マンション経営とは?得られる収入・リスクや始め方を解説

マンション経営とは?得られる収入・リスクや始め方を解説

目次1 マンション経営とは2 マンション経営で期待できる経済的メリット3 マンション経営の始め方4 まとめ 迂闊にマンシ … 続きを読む マンション経営とは?得られる収入・リスクや始め方を解説


この記事は約10分で読み終わります。

迂闊にマンション経営を始めると、経営に失敗してしまうリスクもあります。
マンション経営を考えている方は、以下のような問題で悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

本記事は下記のような方におすすめです。
  • マンション経営の概要がよくわからない
  • メリットとデメリットを比べてから始めたい
  • どうやってマンション経営を始めたら良いかわからない

この記事では、マンション経営の概要やマンション経営のメリット・デメリット、始め方を解説しています。マンション経営の基礎知識をつけられる記事となっているため、ぜひ最後までお読みください。

マンション経営とは

マンション経営とは

マンション経営とは、所有しているマンションを貸し出し、家賃収入を得ることです。
マンション購入費用など初期費用はかかりますが、安定的に家賃収入が入ってきます。
また、賃貸に出したマンションを手放して売却益を得ることもできます。

  1. マンション経営にかかる費用
  2. アパート経営との違い

マンション経営にかかる費用や、混同されやすいアパート経営との違いについても理解しておきましょう。

マンション経営にかかる費用

マンション経営には、一度だけかかるイニシャルコストと継続的にかかるランニングコストがあります。イニシャルコストの例としては以下の費用が挙げられます。

・マンションの購入費用
・ローン事務手数料
・不動産取得税(土地・建物両者にかかります)
・仲介手数料
・登録免許税

ランニングコストとしては以下の費用が上げられます。

一覧表にある金額は、鉄筋コンクリート造の不動産評価額2,000万円、年間賃料240万円のマンションを想定して算出しています。

費用項目年間の費用の目安概要
火災保険3,000円前後見積り条件によって金額が異なります
管理委託費用12万円〜24万円程度一般的に賃料の5〜10%
修繕積立金12万円前後一般的に年間家賃の5%前後
マンションの状況によって異なります。
固定資産税28万円前後
軽減税率を適用しない場合の金額です。
不動産評価額の1.4%
※下記の軽減税率があります。
※税率は条例で変更可能なため、
詳しくは市区町村にご確認ください。
都市開発税〜6万円
軽減税率を適用しない場合の金額です。
不動産評価額の0.3%
※下記の軽減税率があります。
※市区町村によっては、
税率が0.3%未満のケースもあります。

固定資産税と都市計画税には、軽減税率の特例があります。
土地が200㎡以下の部分は固定資産税が1/6、都市計画税は1/3に軽減されます。
土地が200㎡を超える部分は固定資産税が1/3、都市計画税は2/3に軽減されます。

上記の表を元にマンション経営にかかるランニングコストを計算すると、58万3,000円〜70万3,000円と算出が可能です。

ただし、火災保険の補償内容を充実させる、エレベーターなどの設備があるといった条件でランニングコストは変わってきます。詳しくランニングコストを知りたい場合は、具体的なマンションの条件を当てはめてシミュレーションする必要があります。

アパート経営との違い

マンション経営と混同されやすいアパート経営について、知識をつけておきましょう。

アパートとは

一般的に、木造・軽量鉄骨造で、3階建までの建物を指します。

項目アパートマンション
所有の方法原則一棟所有一棟所有・区分所有が選べる
初期費用マンションに比べて安い高額になりやすい
法定耐用年数22年(木造の場合)47年
資産性マンションに比べて低い高い
耐震性能弱い強い
全室空室リスク低い区分の場合は高い

アパート経営は原則一棟所有しますが、マンションは区分所有も可能です。1室のみ賃貸に出せるため、初期費用を抑えられます。
しかし耐震性能は、木造アパートよりも鉄筋コンクリート造マンションの方が高いです。また資産性も法定耐用年数が47年であることから、マンションの方が高いといえます。

【参考】耐用年数(建物/建物附属設備)

