転勤や急な両親との同居など、さまざまな理由で購入したマンションを売却する方は大勢います。マンションを売却する際は、売却のタイミングや査定など、失敗しないためのコツがあります。
本記事ではマンションを売却する際にありがちな失敗例や後悔しないためのポイントを紹介します。
マンションを売却する際にありがちな失敗
はじめに、マンションを売却する際にありがちな失敗例を紹介します。マンション売却の失敗は、下記のようなさまざまな原因があります。
・売り出しの時期が適切ではない
・担当者の対応が悪かった
・大幅な値下げに応じた
・契約や税制についての知識が無かった
上記のような失敗原因を参考に、マンション売却時に注意すべきポイントを学び、損をしないマンション売却の方法を検討しましょう。
売り出しの時期が適切ではない
マンションを売却する際、適切ではない時期に売却すると失敗する原因となります。マンションに限らず、ものを売る際は適切なタイミングがあります。
家電であれば新生活がはじまる前の1月から2月にかけて、衣類であればシーズン前が売り時です。売り時ではないタイミングで売却すると、売り時と比べて売却価格が安くなってしまうことがあります。
マンションも同様で売却のタイミングを誤ると、想定より安く売ることになったり、買い手がつかない可能性もあります。
マンションは築年数が浅いほど高値で売却できます。また引っ越しが多くなる前の1月から2月や、7月から8月にかけては需要が高まるため、売却するのに良いタイミングです。
担当者の対応が悪かった
マンションを売却する際に仲介を依頼した不動産会社の担当者の対応が悪いと失敗する原因となることがあります。
依頼した不動産会社の担当者によっても、マンションの売却が成功するか失敗するかが左右されることがあります。
マンションを売却する際は購入希望者への宣伝や、さまざまな売買手続きを行わなければなりません。そういった業務を丁寧に進めてくれる担当者であれば、希望額で売却することも可能です。
しかし対応が粗雑な担当者だとマンションの売却に失敗するケースがあります。
そのため、担当者の人柄やこれまでの実績を見極めて、マンションの売却を任せていいかを判断しましょう。
大幅な値下げに応じた
マンションを売却する際に大幅な値下げに応じてしまい、売却後に後悔するという方もいます。しかし売却の際にライバルとなるような物件があったり、売り出してからなかなか買い手が現れないと焦ってしまい、価格交渉を持ち掛けられた際に応じるというケースも少なくありません。
この際、売り手側が納得できれば問題ありませんが、売却してから後悔するというケースも多々あります。
売却の際に売却価格で後悔しないためにも、価格交渉には冷静に対応することが重要です。価格交渉を持ち掛けられた際は、不動産会社と相談し、納得できる金額で売却しましょう。
契約や税制についての知識が無かった
マンションを売却する際に契約や税制についての知識がないことで失敗することもあります。マンションを売却する際は多くの方が不動産会社に売却を依頼します。
その際に不動産会社へ支払う手数料や売却に関わる税金を考慮せずに、失敗するというケースも珍しくありません。例えばマンション売却で不動産会社に支払う仲介手数料は以下のように上限が設定されています。
売却価格 | 仲介手数料上限 |
200万円以下 | 売却価格×5%+消費税 |
200万円を超え400万円以下 | 売却価格×4%+2万+消費税 |
400万円を超える | 売却価格×3%+6万+消費税 |
【参考】国土交通省告示:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(2023/4/20時点)
マンションの売却には手数料のほかにも印紙税や司法書士報酬なども必要です。そういった売却にかかる費用は必ず念頭に置いておきましょう。
諸費用を計算に入れておかないと、売却が終わったあとに手元に残った金額が思ったより少ないというケースもあります。後悔しないために、売却に関する費用は正確に把握し、売却価格を設定しましょう。
マンション売却で後悔しないための5つのポイント
ここからはマンションを売却する際に後悔しないためのポイントを5つ紹介します。以下に記載するポイントをしっかり把握して、マンション売却で後悔しないようにできることを実践していきましょう。
・複数の不動産会社に査定を依頼する
・査定額だけで決めない
・売却価格を決めておく
・内見までに部屋を空室にしておく
・アピールポイントを事前にまとめておく
複数の不動産会社に査定を依頼する
マンションを売却する際は複数の不動産会社に売却価格の査定を依頼し、納得できる価格を提示した会社に仲介を任せましょう。マンションを売却する際、仲介を依頼する不動産会社を最初から1社に決めてはいけません。
なぜなら1社だけでは売却の査定額が高いのか安いのか比較できないからです。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、金額を比較して納得できる不動産会社に仲介を依頼しましょう。
いい加減な不動産会社を選ぶと、査定金額を高く見積り、売却の時には査定額よりも大幅に安い金額で売却するケースもあります。
イエリーチでは、無料でいつでも何度でも不動産会社への査定依頼が可能です。マンション売却でお悩みの際はお気軽にご相談ください。
査定額だけで決めない
マンションを売却する際は査定額だけで決めてはいけません。先述した失敗例のように、不動産会社の担当者によっても売却の結果は変わります。
