家賃保証契約のデメリット|手数料の目安と売却時の注意点も解説

目次1 家賃保証契約とはサブリース契約2 マンション投資で家賃保証契約をおこなう2つのメリット3 マンション投資で家賃保 … 続きを読む 家賃保証契約のデメリット|手数料の目安と売却時の注意点も解説


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家賃保証契約(サブリース契約)の最も大きなデメリットは、収益性が下がることです。

マンション・アパートの経営を検討している方の中には、家賃保証契約(サブリース契約)の活用を考えているが、損するのではないかと不安な方もいるでしょう。

本記事は下記のような方におすすめです
  • 家賃保証契約(サブリース契約)のメリット・デメリットを知りたい
  • 家賃保証契約できちんと保証料を受け取れるか不安
  • 家賃保証契約は解約できるのかしりたい

本記事では、家賃保証契約(サブリース契約)の概要やメリット•デメリット、注意点について解説します。

本記事を一読すると、家賃保証契約の必要性が自身で判断できます。家賃保証契約について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでください。

家賃保証契約とはサブリース契約

家賃保証契約とはサブリース契約です。オーナーはサブリース会社と契約し、入居者の有無にかかわわらず、毎月安定して家賃を受け取れます。

サブリース会社は、オーナーの物件を入居者に転貸します。入居者から受け取った家賃からサブリースの手数料を引いた金額が、オーナーの口座に振り込まれる仕組みです。一般的にサブリースの手数料は家賃の10%〜20%で設定されています。

家賃保証契約(サブリース契約)と間違われやすい言葉に下記の2つがあります。

・家賃保証会社
・集金代行契約

家賃保証契約を理解するため上記の2つについて解説します。

家賃保証会社との違い

家賃保証会社とは、入居者が家賃を支払わない場合に代わりに家賃を支払ってくれる会社です。オーナーは家賃保証会社と契約せず、入居者が家賃保証会社と契約を結びます。家賃保証会社は、オーナーの負担なく家賃の未払いリスク回避が可能です。

最近は、連帯保証人の代わりに家賃保証会社との契約を求めるオーナーも増えています。一方で、入居者の負担が増えてしまうため、家賃保証会社との契約を義務にすると、入居者から敬遠されることもあるため注意が必要です。

家賃保証契約とは異なり、家賃保証会社の利用ではオーナーと入居者が直接契約するため、入居者の属性の把握や礼金を受け取ることも可能です。

集金代行契約の違い

集金代行契約とは、集金代行を依頼する契約です。最近では集金代行業者以外にもクレジットカード会社に依頼するケースが増えています。

一般的に集金代行の手数料は5%です。そのため、「オーナーの収入=家賃収入-集金代行契約の手数料」となります。

基本的に集金代行契約には、家賃保証のサービスはありません。そのため入居者が集まらないと家賃収入は得られません。ただしサービスの提供会社によっては、オプションで家賃保証を行っているため、興味のある方はサービス内容をしっかりと確認しましょう。

マンション投資で家賃保証契約をおこなう2つのメリット

マンション投資で家賃保証契約をおこなう2つのメリット

マンション投資で家賃保証契約(サブリース)を結ぶメリットは以下の2つです。

・空室でも家賃収入を得られる
・マンション管理の手間がかからない

空室でも家賃収入を得られる

家賃保証契約を結んでいると、空室でも家賃が得られます。基本的に入居者が集まらず空室になっていると、家賃収入は得られません。

仮に家賃10万円の部屋が半年間空室になると60万円の損失です。一方で家賃保証契約を結んでおくと、60万円の損失は生じません。

空室があったとしてもローンの支払いは、毎月発生します。家賃保証契約を結んでおけば、想定外の空室に対応でき、安定して家賃収入を得られます。

マンション管理の手間がかからない

マンション管理の手間がかからないこともメリットです。マンション経営には、下記の業務が発生します。

・集客
・入居者との契約
・建物の維持•管理

サブリース会社と契約すると、上記の業務をすべて委託できるため、サラリーマンの副業であっても、手間をかけないマンション経営が可能です。

マンション投資で家賃保証契約おこなう5つのデメリット

マンション投資で家賃保証契約おこなう5つのデメリット

マンション投資で家賃保証契約をおこなうデメリットは以下の5つです。

  1. 毎月の手数料が必要
  2. 敷金・礼金を受け取れない
  3. 補償額が減額されるケースがある
  4. 契約更新されないケースがある
  5. 免責期間がある

毎月の手数料が必要

家賃保証契約は毎月手数料が必要です。先述したように、一般的に手数料は家賃の10%〜20%の間で設定されます。仮に家賃収入が500万円のマンションを経営していると、手数料で年間50万円〜100万円かかってしまう計算です。

そのため、新築や築浅、駅近といった客付けが難しくないマンションを所有している場合は、家賃保証契約の必要性は十分な検証をおこないましょう。

敷金・礼金を受け取れない

家賃保証契約では、オーナーは敷金•礼金を受け取れません。家賃保証契約では、オーナーはサブリース会社と契約します。一方で、入居施設の契約者はサブリース会社です。そのため敷金•礼金を受け取るのはサブリース会社です。

