マンション経営を始めたいけど、リスクがわからなくて不安な方もいるでしょう。
確かにマンション経営はメリットもありますが、リスクもあります。
この記事では、マンション経営で知っておくべきリスク一覧とリスク回避の方法を解説します。
最後まで読めば、リスクを見越したマンション経営を始められるでしょう!
マンション経営で知っておくべき9つのリスク
家賃収入や節税メリットのみを考えてマンション経営を始めると、思わぬリスクに躓くことになります。
- 空室リスク
- 家賃の低下
- 修繕費・維持費
- ローン返済の金利上昇
- 火事や地震によるマンションの損壊
- 家賃滞納
- 税制改正による増税
- 想定価格以下での売却
- 管理会社の倒産
マンション経営には以上のようなリスクがあり、最悪の場合は自己破産に追い込まれることもあります。
まずはマンション経営のリスクを知り、リスク対策をしたうえでマンション経営を始めてください。
空室リスク
マンション経営を始めても、空室が続けば賃料が入ってきません。
入居者の求めている物件と、所有する物件の条件が一致しなければ、空室を埋められず想定していた利益を得られないでしょう。
サブリース契約をすれば家賃の8割程度は保証されますが、サブリース契約は必ず結べるとは限りません。
所有者から不動産管理会社が物件を借上げ、不動産管理会社が賃借人を募集する契約です。
空室リスクを考えて、物件選びの段階から入居者のニーズにあった物件を考えなければなりません。
家賃の低下
マンションの賃料はオーナーの希望通りに設定できるとは限りません。
周辺環境の変化、劣化によって賃料を下げなければならない時もあります。
家賃を下げれば家賃収入が減り、想定した収益ラインを満たせないでしょう。
修繕費・維持費
マンションを維持するにあたって、修繕費や維持費が必要です。
メンテナンスの手を抜くと、賃料の低下や入居者離れを招きます。
特に中古マンションを手頃な値段で購入した場合、すでに劣化が始まっており、かえって高額の修繕費や維持費がかかることもあるでしょう。
ローン返済の金利上昇
マンション購入には、金融機関からローンなどで借入をする場合が多いです。
住宅ローンの金利は低く設定されていますが、日本銀行の金融政策で金利が上がり、返済額が増える可能性が高いです。
事実、2022年12月の金融政策決定会合において、長期金利の変動幅の拡大が決定し、その影響でメガバンクが金利引き上げをおこないました。
金利の引き上げで返済額が変わり、返済計画が想定通りにいかないリスクがあります。
火事や地震によるマンションの損壊
火事や地震などの災害で、マンションが損壊するリスクもあります。
台風や洪水などの自然災害では、1日でマンションが利用不可になってしまうケースもあるでしょう。
長期にわたる修繕になれば家賃収入が見込めず、修繕費用も高額になります。
家賃滞納
空室率が低くても、家賃を滞納されて家賃収入が入ってこないリスクもあります。
一時的な滞納であれば、すぐに収益が回復しますが、長期にわたると収益に大きく関わります。
滞納を原因として契約解除を申し出ることは可能です。
しかし裁判所への申立てなどの手続きの手間がかかります。
滞納期間が1〜2ヶ月程度では、強制退去が認められないケースもあります。
また、入居者が5,000円などの少額でも家賃を支払う意思を見せている場合は、強制退去が認められません。
税制改正による増税
増税によってマンション経営のシミュレーションが崩れるリスクもあります。
マンション経営によって得た収益は、所得税と住民税が加算されます。
また、マンションは固定資産税の対象です。
そのほか、マンション売却によって得た利益にも課税されます。
マンション経営の収益は税金の支払いを想定し、貯蓄しておかなければなりません。
しかし、増税により想定よりも多くの税金支払いが必要となり、支払額が足りなくなるリスクもあるでしょう。
想定価格以下での売却
マンションの劣化や周辺環境の変化で、想定した価格より安い金額でマンションを売却せざるを得ないこともあります。
ローン残高を売却益で支払おうと思っても、売却価格が低く完済できないケースもあるでしょう。
管理会社の倒産
マンション管理をしていた不動産会社が倒産することもあります。
管理会社に集金代行を任せていた場合、最大のリスクは家賃収入が入ってこないことです。
また、預けている敷金も返済されません。預けている敷金を取り戻すためには訴訟によって回収が必要です。
さらに次の管理会社を見つけて管理会社の変更手続きもしなければなりません。
