マンション経営の平均所得は542万円|所得を増やす方法を解説

マンション経営の平均所得は542万円|所得を増やす方法を解説

目次1 マンション経営の平均所得2 マンション経営の収入の内訳3 マンション経営にかかる6つの経費4 マンション経営の収 … 続きを読む マンション経営の平均所得は542万円|所得を増やす方法を解説


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近年マンション経営が、土地活用や副業ブームで注目を浴びています。しかし、マンション経営で所得を増やすことができるのか疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事は下記のような方におすすめです。
  • マンション経営者の平均所得はどれくらいか知りたい
  • 家賃以外の収入について学びたい
  • マンション経営にかかる経費を知りたい
  • 収入を増やす方法を知っておきたい

本記事では、マンション経営の平均所得、マンション経営の収入の内訳やかかる経費、収入を増やす方法について解説します。

マンション経営の平均所得

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マンション経営をおこなっている方の平均所得を知るには、国税庁の「令和3年分調査 申告所得税標本調査」が参考になります。国税庁の調査によると不動産所得者の平均所得は、542万7,000円です。

ただし国税庁の調査では、下記のマンション経営による所得以外も含まれているため、参考程度に留めておきましょう。

・アパート経営による所得
・戸建て経営による所得
・駐車場経営による所得
・土地を貸し出したことによる所得

収入と所得の違い

収入と所得の違いについて説明します。

マンション経営における収入とは、居住者から受け取る家賃をはじめとした「売上」のことです。一方で所得とは、売上から必要経費を引いた金額を指します。

所得はキャッシュフローともいい、マンション経営では「所得」が赤字にならないようにします。

他の所得と比較

不動産所得と他の所得を比較してみましょう。前出の国税庁の資料によると、令和3年分における申告納税者1人当たりの平均所得金額が704万6,000円です。

事業所得者の平均が490万6,000円、給与所得者は744万2,000円、雑所得は309万6,000円、先述した所得に該当しない所得者は2,901万1,000円となります。

マンション経営の収入の内訳

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マンション経営の収入の内訳を下記5つ解説します。

  1. 家賃
  2. 管理費・共益費
  3. 敷金・礼金
  4. 更新料
  5. 駐車場代

家賃

家賃はマンション経営の最も大きな収入源です。家賃は以下の計算式で決まります。

・1部屋あたりの賃料×マンションの部屋数×入居者の割合

マンション経営の収入を増やすならば、下記の3つの対策が必要です。

・賃料を上げる
・部屋数を増やす
・空室率を下げる

年々マンションの賃料は経年劣化によって下がる傾向にあります。株式会社三井住友トラスト基礎研究所は、築0年〜築25年の賃料下落率を1%前後と分析しました。

安定して家賃収入を得たい方は、経年による賃料下落も見越したマンション経営の戦術が必要です。

【参考】経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由-株式会社 三井住友トラスト基礎研究所

管理費・共益費

管理費・共益費は、下記のマンション共用部を維持・管理するための費用です。

・階段
・廊下
・エレベーター
・エントランス
・ゴミ置き場

管理費・共益費は、家賃と別に設定されるのが一般的です。また使い道に決まりはなく、居住者の住みやすさを維持・向上させるために使われます。

敷金・礼金

敷金・礼金もマンション経営の収入に含まれます。両者合わせて家賃の1〜2か月分が相場です。

ただし敷金に限り、居住者の退去時に返還する分は収入に含まないため注意しましょう。また最近では、入居者募集のハードルが上がっており、礼金を0にして入居者を集めるオーナーの方も増えています。

更新料

更新料は、契約の更新をおこなう際に受け取る手数料です。一般的に2年ごとに更新します。相場は家賃の1〜2か月分です。

地域によっては敷金礼金と同様に、入居者を集めるため更新料0とするオーナー様も増えています。また更新料の支払いを避けるため引っ越しを選択する入居者もおり、更新料を設定していても、想定通り受け取れるとは限りません。

