょう。
上記のケースだと、1年目に経費として計上できるのは6万円(30万円÷5年)です。
5年目までは、毎年6万円ずつ損害保険料を経費として計上できます。

接待交際費

マンション経営で接待交際費が発生した場合、かかった費用を経費として計上できます。
接待交際費になるのは以下のような費用です。

・マンション投資会社の人と情報交換を目的に会食した際にかかった費用
・取引先に贈ったお中元、お歳暮の費用
・不動産経営に関係するセミナー参加費

接待交際費を計上する際には領収書が必要となります。
領収書がもらえない場合は、帳簿に記録して出金伝票で処理をしましょう。

借入の利息

マンション購入時にローンを組んでいる場合、ローンに対してかかる利息は経費として計上ができます。

広告宣伝費

入居者を募集するためにかかった費用は、広告宣伝費として経費にできます。
具体的には以下のような費用です。

・不動産会社に依頼して入居者の集客をおこなってもらうための費用
・集客用のパンフレットやチラシなどの費用

ほかにも、集客にかかった費用がある場合は経費になる可能性があります。

租税公課

租税公課とは、国や公共団体等に納める税金や負担金のことです。
以下のような費用が租税公課となります。

・都市計画税
・固定資産税
・自動車税

租税公課は、マンション経営に関係のある費用が対象です。
プライベートで使用している車の自動車税は経費になりません。

ただし、プライベートと事業で使っている場合、家事按分を用いて経費として計上します。

家事按分とは、プライベートと事業の両方で同じ車を使っている場合のように、生活費と事業費を分けられない費用を一定割合で事業分の経費にする方法です。
車の使用が「事業70%、プライベート30%」なら、自動車税の70%を経費にできます。

マンション経営でかかる月々の経費

マンション経営で月々にかかる経費を紹介します。

・水道光熱費
・通信費

水道光熱費

マンションの入り口、廊下などの共用部分で使用している照明等の電気代は経費となります。
共用部分の水道料金も水道光熱費です。

それぞれの部屋にかかる水道光熱費は、入居者の負担になるため経費にはなりません。

通信費

マンション経営で必要になるインターネットや電話料金などは通信費として計上できます。
マンションにWi-Fiを設置している場合、月々にかかるWi-Fi料金も通信費です。

私用で使っているスマホの通信費用は経費になりません。
ただし、マンション経営用でスマホを保有する場合はスマホの通信費用も経費となります。

経費にできない費用

マンション経営では、経費にできない費用もあります。

・所得税・住民税
・借入金

所得税・住民税

所得税・住民税は個人にかかる税金のため、経費にできません。

また、会社を経営している場合に発生する法人税も経費にはならないため、注意しましょう。

借入金

マンション購入のための借入金は経費になりません。
会計上において損益にならないためです。
経費になるのは、借入金に対して発生する利息のみとなります。

マンション経営の経費における注意点

マンション経営の経費における注意点

経費の取扱においては以下の3つに注意しましょう。

・領収書を保管する
・家事按分する場合は証拠を残す
・経費を増やしすぎると手元にお金が残らない

領収書を保管する

マンション経営にかかった経費に関する領収書は必ず保管しましょう。
確定申告時に領収書の提出は必要ありませんが、領収書は7年間の保管が義務づけられています。
税務調査が入ったとき、領収書がない支払いは経費として認められません。

レシートは領収書の代わりに使えます。
ただし、レシートは印字が劣化しやすいため、劣化する前にコピーや電子データとして保存しておく必要があります。

家事按分する場合は証拠を残す

交際接待費や自動車にかかる費用など、プライベートとマンション経営のどちらにも該当する支払いを経費にする場合は、必ず証拠を残しておきましょう。

たとえば、取引している不動産会社の担当者と情報交換のために会食をおこなったとします。
飲食店の領収書だけでは、プライベートかマンション経営に関係する支払いかわかりません。

税務調査が来た場合を想定して、説明できるように以下の情報を記録として残しておきましょう

・いつどこで誰と会ったか
・どのような情報交換をしたか

税務調査を受けることになっても、慌てないように証拠を残しておきましょう。

経費を増やしすぎると手元にお金が残らない

経費を増やすことは節税になる一方、やりすぎると手元にお金が残りません。
たとえば、節税のために接待交際費や損害保険料を増やしたことによって、年間の収支がマイナスになってしまった場合、赤字をカバーするために自己資金を不動産経営に回す必要が出てきます。

資金が手元にないと、空室になってマンション収入が得られなくなったときの負担も大きくなります。
節税のやりすぎには注意して、手元に資金を残すことを意識しましょう。

まとめ

マンション経営では、相続税の節税をはじめ、マンションの経営が赤字になった場合は所得税・住民税を節税できます。
また経費を計上することで、マンション経営で発生する税金を抑えることも可能です。

マンション経営では多額のお金が動きます。
それだけ多くの税金も発生するため、税金で損をしないためにも正しい節税の知識を身につけましょう。

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