マンション経営とアパート経営は、どちらが優れているとは言い切れません。事前に初期費用や家賃のシミュレーションを綿密におこなってから経営の方法を決めましょう。

マンション経営で期待できる経済的メリット

マンション経営で期待できる経済的メリット

次に、マンション経営で期待できるメリットを4つ紹介します。

  1. 家賃収入で年収が上がる可能性
  2. マンション売却益
  3. 資産形成が可能
  4. 節税効果

マンション経営を始める方は、後ほど紹介するデメリットとよく比較した上で、経営を始めましょう。

家賃収入で年収が上がる可能性

マンション経営によって、収入が増える点は大きなメリットです。
マンション経営によって月に50万円の家賃収入を得られれば、単純計算で所得額が年間600万円増となります。
実際にはローン返済や修繕積立金などを差し引いて、残った額が収入です。
マンション経営の家賃収入によって、年収が上がる点は魅力といえます。

マンション売却益

家賃収入だけでなく、マンションを買値よりも高値で売却できれば、売却益を得られます。
周辺環境の整備などにより地価が上がれば、マンションを高値で売却可能です。
マンションを所有して家賃収入を得るだけでなく、売却益を得られる点でもマンション経営はメリットがあります。

資産形成が可能

購入したマンションは所有者の資産となります。家賃収入や売却益以外に、老後はそのマンションに居住することも可能です。
現金を口座に預けていても、現金から収入は発生しません。
老後の年金代わりにマンション経営を始める方も増えています。年金とは別に老後の収入源を確保することで、安定した生活を手に入れられる可能性があるでしょう。

節税効果

マンションを所有することで、節税効果も得られます。
不動産所有で期待できる節税効果は、主に以下の2つです。

  1. 相続税
  2. 所得税・住民税

たとえば1億円の現金を相続した場合は、相続税は1億円に対して課税されます。
課税価格の合計額ー基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)=課税遺産総額

【引用】No.4152 相続税の計算|国税庁

不動産の場合は実際の価格よりも評価額が低くなるケースが多いです。

また、損益通算の仕組みを使い、マンション経営以外にも収入源がある場合の住民税や所得税を節税できる可能性があります。

損益通算とは

各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のもの(損益通算の対象となる所得の範囲(1)から(4)記載の所得)についてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額または山林所得金額等を計算する際にほかの各種所得の金額から控除することです。
(中略)
所得の金額の計算上損失が生じた場合に、損益通算の対象となる所得は次の所得です。
(1)不動産所得(2)事業所得(3)譲渡所得(4)山林所得

【引用】No.2250 損益通算|国税庁

会社からの給与が900万円、マンション家賃収入が300万円、マンションの経費が400万円かかったとしましょう。この場合1,200万円から経費分を400万円引いた、800万円に対して税金が課されます。
自身の所得合計からマンション経営にかかった経費を差し引けるため、住民税や所得税を抑えられるでしょう。

マンション経営における節税メリットについて解説している記事もご参考ください。

マンション経営のデメリットとはマンション経営には経済的メリットも多いですが、もちろんデメリットもあります。

  1. 初期費用・維持費用が高額
  2. 空室・滞納リスク
  3. 災害リスク
  4. 借金・売却が困難

マンション経営に失敗して借金まみれになることがないよう、事前にリスクを把握して、対策しておきましょう。

初期費用・維持費用が高額

マンション経営は初期費用、維持費用が高額です。
取得費用が数千万円〜数億円単位でかかるうえ、修繕積立金や保険料、税金も高くなります。金融機関からの借入を利用した場合は、月々のローン返済額も考えておかなければなりません。
そのため、綿密なシミュレーションをして必要な現金を手元に残しておかなければ、借金を抱えてしまう可能性もあります。

空室・滞納リスク

万が一空室や滞納が発生すれば、家賃収入が入ってきません。
入居者がいない状態が長引くと、ローンや維持費を支払い続けるだけで、あっという間に赤字な
しまいます。
また入居者はいるものの、属性が悪く家賃を払わない場合も、収入が得られません。
保証会社を利用したり、サブリース契約を検討するなど、空室・滞納リスクを考えた経営が必要です。

災害リスク

地震や台風などの災害で、マンションが破損したり、倒壊するリスクも考えられます。
マンションが破損すれば所有者の責任で修繕しなければなりません。
また、倒壊した場合は賃貸に出すこともできなくなるでしょう。
万が一の備えとして特約付きの災害保険に加入するなど、対策が必要です。