駐車場収入

土地も所有している方は、駐車場収入を見込めます。特に車が必須の地方、駅から遠い物件を持っている方は、駐車場がないと入居者が集まらないことも珍しくありません。

駐車場収入の相場は地域によって大きく異なります。一般的には5,000円〜3万円の間で納まることが多いです

マンション経営にかかる6つの経費

マンション経営にかかる経費を6つ解説します。

・ローンの返済
・火災・地震保険料
・修繕費(区分所有の場合)
・管理委託料
・諸経費
・仲介手数料

ローンの返済

ローンの返済は、マンション経営にかかる経費の中で最も大きくなりがちです。マンション経営の収入のうち、ローン返済の比率は50%以下が良いと言われています。

ローン返済の比率が50%以上になると、後述する突発的な修繕費や税金の支払いができないためです。

ローン返済比率を低く抑えたい方は、自己資金を多めに投入する、金利の低い金融機関から融資を受けるといった対策を講じましょう。

火災・地震保険料

火災・地震保険料は、想定外の事態が発生した際に自分の身を守るために支払います。

・隣家が火事を起こして所有マンションに飛び火した
・雪の重みで塀が壊れた
・地震によって建物が倒壊した

上記のような想定外のトラブルが発生すると、莫大な修繕費がかかります。保険に加入していないと、オーナー様によっては修繕費しか支払えず、マンション経営が続けられない事態にもなり得るでしょう。

そのため、経費の削減目的で保険に加入しないのは非常にリスキーです。現在は一定期間分を一括でまとめて支払うと、保険料が割り引かれる保険もあります。

経費を削減したい方は、保険料の割引がある保険に入りましょう​。

修繕費

修繕費は、下記のようなマンションの劣化や設備の故障を直すための費用です。

・エアコンの修理費用
・給湯器の交換費用
・大規模修繕の費用

修繕費は毎月かかる費用ではありません。ただしこまめに修繕をしないと、建物の劣化が早くなります。

また大規模修繕の費用は、数百万円以上かかることも珍しくありません。マンション購入前に収益シミュレーションを充分におこなっておきましょう

管理委託料

管理委託料は、マンションの管理を自分でおこなわず、管理会社に委託しているときに発生します。そのため自分でマンション管理を行えば管理委託料は発生しません。

部屋が小さい場合や所有しているマンションの数が少ない場合は、自主管理でも対応できるでしょう。しかしマンション経営の規模が大きい方、副業としてマンション経営をおこなっている方は、管理会社の利用がおすすめです。

管理会社は、入居者の募集から対応までおこなってくれるため、マンション経営に割く時間を大幅に削減できます。特にクレーム処理まで行なってくれるため、マンション経営のストレスを大幅に軽減させることが可能です。

管理委託料の相場は一般的に家賃の5%です。費用は管理会社によって異なるため、委託前に確認しましょう。

諸経費

諸経費とは、入居者募集のための広告宣伝費、不動産会社への打ち合わせ費用などが該当します。

1件当たりの金額は小さいです。しかし年間を通すとまとまった金額となります。

仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社から入居者を紹介してもらう時に発生する費用です。不動産会社が受け取れる賃貸における仲介手数料の上限は、「家賃の1か月分+消費税」と決まっています。

手数料の支払い方については、以下の3パターンが考えられます。

・オーナーが1か月分を支払い、入居者は手数料を支払わない
・オーナーと入居者が0.5か月分ずつ支払う
・オーナーが仲介手数料を支払わず、入居者が1か月分の手数料を支払う

ただし近年では、入居者を集めるためにオーナーが仲介手数料の1か月分を支払う例も増えています。

【参考】宅地建物取引業法第46条- e-Gov法令検索宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額-国土交通省

マンション経営の収入にかかる税金

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マンション経営をおこなうと、経費だけでなく税金も支払わなければなりません。マンション経営において発生する代表的な税金を下記3つ解説します。

  1. 固定資産税
  2. 都市計画税
  3. 所得税・住民税

固定資産税

固定資産税は、毎月1月1日時点でマンションや土地を保有している方が支払わなければならない税金です。所有しているだけで支払い義務が生じるため、空室率が100%で収入が0のケースでも支払わなければなりません。

