「購入直後の新築マンションを売却したい」という話は不動産業界では珍しくありません。
しかし、新築マンションをすぐに売却すると損をするのではないかと、売却を悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では新築マンションを売却する際のタイミングや注意点を解説します。
新築で購入したマンションをすぐに売却する理由
新築マンションを購入した人が売却する主な理由は、以下の通りです。
・住宅ローン、管理費、修繕積立金、駐車場などの費用の負担が大きい
・立地や間取りなどに不満ができた
・転勤、子どもの成長、離婚などの環境の変化が発生した
上記のような理由で、新築マンションを売却する人は一定数存在するため、新築マンション売却は珍しいことではありません。
次より、新築マンションの売却タイミングや注意点について確認していきましょう。
新築マンションを売却するタイミング
結論として、入居前は1年以内に、入居後は築年数が浅いうちに売却することがおすすめです。
一般的に不動産は「新築」と「中古」で売却価格の相場が異なります。
「新築」の定義は品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められています。
「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)を指します。
【引用】住宅の品質確保の促進等に関する法律 – 国土交通省
入居前のマンションを売却する場合は、「新築」である建設後1年以内にマンションを売却するようにしましょう。
入居済みのマンションの売却価格は、一般的に築年数が経過するにつれて下落していきます。
ただし、築年数が5年未満の場合は新築と同じような金額で売却されるケースもあります。
築年数5年未満の場合、内装の劣化や設備の消耗も少ないと判断されるためです。
また、売却時に該当エリアに新築マンションが販売されていない場合は比較的高い金額で取引が可能です。
マンション売却時には、所有マンションの相場や該当エリアでの類似物件の有無を確認するようにしましょう。
進学・転職など環境の変化がある3月に向けて準備する
進学・転職など環境の変化を伴う時期は、多くの人が新たな住居を探しています。
特に、4月からの新生活に向けて、3月中に引越しや手続きなどを済ませたいと考えている人が多く、3月はマンションが非常に売れやすい時期になります。
マンション売却は一般的に3〜4ヵ月程度かかるため、売却活動は前年11月ごろから開始することをおすすめします。
具体的には、11月頃からマンションの査定を受けるなどの売却活動を始めると、マンション売却のピーク時期である3月頃に買主に物件を引き渡すことが可能です。
エリアの人気が高まっているタイミング
売却したいマンションのエリアが注目されている時期は、マンションの売りどきです。
マンションの近くに生活の基盤となる施設が建設される場合、引越しを検討している人がその物件を魅力的に感じる可能性が高くなります。
例えば、マンションの近くに駅やスーパー、コンビニが新設されることで、交通や生活の利便性が向上し、そのエリアの人気が上がることがあります。
実際、マンション購入時に考慮した項目として、交通利便性や日常の買い物環境が挙げられており、買主がマンションの立地を重要視していることが分かります。
【引用】マンションに関する統計・データ等 – 住宅
平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状
新築マンションを高く売却する方法
新築マンションを高く売却する方法について、マンション売却の流れとともにご紹介します。
特に注意する点は「マンションの査定」「不動産会社へ仲介を依頼」「内覧の対応」の3点です。
マンション売却の流れ
①必要書類の準備
②マンションの査定
③不動産会社へ仲介を依頼
④売り出し開始
⑤内覧の対応
⑥売買契約の締結
⑦マンション引き渡し
⑧確定申告
複数の不動産会社に査定依頼する
新築マンションをできるだけ高く売るには、マンション査定を複数の不動産会社に依頼することが必要です。
不動産会社によって査定額が異なるため、高く売却してくれる不動産会社を探しましょう。
また、複数の不動産会社に査定を依頼することで、不動産会社同士の価格競争を期待することができるため、より高値で売却することができます。
マンション査定は、机上査定では5社以上、訪問査定では3社以上に依頼するようにしましょう。
「イエリーチ」では、無料でいつでも何度でも不動産会社への査定依頼が可能です。
マンション売却に強い不動産会社に依頼する
不動産会社は数多く存在しますが、得意分野も様々です。
マンションを高く売りたい場合は、不動産会社の該当エリア内におけるマンション売却実績(成約数や価格)を確認し、マンション売却に強い会社に依頼しましょう。
