目次
マンションの売却方法は「買取」と「仲介」の2パターン
マンションの売却方法には、「買取」と「仲介」のふたつのパターンがあり、それぞれ手続きの流れや売却までにかかる日数が異なります。
損をしない満足のいく形で終えるためにも、異なるふたつのパターンをしっかり理解しておきましょう。
■買取
マンションを直接買主に売るのではなく、不動産会社に売却する方法です。
買い手を探す手間がかからないのがメリットです。しかし、不動産会社は買い取った物件をリフォームして転売することが多いため、市場価格よりも比較的安い取引になる傾向にあります。
■仲介
不動産会社を介して、買主に直接マンションを売却する方法です。
不動産会社が販売広告を出して買い手を探し、売買交渉を代行してくれます。「買取」とは違い、売るのはあくまで個人のお客様ということになるので、市場価格とあまり相違ない価格で売却できる可能性があります。その反面、買い手が見つかるまで時間がかかる方法でもあるので、現金化するまでの時間もかかります。
「マンション買取」で得する人。損する人。
マンションを買取で売却した際に、得をする人、損する人のとの違いをそれぞれ紹介していきます。
メリットとデメリットの両方を比較して、自分にあっているか確認してください。
【得する人】マンション買取のメリット
次のメリットを重視してマンションを売却する場合は、買取に向いています。
すぐに現金化できる
買取最大のメリットは、所有するマンションを速やかに売却でき、現金化が早いことでしょう。
オーナーは自分で買主を探す必要がなく、価格査定や条件のすり合わせなどの売却手続きに必要な手間がかかりません。不動産取引のプロに売却すれば、あとはスムーズに交渉をしてくれます。
現金化が早いのは、今すぐ資金を必要としている人に取っては大きな強みです。売却後の住み替え先が決まっている人、相続税の納税期限が迫ってきているときなどにおすすめです。
仲介手数料がかからない
不動産会社に直接売却するぶん仲介料がかからないのも、買取のメリットのひとつです。
仲介手数料は、物件の売買価格に応じて数10万円かかるため、買取は売却の手続きに関する費用をできるだけ抑えたい人にはうってつけです。
売主責任を回避できる
売却時にかかる設備修復責任や瑕疵担保責任などの、売主責任を回避できるのも、マンション買取の利点です。
物件を引き渡した後に、設備の不具合や欠陥がみつかっても免責されるため、売却しやすくなります。
【損する人】マンション買取のデメリット
マンション買取の場合は、売却価格が相場よりも低くなる可能性があるというデメリットがあります。
不動産会社が中古でマンションを買い取るのは、リフォームして転売するのが目的です。再販までに多くの費用がかかるので、中古マンションをできるだけ安く買い取ったほうが、当然、不動産会社は利益を出しやすくなります。そのため、オーナー側でどれだけ交渉しても、売却価格はあまりあがりません。
またオーナーの売主責任を免責する代わりに、売却後に起きた不備に対するリスクを不動産会社が負うため、またそのぶん、売却価格が低く設定されがちです。
買取はマンションをできるだけ高く売却したい人、本来良い値がつく新しい物件の売却には不向きです。
「マンション仲介」で得する人。損する人。
引き続き、マンション仲介によって得する人、損する人の違いをそれぞれ紹介していきます。
こちらもメリットとデメリットの両方を比較して、自分にあっているか確認しましょう。
【得する人】マンション仲介のメリット
次のメリットを重視する人は、マンション仲介に向いています。
市場価格に近い価格で売却できる
マンション仲介の場合は、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。
仲介では、不動産会社がオーナーの意向にそって応募や売買交渉をします。売却を急がず、買主が現れるまで待てる余裕があるなら、マンション仲介を選ぶのがおすすめです。
自分で価格と買主を決めることができる
オーナーが売却価格と買主を決めることができるのも、マンション仲介のメリットのひとつです。
不動産会社が査定した範囲ではあるものの、仲介では、オーナーが売却価格を提示することが可能です。売却でより利益を出したい場合は、相場より高めに価格を設定できるため、利益を伸ばすチャンスが広がります。
買主は不動産会社と売買交渉をしますが、オーナーは売却の相手を選べます。もし複数の買い手がついたのなら、それはそのマンションの需要が高いということです。その場合、さらに価格を上げて募集をする、という選択もできるため、仲介のほうが価格的なメリットが大きいといえるでしょう。
【損する人】マンション仲介のデメリット
マンション仲介では引き渡しまでに時間がかかるケースが多く、すぐに現金化できないというデメリットがあります。
手続きは不動産会社による価格査定、買主の募集、希望者の内覧にオーナーの条件の調整と、手間と時間をかけてすすみます。さらに、いつ買主が現れるかは予測がつかないため、急いで売却したい、現金化したい人には向いていません。
