あなたのワンルームマンションが売却できない理由と対策5つ

不動産投資の中でも、人気を集めているのがワンルームマンションです。手軽に始められるうえ、空室リスクが少ないとされるのがその理由でしょう。一方で、しっかりとした出口戦略を持たなければ、売却に苦労しやすいともいわれています。 この記事では、ワンルームマンションが売却できないとされる理由や、オーナーとして取るべき対策について解説します。


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あなたのワンルームマンションが売却できない理由5つ

不動産投資の対象として注目を集め、賃貸需要も高いとされるワンルームマンションなのに、売れない理由はどこにあるのでしょうか。まずは、ワンルームマンションが売却しにくいとされる理由から解説します。

1. 相場より価格設定が高い

ワンルームマンションが売れない原因としてもっとも多いのが、販売価格が相場からかけ離れていることです。

これらの判断で価格を決めてしまうと危険なので注意しましょう。

・「査定額の中で一番高い」という理由だけで販売価格を決めた
・手持ち金からの持ち出しがないように、ローンの残債以上の価格を設定した
・損をしたくないからと購買価格と同額で売り出した

2. ローンの残債を支払えない

不動産購入時にローンを組んで、投資を始めるオーナーも多いことでしょう。もしも、ローンの残債がある状態でワンルームマンションの売却を検討している場合は、あらゆるリスクを想定しておく必要があります。

金融機関は、ローンを組んだ物件や土地に対して抵当権を持っています。つまり、不動産を売却したいなら、ローンを完済して抵当権を外すことは絶対条件なのです。

売却益をローンの返済に充てるのも方法のひとつでしょう。しかし、思うような売却益がなく、持ち出せる資金が手元にもない場合には、物件を売れなくなるうえ、買い手とのトラブルになる要因にもなりかねません。

3.不動産の売却時期ではない

不動産の売却時期に制約はありません。しかし、買い手からの需要が高まる時期があるので、そのタイミングで売り出すかどうかで、買い手の見つかりやすさが違うのです。

不動産が動くのは、転居が増える1~3月の春先や企業の決算期が集まる秋ごろです。逆にそれ以外のタイミング、例えばお盆などに物件を売ろうとしても、買い手はなかなかつきません。

また、物件の購入に欠かせないローンですが、ここ数年、不動産投資への融資は厳しくなってきています。審査に通ってもローン金利が以前より高いため、その結果、不動産投資の利回りが悪くなってしまうのです。

こうした金融情勢の影響を受けて、買い手の購買意欲が下がってしまい、ワンルームマンションが売れにくくなる可能性もあります。

4.物件のニーズが低い

ターゲット層のニーズをつかんでいない物件は投資物件としてリスクが高いと判断され、売れにくい傾向があります。

ワンルームマンションのターゲット層は、単身者や学生といった若年層がメインです。そのため、築年数の古い物件、フローリングやWi-Fiといった人気の設備を備えていない物件は、敬遠されやすいでしょう。こうした物件は空室率が高くなってしまい、利回りが低くなる可能性があります。利回りが低い物件は、利益を得たい投資家に敬遠されがちです。

水回りのリフォーム、壁や床、間取りなどのリノベーション、設備の見直しを進めるなどして、物件の価値を高めておくことが大切です。

5.仲介会社選びを間違った

優良な物件を適切な価格で販売しているのになかなか売れないとすれば、選んだ仲介会社との間にミスマッチが生じているかもしれません。

投資物件は、不動産仲介会社を通じて売却します。しかし、会社によって得意分野はさまざまです。そのため、選んだ仲介会社が投資用物件の売却に詳しくないこともあるでしょう。

また、仲介会社の収入は売却価格に応じた手数料です。中には高い手数料収入を見込める物件に力を入れて、ワンルームマンションの売却は後回しにする仲介会社もあるようです。

さらに、仲介会社が作成した広告が物件の魅力をうまく伝えられていない可能性もあります。物件の写真が悪くないかなど、チェックしてみましょう。

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あなたのワンルームマンションを売却する方法5つ

売れにくいとされるワンルームマンションですが、いくつかのコツを押さえるだけで、売れる物件へ生まれ変わる可能性があります。そこで、投資用ワンルームマンションの売却で実践すべき方法を紹介しましょう。

