マンションの転売は儲からない?利益を出す4つのポイント

不動産投資の手法の一種に、購入した不動産が値上がりするタイミングで転売し、差額分の利益を得る方法があります。 インフラ整備が計画されている地域や世界的なイベントの会場予定地の周辺は、地価などの値上がりが期待できるため、転売用のマンションを購入する人もいます。 しかし、実際にマンションの転売は大きな利益を期待できるのでしょうか。ここでは、マンションの転売は儲かるのか、利益を出すポイントはあるのかを紹介します。


この記事は約6分で読み終わります。

マンションの転売は可能?

近年はさまざまな分野で転売行為が見られ、一部の業界では問題視されています。マンション購入後に高値で売ることも一種の転売にあたりますが、法律上の問題はないのでしょうか。

そこで、マンションの転売行為そのものの違法性の有無や注意点について解説します。

マンションの転売は違法ではない

マンションを個人で購入し、より高い金額で販売する転売行為は、違法ではありません。利益を多く出せば相応の税金が発生しますが、転売自体に問題性も違法性もなく、誰でも利用できます。

そもそも、マンションの売却によって得た利益が「転売を利用した」と証明することは難しいです。偶然、購入したマンションが値上がりしたので売却したなどと説明されれば、転売を証明することは不可能でしょう。

土地の場合は土地基本法によって投機的な取引を禁じられているものの、この場合も転売を証明することが困難なため、違法性を問われることは多くありません。

頻繁な転売は違法と見なされることも

マンションの転売は違法には至らないですが、あくまでも個人で所有するマンションを売った場合に限ります。頻繁に転売していると、個人の資産の処分ではなく事業と見なされることもあります。

事業としてマンションなどの不動産を転売する場合は、宅地建物取引業の免許を取得した法人でなくてはなりません。免許を持っていない個人や会社が事業目的でマンションの転売を繰り返すと、非正規の不動産事業者と見なされ、その違法性を問われる可能性があります。

明確な頻度は定められていませんが、あまりにも短期間で売買を繰り返す行為は控えたほうが良いでしょう。1年のうちに何度も転売するのではなく、間をおいて行うことがポイントです。

目次へ

マンションの転売で利益を出すコツ

マンションの転売で大きな利益を出すには、ただ安い物件を購入して売却するだけでは、難しいでしょう。利益を出すためには、以下にあげる4つのコツが重要です。

1.立地の良い物件を狙う

マンションの価値が低下する原因として、築年数を思う浮かべる方は多いでしょう。しかし、築年数が多少経っていても資産価値が認められる物件も存在します。

例えば、都心部などの好立地に建つマンションです。良い場所ほど古いマンションやビルなどで埋め尽くされているため、多くの新築マンションは駅から少々距離のある土地に建てるしかありません。

そのため、好立地を希望する層は築年数が経っていても立地を優先してマンションを選ぶ傾向があります。設備の古さは、リフォームやリノベーションで解決できるためです。

このように一定の需要があることから、都心部など好立地のマンションは価格が下がりにくくなっています。

また、新駅の開通予定があるエリアや大規模な開発予定のある場所は、将来の資産価値上昇が期待できることから立地が良いと言え、狙い目です。

2.ブランドマンションやタワーマンションを狙う

大手デベロッパーが提供するブランドマンションやタワーマンションも、高い資産価値が期待できる物件です。年数が経っても価値が落ちにくく、ブランドやタワーゆえの高級感はひとつの安心感として需要があります。

物件自体が高級志向のため購入価格は高くなりますが、立地の良さや設備の充実さから、長期間安心して所有できるマンションでしょう。

3.5年所有したあとに売却する

購入して、即座に転売しないように我慢することも重要です。

最低でも、購入してから5年間は所有しましょう。5年以内に売却した場合、利益は「短期譲渡所得」扱いとなるため、課せられる所得税が増えるからです。

購入後5年以上運用すると、売却時は長期譲渡所得の税率が適用されます。短期譲渡所得と比べると、約半額まで減税できます。

とはいえ、確実に5年後に利益が出せる物件を購入する必要があるので、物件選びが難しいかもしれません。

4.築10年以内に売る

一般的に築年数が浅いといわれる築10年以内の物件を転売したほうが、利益は出しやすいでしょう。築年数が経過すればするほど、売却で利益を得ることは困難だからです。

新築時をピークに、築年数が経つほどマンションの価値は下落します。築年数はマンション転売の利益を大きく左右する要素なのです。

また、利益を減らしてしまう原因のひとつである大規模修繕は、築10年以上の物件で行われることが一般的です。つまり、かかった修繕費用分だけ利益を減らすことになるので、築10年以内に売ればその費用を負担せず、利益を確保できます。

目次へ

マンションを転売するときの注意点

マンションを転売するときは、少しでも多くの利益を得たいものです。そのためには税金の違いや購入・売却のタイミングなど、さまざまな点に注意したうえで運用する慎重さが求められます。

最後に、よりマンションの転売で利益を出すために押さえておきたい3つの注意点を紹介します。

不動産業界のさまざまな情報を入手する

不動産投資で利益を出すには、物件探しから売却のタイミングまで、さまざまな情報を収集しなくてはいけません。とくに、相場の変動はこまめにチェックしましょう。

近年はインターネット上で情報を得ようとする方もいますが、その情報がすべてではありません。セミナーへの出席などで人脈を広げ、よりリアルタイムに情報を得る機会を増やすことも重要です。

時間や気持ちに余裕のある売却計画を立てる

そもそもマンションの転売には、それなりの時間がかかります。購入希望者を見つけて交渉し、なるべく有利な条件で売るには、時間が必要だからです。

「至急現金を用意しないといけない!」などの、期限を決めて売る理由が無ければ、余裕をもって売却できるよう、計画をしておきましょう。

見つかった買い手を逃がすまいと売り急ぐと、本当はもっと良い条件で売却できたのに安値になってしまった、ということもあり得るからです。また、余裕がないと足元を見られて買い叩かれてしまう可能性もあります。

あらかじめ余裕のある売却計画なら、買い手探しや交渉に十分な時間を割り当てられるでしょう。

複数の不動産会社を比較する

不動産の価値は築年数や需要などの要素や、不動産会社が独自に設けた基準によって判断されるため、査定額は不動産会社ごとに異なることが一般的です。

そのため、マンションをより高く売りたいのであれば、2~3社へ訪問査定を依頼しましょう。

また、不動産会社を決めるときは単純に金額のみを見るのではなく、査定額を決定した根拠も重視してください。

なぜその査定額になるのか、きちんとした根拠を提示できる会社のほうが信頼できます。査定額や価格を決めた理由を聞いても納得できなければ、他社を検討しましょう。

目次へ

まとめ

マンションの転売は、法的に見てもルール違反とは言い切れません。しかし、短期間に転売を繰り返していると個人による資産売却ではなく、非正規の不動産業者とみなされ、その違法性を指摘される可能性があるので、注意しましょう。

また、購入したマンションは購入から売却までの期間が5年未満かどうかで課税額が異なります。5年未満だと高額の所得税を支払う必要があるので、注意しましょう。

より高く転売したいのであれば、購入と売却の両方でタイミングを見計らい、信頼できる不動産会社を見つけることが成功のコツと言えます。