マンション買取が得をするケース
マンション買取に適した物件の特徴を紹介します。少しでも希望どおりの売却ができるよう、物件に適した売却方法を選びましょう。
仲介で売却が難しいマンション
買取で得をするのは、仲介で売却をすることが難しいマンションです。
例えば、募集しても新しい買い主が名乗りを上げない物件、高額で売却することをあきらめて早く手放したいマンションなどが挙げられます。
仲介で売却をすることが難しいマンションを売却したい場合は、確実に現金化できる買取がおすすめです。
また、保有しているマンションのニーズがわからず、仲介と買取で迷ったときは、買取保証を選ぶ選択肢もあります。
「買取保証」とは、仲介と買取の、それぞれのメリットを活かした売却方法です。買取保証では、いったん仲介で、不動産会社にマンションの売り出しをしてもらいます。その後、一定期間経過しても買主がつかない場合は、あらためて不動産会社に買い取ってもらえます。
買取保証は高値売却の余地を残しながら、確実に売却できるこの方法は、不安の軽減にも役立ちます。ただし、買取保証も売却までに時間がかかるため、慎重に検討する必要があります。
相続したマンション売却
相続したマンションは、仲介よりも買取で売却したほうが無難です。
マンションの売却値は相続の際にトラブルになる可能性があるため、慎重な対応が求められます。一方、買取なら、複数の不動産会社の査定をもとに相続間で話し合いができ、のちのトラブルになるリスクを減らすことができます。
「すぐに売れない」仲介のデメリットを解消する3つのコツ
上述したとおり、仲介に比べて買取は損になることが多いため、できれば仲介でマンションを売却したいところです。しかし、ネックになるのが売却までの時間が長いということです。
ここではそんな仲介のデメリットを、少しでも解消する3つのコツを紹介します。
マンションの特徴に合った不動産会社と契約する
仲介のデメリットを解消するコツのひとつが「マンションの特徴に合った不動産会社と契約する」ということです。実は、不動産会社にはそれぞれ、得意な物件、不得意な物件があります。
たとえば、住居用の物件が得意な不動産会社もあれば、オフィス物件が得意な不動産会社もあります。所有している物件の特徴を把握して、得意な不動産会社に仲介を依頼することで、より短い期間で買い手を見つけることができるでしょう。
投資用マンションを売却したいなら、投資用マンションを専門とする不動産会社を選ぶようにしましょう。投資用物件の購入層は不動産投資家が多いため、彼らを顧客として多く抱えている投資用物件専門の不動産会社に依頼することで、効率的に買い手を見つけることができます。
また、不動産会社には得意な地域もあります。そのエリアで物件を探している顧客を見つけるためのノウハウを持っている可能性があるため、その地域の不動産情報に詳しい不動産会社に仲介を依頼することもおすすめです。
値付けを工夫する
マンションを仲介で売却する場合は、売り手が売却価格を決定します。もちろん不動産仲介業者も相談にのってくれますが、最終的な決定権は売り手側にあります。売却価格の値付けを工夫することで、より売却しやすくできるでしょう。
まずは、周辺の同じような築年数・間取りの物件の販売価格相場や周辺相場、景気の動向などを調べます。
次に、所有している物件は地域の需要に合っているか、人気物件で希少性が高いかといった特徴を考えましょう。地域の需要とは、「駅が近くて通勤が楽か」「都市部であるか」などの立地条件があげられます。
それらを踏まえて、買い手が購入したいと思案する値段を設定しましょう。値付けの際には、高すぎず安過ぎない、交渉の余地を残す価格にすることがポイントです。
また、以下のように周辺価格の相場を確認できるサイトもあります。これらを参考に、売却価格を考えてみましょう。
・レインズ・マーケット・インフォメーション
・マンションマーケット
売却のタイミングを見計らう
マンションの売却では、売却のタイミングを見計らうことも重要です。需要がより高い時期に売りに出すことで、売却しやすくなります。
マンションの取引が多くなるのは、転勤や入学など転居を検討するタイミングである1～3月の春先と9～11月です。可能ならば、この時期に売りに出すことを考えましょう。マンションの売り時について詳しく紹介している記事は以下です。ぜひ参考にしてください。
＞＞【完全版】投資用マンション売却のすべて！売り時とかかる費用も解説
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まとめ
マンションの売却には、「仲介」と「買取」のふたつの方法があります。一般的に、買取は仲介に比べて売り手にとって損になることが多いため、高く売りたい場合は仲介で売却することがおすすめです。
ただし、仲介は売りに出してから売却を終えるまでの期間が長くなる傾向にあります。マンションを仲介で売却する場合は、所有するマンションの特徴に合った不動産会社に依頼するなど、仲介のデメリットを少しでも解消する方法を取って売却しましょう。