マンション売却時に積み立ててきた修繕費は返金される?滞納時の注意点も

マンション売却時に積み立ててきた修繕費は返金される?滞納時の注意点も

目次1 修繕積立金とは?2 修繕積立金は返金される?3 修繕積立金を滞納したまま売却するとどうなる?4 修繕積立金が増額 … 続きを読む マンション売却時に積み立ててきた修繕費は返金される?滞納時の注意点も


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マンションを所有していれば毎月支払うこととなる修繕積立金ですが、売却時には返金されません。
「なぜ返金されないのか」「支払わないとどうなるのか」などを詳しく解説します。

本記事は以下のような方におすすめです。
  • 修繕積立金とはなにか知りたい
  • 修繕積立金が返金されるか知りたい
  • 修繕積立金が増額するタイミングを知りたい
  • 修繕積立金を滞納するとどうなるのか知りたい

修繕積立金についてお悩みの方はぜひ参考にご覧ください。

修繕積立金とは?

修繕積立金とは、大規模修繕に備えてマンション所有者が管理組合に毎月支払う費用のことです。
マンションには敷地や共有部分があり、これらは所有者全員のものであるため、費用を出し合う必要があります。
大規模修繕には多額の費用がかかるため、管理組合から急に高額な修繕費を請求されても対応が難しい場合が多いです。
しかし、事前に毎月修繕費を集めて積み立てておくことで負担を軽くできるのが修繕積立金です。

なお、修繕積立金は物件の所有者が支払う義務があります。

修繕積立金は返金される?

修繕積立金は返金される?

ここでは、「支払った修繕積立金は返金されるのか」についてご紹介します。
「大規模修繕がなかったら積立金はどうなるの?」「大規模修繕前に引っ越す予定だけど返金されるの?」とお悩みの方は確認しましょう。

修繕積立金は返金されない

結論からいうと修繕積立金は返金されません。
理由としては、支払った修繕積立金は、ほとんどのマンションで管理組合の財産となると規定されているからです。
所有者がそのマンションを売るかどうかは管理組合には関係なく、引っ越しの度に返金していては修繕積立金の不足をその他の方法で補う必要がでてきます。
マンション管理をスムーズに進めるために、修繕積立金は返金しないという規定が多いです。

修繕積立金を滞納したまま売却するとどうなる?

修繕積立金を滞納したまま売却するとどうなる?

修繕積立金を滞納したままでも売却はできます。
しかし、以下のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。

・売却代金から管理費として差し引かれる
・そもそもマンション売却しづらくなる

売却代金から管理費として差し引かれる

修繕積立金を滞納したままでも売却は可能ですが、多くの場合で売却代金から滞納額を差し引かれます。
したがって、想定していた売却額よりも安い価格で売ることになるという点を理解しておきましょう。

そもそもマンション売却しづらくなる

修繕積立金は滞納したまま売却すると、支払い義務は買主に引き継がれます。
しかし、滞納金を支払ってでも購入しようと思う人は多くないため、売却しづらくなってしまいます。
なかには売却マンションの立地が良く、「滞納金を支払ってでも購入したい」というような人がいるかもしれません。
そのような場合であれば売却できることもあります。

修繕積立金が増額するタイミングは?

修繕積立金が増額するタイミングは?

修繕積立金は常に一定ではなく、増額される場合があります。
以下は増額する主なタイミングです。

・大規模修繕が終わったあと
・空室が増えた場合
・計画外の大規模修繕が必要になったとき

大規模修繕が終わったあと

大規模修繕を終えたあとに増額しやすい理由として、建物の劣化は築年数の経過とともに激しくなっていくからです。
建物である以上、当然時間が経てばそれだけ外壁や設備も劣化していきます。
劣化状況が悪化すればその分修繕箇所や規模も大きくなるため、費用も高額となります。
そのため、事前に修繕計画を確認し、修繕積立金が増額するタイミングを想定して引っ越しの計画を立てたり、資金の準備などをしましょう。

空室が増えた場合

修繕積立金はマンションの所有者から集めますが、空室が増えて所有者が減ってしまうと、1人あたりの支払い額が増える場合があります。
マンションの空室状況を確認して、空室が増えてきたと感じたら引っ越しの計画を立てることもよいです。

計画外の大規模修繕が必要になったとき

基本的に大規模修繕は修繕計画に沿って行われますが、計画外の修繕が発生する場合もあります。
計画外の修繕としては以下のようなことがあります。

・劣化した設備の入れ替え(エレベーターなど)
・住民ニーズに合わせた修繕(バリアフリーなど)

これらの修繕は、毎月集めている修繕積立金とは別の資金を使って行うため、追加で支払う必要があります。
これらの修繕の場合は、管理組合から通知が来ることがほとんどですが、随時管理組合に確認しておくことであらかじめ想定できます。

まとめ

修繕積立金について解説しました。
修繕積立金とは、大規模修繕に備えてマンション所有者が毎月支払う費用のことです。
修繕積立金は支払うと管理組合の財産となる場合がほとんどのため、売却時には返金されないことを理解しましょう。また、滞納してしまうと売却代金から差し引かれたり、そもそも購入者が現れずに売却しづらくなってしまうため、注意が必要です。
ただし、買主が「修繕積立金を支払ってでも購入したい」という場合は売却できます。
修繕積立金は常に一定ではなく、大規模修繕後や計画外の修繕、空室が増えるなどすると増額する場合もあります。
売却時は修繕積立金が増額しそうなタイミングを見計らって計画を立てるようにしましょう。