借金・売却が困難

マンション経営でローン以外の借金を抱えてしまうケースもあります。
たとえば収入を浪費して税金の支払いに困窮した場合は、借金をして税金の支払いが必要です。
またローンの金利引き上げで、返済額自体が上がることもあるでしょう。
収支がうまくいかずマンションを手放したくても、築年数が深い物件だとなかなか売却できず、また売れたとしても想定より安い金額での取引となるケースがあります。
マンション経営を始める前に、収支のシミュレーションはもちろん、売却まで想定した物件選びが大事です。

マンション経営に伴うリスクについて解説している記事もご参考ください。

マンション経営の始め方

マンション経営の始め方

これからマンション経営を始めたい方のために、マンション経営の始め方を解説します。

  1. マンション経営の基礎知識の習得
  2. 一棟所有・区分所有の決定
  3. 信頼できる不動産会社の選定
  4. 物件選び
  5. 綿密なシミュレーション
  6. マンション管理方法の決定
  7. 不動産会社による集客
  8. ローン返済・家賃収入の受け取り開始

1.マンション経営の基礎知識の習得

マンション経営を始める前に、基礎知識を習得しましょう。
知識がなければ不動産会社のいうままに需要のない物件を買わされるなど、悪質な不動産会社に引っ掛かる可能性もあります。
また、必要な経費のシミュレーションができず、最終的に経営に失敗するリスクもあるでしょう。
初心者向けのマンション経営セミナーに参加したり、書籍を読むなどして知識をつけてください。

2.一棟所有・区分所有の決定

次に、マンション経営を一棟所有または区分所有のどちらで始めるか検討しましょう。
区分所有は1室のみマンションを所有することで、初期費用は安いですが、空室リスクが高くなります。一棟所有はマンション一棟を所有するため、初期費用や経費は高額です。しかし、空室リスクが低くなり、また入居者が安定して入ってくれば家賃収入の金額も高くなるでしょう。

3.信頼できる不動産会社の選定

マンション経営の方針を決めたら、不動産会社を選定します。
信頼できる不動産会社を選び、物件探しの手助けをしてもらってください。

4.物件選び

不動産会社任せにせず、自分でも物件探しをしましょう。
たとえば大学の近くのロケーションなら、駅近のワンルームマンションが高需要です。
反対にファミリー層が多いエリアでは、1LDK以上の間取りの物件なら入居者が安定して入ってくるでしょう。
周辺環境も含めて自分でも足を動かして、ニーズの高い物件を探してください。

5.綿密なシミュレーション

物件を決定したら、次は売却まで見越したシミュレーションをおこないます。
ローンの頭金はどの程度にするか、家賃収入と返済額の兼ね合いなど、何度も計算してください。

6.マンション管理方法の決定

次に経営開始後にマンションの管理をどうするか決定します。
マンション管理を自分でするオーナーもいますが、管理会社に任せる方法が一般的です。
また、空室リスクを懸念している方は、サブリース契約も選択肢として検討しましょう。

サブリース契約とは

所有者がサブリース会社に物件を貸し、サブリース会社が入居者に部屋を貸す契約形態です。家主には希望家賃の8〜9割程度が全室分支払われるため、空室対策として利用されます。

詳細はサブリース契約の概要やリスクについて解説している記事をご参照ください。

7.不動産会社による集客

管理会社が決まったら、不動産会社による集客が始まります。
不動産会社が入居者を募集し、賃貸借契約を仲介する流れです。

8.ローン返済・家賃収入の受け取り開始

入居者が決まれば契約開始日に合わせて賃料が発生し、家主に定期的に家賃が支払われます。家主側は金融機関との取り決めに合わせて、ローン返済を開始します。

まとめ

マンション経営は、所有するマンションを賃貸に出して家賃収入を得る、または売却して売却益を得ることです。
マンション経営は収入面でも節税面でもメリットはありますが、初期費用が高額となります。また、空室や滞納により収入が入ってこないリスクもあるでしょう。
マンション経営を始める際に重要なことは、経営をする所有者自身の知識と物件選び、頼れる不動産会社の選定です。
初めてマンション経営をする方は、頼れる不動産会社を選びましょう。