固定資産税の計算式は「固定資産税評価額×1.4%」です。土地部分は固定資産税を減額できる特例があります。

敷地面積の200㎡以下の部分固定資産税評価額×1.4%×1/6
敷地面積の200㎡超の部分固定資産税評価額×1.4%×1/3

【参考】住宅用地に対する課税標準の特例(固定資産税・都市計画税)-つくば市

都市計画税

都市計画税は、1月1日時点で市街化区域内にマンションや土地を所有している方が支払う税金です。

市街化区域内とは

既に発展しているエリアやこれから優先的に発展させるエリアを指します。

都市計画税の計算式は「固定資産税評価額×0.3%」です。都市計画税にも税額を軽減できる特例があります。

敷地面積の200㎡以下の部分固定資産税評価額×0.3%×1/3
敷地面積の200㎡超の部分固定資産税評価額×0.3%×2/3

【参考】住宅用地に対する課税標準の特例(固定資産税・都市計画税)-つくば市

所得税・住民税

マンション経営で所得(不動産所得)が発生したら、所得税・住民税を支払います。また給与所得や事業所得がある方は、不動産所得と合算して税額を計算するため、注意が必要です。

また所得税は、所得が増えるほど税率が高くなる累進税率が採用されています。

課税される所得金額税率控除額
1,000円〜194万9,000円5%0円
195万円〜329万9,000円10%9万7,500円
330万円〜694万9,000円20%42万7,500円
695万円〜899万9,000円23%63万6,000円
900万円〜1,799万9,000円33%153万6,000円
1,800万円〜3,999万9,000円40%279万6,000円
4,000万円以上45%479万6,000円

【参考】No.2260 所得税の税率-国税庁

マンション経営の収入を増やす4つの方法

マンション経営の収入を増やす方法を下記4つ紹介します。

・頭金を増やし借入金を減らす
・相場より安い価格で購入する
・管理会社を見直す
・他物件と差別化する

頭金を増やし借入金を減らす

頭金を増やして、金融機関からの借入金を減らしましょう。前述したようにマンション経営にかかる経費で最も多いのがローンの返済です。

そのため自己資金を増やして金融機関からの借り入れを減らすと、月々の返済額を減らせます。ただし最低限の自己資金を手元に残しておかないと、急な修繕やトラブルに対応できなくなるため注意しましょう。

相場より安い価格で購入する

相場より安い価格でマンションを購入することも収入を増やす方法です。相場より安い価格で購入できると、金融機関からの借り入れ金額を少なくできるため、月々の返済額も減少します。

また相場より安く購入できたマンションは、家賃収入以外にも売却益が期待できます。例えば、相場価格2,000万円のマンションを1,500万円で購入できたとしましょう。

相場価格より500万円安く購入できているため、基本的にはいつ売却しても売却益が生じます。相場より安い価格で購入するのは難しいですが、マンション経営による収入を増やしたい方は挑戦してみてください。

管理会社を見直す

管理会社の見直しでマンション経営による収入を増やす方法です。管理会社への委託料は、法律で定められていません。そのため、相場より安い管理委託料で管理してくれる管理会社と契約すれば、経費を圧縮できて収入を増やせます。

ただし管理委託料が安い管理会社は、物件の管理に問題がある、集客能力がないといった課題を抱えているケースもあります。契約する際は事前に、どのような管理をおこなうのか、集客能力に問題はないかを確認しましょう。

他物件と差別化する

他物件との差別化ができると、収入を増やせる可能性が高いです。例えば近隣に間取りがワンルームのマンションしかなければ、1LDK以上のファミリータイプの物件にリフォームするといった方法があります。

他物件との差別化ができると、集客能力が高まり、競合がいないため家賃を高めに設定しても埋まる可能性が高いです。

ただし需要のない差別化をしてしまうと、全く集客できないといった事態になりかねません。差別化を考える際は周囲の状況を確認しつつ、不動産会社の意見も取り入れるようにしましょう。

まとめ

本記事は、マンション経営の平均所得、マンション経営の収入の内訳やかかる経費、収入を増やす方法について解説しました。

マンション経営を含めた不動産所得者の平均所得は、542万7,000円です。マンション経営は、オーナー様の工夫によってさまざまな年収を増やす方法があります。

本記事を参考に、マンション経営による収入を増やして理想の生活を手に入れてください。