ほとんどの不動産会社が誠実に対応してくれますが、対応の悪い会社もまれに存在します。査定額と不動産会社の実績や対応などを総合的に検討し、依頼する不動産会社を決定しましょう。
売却価格を決めておく
マンションを売却する際に事前に売却価格を決めないことで失敗することもあります。先ほど失敗した原因の部分でも触れましたが、焦りから過度な価格交渉に応じて後悔するケースもあります。
売却価格で後悔しないためにも、事前に売却価格を決めておきましょう。売却額交渉の際に安い金額で契約をしない為にもこれ以上の値下げには応じられないという金額を決めておくことが重要です。そのため、売却価格の相場を把握し、自分が納得できる金額で売却価格を設定しましょう。
周辺マンションの相場を把握したうえで、不動産会社への手数料や登録免許税など諸費用を踏まえて売却価格を検討してください。そして売却による利益を十分確保できる金額を意識しましょう。
内見までに部屋を空室にしておく
マンションを売却する際は内覧までに部屋を空室にしておきましょう。マンションを売却する際は購入希望者が内覧に訪れます。その際に物件から家具や家電などをすべて搬出し空室にしておき、物件の隅々まで見える状態にしておきましょう。
マンションを購入する際に前の居住者の生活感が見えてしまうと、自分たちが購入した後のイメージが湧きづらくなります。そうなると購入を躊躇ってしまうという方も少なくありません。
また家具や家電などがあると、隅々まで物件の状態を確認できないため、隠れた傷や汚れに気付かない可能性もあります。購入希望者が内見して隅々まで物件の中が見えるように、物件の中は空室にしておきましょう。
アピールポイントを事前にまとめておく
マンションを売却する際は物件のアピールポイントを事前にまとめておきましょう。事前にアピールポイントをまとめておくことで、売却の成功率を上げることも可能です。
マンションのアピールポイントは例えば以下のようなポイントです。
・日当たりのいい部屋や時間帯
・近隣にあるお店や施設
・バス停や駅などの最寄りの交通機関までの距離
・騒音の有無など
こういった情報は実際に住んでみた人にしかわからない、貴重な情報です。事前にまとめておき、尋ねられた際に淀みなく答えられるように準備しておきましょう。
ただし、都合の悪いことを聞かれた際に誤魔化したり隠すと、後々トラブルになる恐れがあります。そのため、都合の悪いことを聞かれても正直に伝えましょう。
マンション売却で失敗しないためのコツ
最後に、マンションを売却する際に失敗しないためのコツを紹介します。以下の3つのコツと、ここまで紹介した失敗原因や後悔しないためのポイントとあわせて、納得できる売却にしましょう。
・スケジュールに余裕を持つ
・内見対応は購入者目線でおこなう
・売却の主導権を握る
スケジュールに余裕を持つ
マンション売却時はスケジュールに余裕を持っておくと失敗を避けることができます。
売却を急ぐ方は、焦るあまり購入希望者が現れた際に大幅な値下げ交渉に応じて、売却後に後悔する方も少なくありません。そういったことにならないようにできるだけ売却のスケジュールには余裕を持っておきましょう。
マンション売却は概ね次のような手順で進んでいきます。
- 不動産会社に査定を依頼
- 不動産会社と媒介契約締結
- 販売スタート
- 買付証明書の受け取り
- 購入希望者との売買契約締結
- 物件引き渡し
- 売却の翌年に確定申告(必要に応じて)
この一連の手順の中で、1から6までの手順でおよそ3か月から6か月ほどかかります。具体的にいつまでに売却を完了したいという期限がある方は、手順を参考に期限から逆算して売却をスタートしましょう。
内見対応は購入者目線でおこなう
マンション売却の際、内見の対応は購入者の目線でおこないましょう。
マンション売却では売却価格も重要ですが内見における対応も非常に重要です。例えば壁や床に掃除しきれていない汚れが残っていたり、目立つ傷が残ってたりすると、購入希望者の購入意欲が減ってしまいます。
また売却したいという気持ちが前に出すぎて、説明やアピールに熱が入りすぎるとその気持ちは購入希望者に伝わります。購入希望者の中にはそういった必死さを好まない方もいるため、説明やアピールは冷静に行いましょう。
内見の際はマンションを売却する側は、購入希望者の目線に立って対応しましょう。購入希望者が見たい部分を見て必要な情報を聞けるように備えておくことが重要です。
売却の主導権を握る
マンションを売却する際は不動産会社任せではなく、自分が率先して動いて主導権を握ることが重要です。不動産の売却について、プロでもない限り専門的な知識を持っている方は多くありません。
そのため販売活動から売却にかかる諸費用、書類手続きなどを不動産会社に一任している売り手の方もいます。しかしそのような姿勢で売却した結果、満足のいく売却ができず後悔する方もいます。
マンションを売却する際は売り手が主導権を握って不動産会社を動かしましょう。
主導権を握るといっても難しいことではありません。売り手として決して譲れない部分を決めたり、定期的に状況を確認し不動産会社の動きをチェックするなど簡単なことばかりです。
マンション売却を不動産会社任せにせず、積極的に自分で動いて満足のいく売却につなげましょう。
まとめ
本記事ではマンションを売却する際に後悔しないためのポイントや失敗しないためのコツを紹介しました。難しいこともあるマンション売却ですが、積極的に行動しなければ、売却後に後悔する可能性もあります。
少しでも良い条件で売却できるように必要なことは調べ、自分で納得できるマンション売却に取り組みましょう。