1.相場価格を知って売却額を設定する

売れるワンルームマンションの第一条件は、相場に見合った適正価格であることです。

売却に向けて具体的に動き出す前に、まずは複数査定を依頼して、物件の相場価格を把握してください。この際、不動産会社はワンルームマンションの売却に強い会社を選ぶのが、適正価格をつかむポイントです。

マンションは新築からわずか1年で資産価値が減少し、築10年ほどで70%前後、築25年ほどでほぼ半分になるといわれています。こうした知識も抑えておくと、相場価格をつかみやすくなるでしょう。

実際の売却価格は、値下げ交渉があることも想定して、相場価格から10%前後を上乗せしておくと良いでしょう。

2.将来売却することを見越して返済をしておく

ワンルームマンションの売却を考えるタイミングで、まず解決しておきたいのがローンの残債です。

ローンの残債がある物件は、引き渡しまでに完済する必要があります。売却益で一括返済することもできます。しかし、期待するような売却益が出なければ、手持ちの資金を持ち出さなくてはなりません。

また、ローンを完済できなければ物件の成約を撤回することになり、買い手とトラブルになる恐れもあるのです。

ローンの残債があるなら、繰上げ返済を積極的に活用するなど、計画的に返済を進めていきましょう。もしも、今すぐ売却に動きたいときには、金融機関や不動産会社に相談することをおすすめします。

3.不動産売却に良いタイミングを見計らう

ワンルームマンションを含む不動産の売却には、3~6ヶ月はかかるといわれます。不動産会社との管理契約が3ヶ月単位で更新されることが多いためです。こういった理由を加味して、売却までの期間は、最低でも3ヶ月はかかると考えておきましょう。

そのため、不動産が動くタイミングである春先や秋ごろに売り出しが出来るように逆算して、スケジュールを組むことをおすすめします。

マンションは、10~15年おきに、外壁や共有スペースの大規模な修繕工事が入ります。ある程度築年数を経たワンルームマンションを所有するなら、修繕工事を終えた直後など、買い手の印象が上がるタイミングで売却するのもおすすめです。

4.ニーズがない理由を考察し、改善する

ワンルームマンションは、立地や築年数などの違いはあっても、間取りや設備にあまり変化がありません。数多くの物件から選ばれるワンルームマンションにするには、買い手のニーズに応える努力が大切です。

買い手となる投資家にとって重要なのは、物件の利回りです。利回りを少しでも上げるために、築年数が古いならリノベーションを行なって見た目を改善する、空室なら入居者を募集する、Wi-Fiやセキュリティシステムを導入する、といった改善策を進めましょう。

5.ワンルームマンション売却が得意な不動産会社を選ぶ

不動産の売却は、不動産仲介会社に依頼して行います。どんな会社でも売却の仲介はしてもらえますが、投資用物件の扱いやワンルームマンションの売却に強みがあるか、きちんと見極めなければなりません。

適正な査定額を出せることはもちろん、売却にあたってどのような手法で広告や宣伝をかけるのか、集客力はあるのかといった点も、不動産仲介会社を選ぶ判断材料となります。

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あなた自身で相場を調べることも可能

不動産仲介会社に査定を依頼するのが一般的ではあるものの、相場価格はあなた自身で調べることが可能です。相場価格を調べておけば、査定額が適正の範囲内かどうかを判断するときにも役立ちます。

利用しやすいのは、不動産会社のポータルサイトです。物件周辺で売り出し中のワンルームマンションの価格を調べればおおよその相場をつかめます。競合物件の売買情報がつかめることも便利です。

ただし、こうしたサイトで売り出し中のワンルームマンションの価格が、実際に売れる価格とは限りません。あくまでも参考として捉えておくと良いでしょう。

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まとめ

手軽に始められる不動産投資として人気のワンルームマンションですが、出口戦略をしっかりと持っていなければ、売却に困ることも考えられます。

不動産投資は、家賃収入だけではなく、売却益も大切な収入源となります。少しでも有利に売れるように、自分自身で不安要素を取り払っておきましょう。また、信頼できる不動産仲介会社と出会い、プロの意見やアドバイスを聞くことも大切です。