家賃保証契約では、サブリース会社が受け取った敷金•礼金をオーナーに渡す契約内容になっているケースは少ないです。

敷金•礼金を受け取れないと、マンション経営による収入が下がってしまいます。サブリース契約を結びながら、敷金•礼金を受け取りたい方はサブリース会社と交渉の上、契約内容を見直しましょう。

保証額が減額されるケースがある

家賃保証契約を結んでいても、サブリース会社の事情により保証額が減額されるケースは珍しくありません。保証額とは、オーナーがサブリース会社から受け取るお金です。

サブリース契約は、法律上では「賃貸借契約」です。そのためサブリース会社には借地借家法上、オーナーに対して賃料減額請求権が認められています。

一般的に保証料の見直しは2年に1回です。オーナーには保証料の減額を拒否する権利があります。しかし、サブリース会社の要求を受け入れないと、家賃保証契約自体を打ち切られてしまう可能性が高いです。

そのためオーナー自身に集客能力がないと、サブリース会社の言いなりになってしまうケースもあります。

契約更新されないケースがある

家賃保証契約では、サブリース会社の都合で契約が更新されないこともあります。例えば近隣に同じようなマンションが多く、空室が長期間生じているケースが考えられます。

空室があってもサブリース会社は、オーナーに毎月保証料を支払わなければなりません。つまり、サブリース会社がまるまる損失を被ることとなります。

サブリース会社も利益を出さないといけないため、長い間入居者を集められない物件のサブリース契約を継続することはありません。家賃保証契約を結ぶ場合は、事前にどのようなケースで契約が打ち切られるのか確認しておきましょう。

免責期間がある

家賃保証契約には、免責期間が設定されているケースが一般的です。免責期間とは、家賃保証契約を結んでもオーナーにサブリース会社が保証料を支払う必要のない期間です。

免責期間には下記のパターンがあります。

・契約締結後3か月
・入居者が1人入居するまで

免責期間中は家賃収入が得られないため、オーナー自身が損失を負担しなければなりません。家賃保証契約を締結する前には、免責期間の有無や内容を必ず確認しましょう。

家賃保証契約の注意点

家賃保証契約の注意点

家賃保証契約の注意点を下記3つ解説します。

・売却価格が下がる可能性がある
・サブリース会社が倒産する可能性がある
・家賃保証契約を解除できないケースもある

売却価格が下がる可能性がある

家賃保証契約を締結しているマンション・アパートは、売却金額が下がる可能性があります。なぜならサブリース会社から受け取れる保証料は、周辺の同規模物件との家賃と比較して低いケースが多いからです。

つまり競合物件よりも収入が少なくなってしまい利回りが悪くなるため、売却価格を下げないと売却できない可能性があります。

家賃保証契約を締結する前には、売却時のことも検討しましょう。目先の家賃収入を安定させるためだけに家賃保証契約を結んでしまうと、売却時に損をしてしまう可能性が高いため注意が必要です。

サブリース会社が倒産する可能性がある

サブリース会社が倒産して、受け取るはずだった保証料が振り込まれない可能性には注意が必要です。

サブリース会社の中には契約獲得のために、入居者から受け取る家賃よりもオーナーに支払う保証料を高くして契約を結んでいることもあります。つまり、サブリース会社は時間が経つごとに赤字がかさんでいくため、事業継続が難しくなります。

サブリース会社が倒産すると、サブリース会社が預かっていた家賃や敷金・礼金をオーナーの自己負担で補填しなければなりません。

そのためサブリース会社から保証金の振込が遅れるといった事態が発生したら、契約の打ち切りも含め対策を講じましょう。

家賃保証契約を解除できないケースもある

家賃保証契約は、解除できないケースもあります。借地借家法上、サブリース会社は「借主」に当たるため、オーナー都合で契約解除する場合には、正当事由が必要です。

つまり、正当事由がなければ、サブリース会社は、オーナーから家賃保証契約の解除の申し出があっても拒否できます。

正当事由として認められる理由には、下記のようなものがあります。

・保証金の振り込みが何か月も遅れている
・オーナー本人や親族などが物件を使用する
・老朽化により、マンションやアパートを取り壊す
・やむを得ず売却する必要がある
(ローン返済が困難なためなど)

ただし、上記の事由があっても、必ずオーナーの申し出が認められるとは限りません。そのため家賃保証契約を結ぶ際は、解約する際の条件に目を通しておきましょう。

まとめ

本記事では、家賃保証契約(サブリース契約)の概要やメリット•デメリット、注意点について解説しました。

家賃保証契約は、空室リスクを軽減でき、マンション•アパート経営の手間がかからないメリットがあります。

ただし継続的にサブリース会社に手数料を支払う必要があり、利益率が悪くなる点がデメリットです。

また、サブリース会社の都合で、毎月の保証金の減額や契約更新がされないといったリスクもあります。家賃保証契約を結んでいる物件は、売却価格が下がる可能性が高いです。

そのため希望価格で売却できず、ローンの返済ができない、老後資金が準備できないといった事態になりかねません。家賃保証契約を締結する際は、契約書の内容を把握して、不測の事態が起こらないようにしましょう。