また、不動産会社の支店から担当エリアも確認し、マンションの立地エリアを把握している会社かという点も確認してください。
マンション売却には、マンション売却のノウハウだけでなく、立地に関する理解も必要です。
内覧前は掃除をおこなう
マンションを高値で売却するには、買主にマンションに対して好印象を与えることが重要です。
内覧に来る人は、マンションの間取りや立地、価格などの条件に納得している方が多いため、内覧で良い印象を与えることでスムーズに売却が進みます。
好印象を与える内覧のコツ
①部屋を明るく見せる
日当たりや部屋の明るさを重要視する買主は多いです。
窓ガラスを拭き、窓の近くを整理することで、窓から光を取り入れやすい状況にしましょう。
また、お昼に内覧を予定している場合も、あらかじめ照明をつけておくことをおすすめします。
②整理整頓する
家具が多いと部屋が狭く見えてしまいます。
部屋をより広く感じてもらうために、不要な家具は処分し、日用品は収納場所へ整理しましょう。
③掃除をおこなう
新築マンションを売却するときに気を付けたいことは、家の清潔感や匂いです。
内覧前に必ず掃除を行い清潔感を出すようにしましょう。
また、換気や家具の消臭もおこない、購入時に近い状態で内覧してもらうことが大切です。
購入直後の新築マンションを売却するときの注意点
購入してすぐのマンションを売却する際に気になるのは、住宅ローンの完済や、マンション売却にかかる費用や税金ではないでしょうか。
オーバーローンや予期せぬ出費を避けるためにも、以下の2点は必ず確認するようにしてください。
・住宅ローンの残債を確認する
・マンション売却にかかる費用・税金を把握する
住宅ローンの残債を確認する
売却したいマンションの住宅ローン返済状況は必ず確認しましょう。
新築マンションをローンで購入している場合は、オーバーローンになりやすいからです。
オーバーローンとは、マンション売却金額を住宅ローン残債が上回る状況を指します。
住宅ローンは一般的に元利均等返済方式で支払われます。
元利均等返済方式ではローン返済初期は元金の返済がすすみにくいため、新築マンションを売却する際は、マンション売却価格をローン残債が上回る(=オーバーローンとなる)可能性が高くなります。
元利均等返済方式とは、毎月支払う返済額(元金+利息)が一定となる返済方法です。
ローン返済初期は、返済金額のうち利息が占める割合が高くなります。
オーバーローンにならないためにも、新築マンションはできるだけ高く売却する必要があります。
マンション売却にかかる費用・税金を把握する
新築マンション売却には通常通り、仲介手数料や登録免許税など様々な費用がかかります。
これらの費用は、マンションの売却金を受け取る前に支払う必要が多いため、事前に計算し手元に用意しましょう。
マンション売却時に発生する費用・税金
費用・税金 | 金額(相場の金額も含む) |
不動産仲介手数料 | 仲介手数料は、物件売却金額にあわせて上限の金額が定められています。 400万円超:売却金額×3%+6万円+消費税 200万超400万円以下:売却金額×4%+2万円+消費税 200万円以下:売却金額×5%+消費税 |
譲渡所得税 | マンションの保有期間によって異なります。 短期譲渡:39.63% 譲渡年の1月1日時点での保有期間が5年以下の場合 →新築マンションの場合はこちらが該当します 長期譲渡:20.315% 譲渡年の1月1日時点での保有期間が5年を超える場合 |
登録免許税 | 不動産1つにつき1,000円 |
司法書士への報酬 | 一般的に約1~2万円 |
登記事項証明書の手数料 | 登記所の窓口で受け取る:600円 オンラインで申請し郵送で受け取る:500円 オンラインで申請し窓口で受け取る:480円 |
ローン一括返済に かかる費用 | 一般的に約1〜3万円 金融機関によって異なるため、詳細は金融機関HPなどでご確認ください。 |
【引用】(2023/3/29時点)
建設産業・不動産業:不動産流通について – 国土交通省
No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
○登録免許税の計算
登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です :法務局
まとめ
この記事では、新築マンションを売却する際のタイミングや注意点について解説しました。
新築マンションをできる限り高く売るためには、売却金額の相場や立地エリアを確認したうえで早めに売却する必要があります。
また、売却前には必ずマンション査定を行い、高値で売ることができる不動産会社を探すことも大切です。
一方で、住宅ローンの確認やマンション売却に必要な費用についても把握し、スムーズにマンションが売却できるよう準備をしましょう。