管理会社探しと契約の結び直しは家主がおこなう必要があり、大きな負担です。
マンション経営はリスク対策が大切
マンション経営を始める際は、メリットだけでなく、リスクを想定して始める必要があります。
- 経営基盤の安定した不動産会社選び
- 収入の柱を分散
- 内覧・周辺環境の確認
- 無理のない資金計画
- 火災保険・地震保険への加入
- こまめなメンテナンス
- 家賃保証会社の利用
具体的にマンション経営におけるリスク対策を学び、リスクに備えたマンション経営を始めましょう。
経営基盤の安定した不動産会社選び
マンションの管理を不動産会社へ委託する場合は、経営基盤の安定した会社を選びましょう。
経営基盤が安定していない会社では、倒産リスクが高く、最終的に家賃の回収が困難です。
所有物件のエリアで集客・管理実績が多い会社の中でも、資本金の額や経営年数もチェックしたうえで管理会社を選んでください。
収入の柱を分散
マンション経営による収益が想定に達しないことを見越して、収入の柱を分散しましょう。
リスク分散していないと、マンション経営の失敗が生活の破綻につながります。
例えば会社員の方は、仕事を続けながら経営をするなどしてください。
万が一マンション経営に失敗しても、生活ができる収入を維持できます。
複数のマンションを所有し、収入を得られる物件戸数を増やすことも手段の1つです。
複数物件の所有にもリスクがあり、ローンや維持費も物件分増えます。初めてのマンション管理の場合はまずは1棟(1室)から始め、徐々に所有戸数を増やすと良いでしょう。
内覧・周辺環境の確認
マンション購入前に、内覧や周辺環境のチェックも欠かさないようにしましょう。
物件の修繕やリフォームが必要かどうかは、購入前に確認して判断すべきです。
また、周辺環境を確認し、入居者ニーズと購入候補の物件条件が一致しているか確認して下さい。
事前の物件確認や調査をおこなえば、家賃の低下や想定以上の修繕費などの出費を抑えられます。
無理のない資金計画
マンション購入をする際は、無理のない資金計画を考えましょう。
頭金を全く入れずに融資額を増やすと、ローン返済額が高額になり、マンション経営に失敗した際のリカバリーが効きません。
また、一方で頭金を入れすぎて維持費や税金の支払いが滞ることもあります。
自己資金がどの程度あり、生活防衛費に残す額はいくら…」と、しっかりしたシミュレーションをおこなってください。
火災保険・地震保険への加入
自然災害や火災などに備えて、火災保険や地震保険にも加入しておきましょう。
保険を使って修繕費用の負担を抑えられ、オーナーの負担を軽減できます。
火災保険は、盗難や浸水などの水害にも対応しているため、必ず入っておいて下さい。
火災保険や地震保険の補償対象は、原則建築物のみです。家具・家電のカバーについては、特約に加入する必要があります。
こまめなメンテナンス
マンションは建築された日から、徐々に劣化していきます。
劣化は避けられませんが、メンテナンスによって劣化速度を遅らせることは可能です。
日頃のメンテナンス、点検を欠かさずおこない、問題があればすぐにメンテナンスをしましょう。
家賃保証会社の利用
家賃滞納については、保証会社の利用で家賃を代位弁済してもらえます。
入居者が家賃を支払えない場合に、保証会社が入居者に代わって家賃を払うことです。家賃保証会社の中には、集金代行もおこなっている会社があります。
入居者と家賃保証会社の間で「賃貸保証委託契約」が結ばれ、その契約費用などは入居者が負担します。
オーナーと家賃保証会社の間には「賃貸借保証契約書」が結ばれ、滞納時に家賃の支払いや請求を代行してもらえる仕組みです。
家主は費用負担は必要なく、家賃保証を利用できるためメリットが多く、家賃滞納のリスク回避に利用されます。
家賃滞納を永久に支払ってもらえるわけではありません。
滞納が長期にわたる場合、保証会社がオーナーの了承を得て、入居者へ退去勧告または強制執行手続きを代行します。
また、家賃滞納の報告が遅れると保証会社の保証が受けられない場合もあります。
まとめ
マンション経営を始める前に、想定できるリスクを把握しておきましょう。
そのうえで、リスクを見越したシミュレーション、物件選びからマンション経営を始めて下さい。
また、管理を任せる不動産会社の選定も非常に重要です。
所有物件のエリアで集客・管理実績が多いというだけでなく、資本金の額や経営年数もチェックすることで、信頼できる管理会社を選ぶことができます。
リスクを加味したうえで、物件や管理会社を選び後悔しないマンション経営にしましょう。