マンションの減価償却費は節税につながる!基本的な考え方を解説

マンションの減価償却費は節税につながる!基本的な考え方を解説

確定申告を経験していない方や減価償却についての理解が浅い方は、必見です。本記事では、マンションの減価償却や新築・中古の定義、耐用年数の求め方について解説します。減価償却の方法を間違えると税負担が重くなる、手元に想定よりもお金が残らないといった状況が想定できます。本記事を一読すれば、減価償却についての理解が深まり正しい節税をおこなえます。


この記事は約6分で読み終わります。

マンション経営において減価償却を活用すると、大きな節税につながります。

本記事は下記のような方におすすめです.
  • 減価償却という言葉は聞いたことがあるけど、意味はよく知らない
  • なぜ減価償却が節税につながるのかわからない

本記事では、マンションの減価償却や新築・中古の定義、耐用年数の求め方について解説します。確定申告を経験していない方や減価償却についての理解が浅い方は、最後まで読んでください。

マンションの減価償却とは

マンションの減価償却とは、マンションの取得価額を一定の年数に分けて費用計上する方法です。

マンションの購入費は、購入した年の確定申告での一括計上はできません。マンションの取得価額を一括計上できると、多くの方は購入年に多額の赤字が生じます。しかし、マンションの取得価額は実際の損失による赤字ではなく、必要経費によるものです。したがって、正しい計上方法とはいえず、費用と収益の矛盾を防ぐために、減価償却が必要です。

ただしマンション1棟+土地を購入しても、土地は減価償却の対象とはなりません。土地は経年で価値が減少したり、面積が小さくなったりはしないためです。

マンションの新築と中古の考え方

マンションの新築と中古の考え方

後述しますが、新築のマンションと中古マンションでは減価償却の考え方が少々異なります。まずは新築マンションと中古マンションの違いを解説します。

住宅の品質確保の促進等に関する法律の第2条によると新築とは、建築工事完了から1年未満かつ1度も人が住んでいない状態です。つまり1度でも建物が使用されてしまうと、築1年未満でも中古と扱われます。

一方で中古は、新築に該当しない建築物の全てが該当します。

新築と中古の違いを理解しておかないと、誤って減価償却費を計上してしまう可能性が高いです。誤った減価償却費を計上すると想定よりも節税できない、あるいは必要以上に納める税金を減らしてしまい脱税と見なされる可能性があります。

減価償却で損をしないためにも本記事を参考に、新築マンションと中古マンションの違いを理解してください。

マンションの減価償却費は耐用年数による

マンションの減価償却費は耐用年数による

マンションの取得価格の減価償却費は、耐用年数によって決まります。はじめにマンションの取得価格は、一定の年数に分けて費用計上すると説明しました。減価償却の年数は、耐用年数によって決まります。

耐用年数とは、国が定めている固定資産を使用できる期間です。耐用年数が10年のマンションを購入した場合、マンションの購入価額は10年にわたって減価償却します。耐用年数の求め方は、新築や中古マンション、建物付帯設備によって異なるため注意が必要です。

まだマンションの確定申告の経験がない方に向けて、減価償却に必要な耐用年数の求め方を下記3つに分けて解説します。

・新築マンション
・中古マンション
・建物付帯設備

新築マンション

マンション・アパートの耐用年数は構造や建物の用途によって異なります。具体的な耐用年数は、国税庁が公表している「主な減価償却資産の耐用年数表」にて確認が可能です。

例えば、新築で住宅用の鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のものであれば、耐用年数は47年です。また新築で住宅用の木造・合成樹脂造のものだと、耐用年数は22年と定められています。

中古マンション

中古マンションは、下記2つのケースで耐用年数の求め方が異なります。

・耐用年数が全て経過しているマンション
・耐用年数の一部経過しているマンション

それぞれ耐用年数47年のマンションを購入したケースで考えてみましょう。

耐用年数が全て経過している場合の耐用年数を求める計算式は「耐用年数×20%」です。つまり、耐用年数は9年(47年×20%=9.4年)となります。

※1年未満は切り捨てるため、注意してください。

耐用年数の一部が経過しているマンションを購入した場合の計算式は、(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」です。仮に耐用年数47年のマンションを築20年経った状態で購入すると、耐用年数は31年((47年-20年)+20年×20%)となります。

具体的な減価償却費の計算方法は、こちらの記事で解説しています。確定申告を今年初めておこなう方はご確認ください。

建物付帯設備

建物付帯設備とは、マンションに付属して一体となっている設備です。例えば建物付帯設備とは下記の設備を指します。

・エレベーター
・ガス設備
・オール電化設備
・給排水設備
・照明設備

建物付帯設備の耐用年数は、建物の耐用年数よりも短く定められています。

構造・用途細目・耐用年数
アーケード・日よけ設備主として金属製のもの:15年
その他のもの:8年
電気設備(照明設備を含む。)蓄電池電源設備:6年
その他のもの:15年
給排水・衛生設備、ガス設備15年

【参考】主な減価償却資産の耐用年数表-国税庁

建物付帯設備の減価償却には、マンション本体と合わせて計上する方法とマンションと設備を別々に計上する2つの方法があります。

マンションと合わせて計上するメリットは、建物の耐用年数に合わせて長期間減価償却費が計上できることです。一方で別々に計上するメリットは、1年あたりの減価償却費が多くなるため節税につながることです。

最終的に計上できる減価償却費は変わらないため、建物付帯設備の減価償却の方法は、税理士への相談や税金のシミュレーションをおこなった上で決めてください。

2024年から変更される確定申告のルール

2024年から変更される確定申告のルール

マンション経営で生じた収益や費用は、毎年2月16日〜3月15日に確定申告をおこないます。マンション経営をおこなっている方にも関係のあるルールが2024年から変更されることはご存じでしょうか。

2022年に電子帳簿保存法が改正され、電子データで受け取った書類は電子データで保存しなければならなくなりました。ただし2年間の経過措置があるため、2023年12月までは電子データで受け取った書類も紙での保存が認められています。

書類の保存方法は国税庁のサイトを参考にしてください。

マンシンの確定申告の流れはこちらの記事で解説しています。確定申告の経験がない方はご確認ください。

まとめ

本記事では、マンションの減価償却や新築・中古の定義、耐用年数の求め方について解説しました。減価償却とは、マンションの取得価額を一定の年数に分けて計上する方法です。

減価償却は、節税・資金繰りに影響を与える重要な項目です。減価償却を理解していないと「想定よりも税負担が重い」「シミュレーションよりも手元にお金が残らない」といった状況になる可能性が高くなります。

確定申告を経験していない方や減価償却についての理解が浅い方は、本記事を参考に減価償却への理解を深めてください。

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