相続したマンションの現金化や老後資金確保のために、長年住んだ築20年のマンションを売却したいと考えている方もいるでしょう。
しかし築20年のマンションでは、以下のように考え売却に対して後ろ向きになっているオーナー様も多いです。
築20年のマンションは、中古物件市場では需要が高いです。
この記事では築20年のマンションの需要と相場、築20年の中古マンションを高値で売却するコツを解説します。
築年数がたっているマンションの売却を検討している方は、最後まで読んでください。
築20年のマンションは売却市場では高需要
築20年のマンションは売れないと思われがちですが、売却市場では需要が高いです。
REINS TOPIC「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」によると、新規登録された中古マンションの平均築年数は28.16年です。
築20年を超える中古マンションが売りに出されていることがわかります。
次に、中古マンション築年帯別構成比率の表を参照しましょう。
2011〜2021年までの成約物件における中古マンションの築年数の推移を見ると、築26〜30年と築31年〜を合計した割合は、3割弱〜3割強で推移しています。
築20年を超えたマンションを購入する買い手側のメリットを考えてみましょう。
・住宅ローン控除等の税制優遇が利用できる
・状態がまだ良いマンションも多い
・今後数十年住める可能性がある
築20年を超えていてもまだ状態が良いマンションも多く、今後長年住める可能性があり、需要は高くなります。
2020年と2021年の中古マンションの対新規登録成約率(成約件数/新規登録件数)の比較すると、全ての築年数で上昇しています。
最も上昇したのは築21~25年であり、徐々に需要が高まっていることが考えられます。
そのため所有しているマンションが築20年を超えていても、市場で売れる可能性が高いです。
築20年の中古マンションの売却相場とは
築20年の中古マンションの売却相場について解説します。
- 築0~5年と比べて約6〜8割の売却価格
- 築20年を超えると年数と比例して価格が下落
- エリアごとに値下がり率が変動
マンション売却の前に、適切な相場を把握することは非常に大切です。
ご自身が所有する中古マンションを売却した場合の相場について、頭に入れておきましょう。
築0~5年と比べて約6〜8割の売却価格
首都圏における築16~20年の中古マンションの平均売却価格は、築0~5年のマンションの6〜8割程度です。
REINS TOPIC「首都圏の不動産流通市場(2021年)」の表を参照しましょう。
新築物件と比較すると、築16~20年の物件は約6〜8割程度の価格で売却されていることがわかります。
新築と同価格での売却は困難であるものの、売却価格が一気に目減りする前に売るのが賢い選択です。
築20年を超えると年数と比例して価格が下落
首都圏の中古マンションは、築20年を超えると、年数と比例して価格が下落します。
上記の表でも築0~5年の物件の平均成約価格は6,000~6,500万円ですが、築21〜25年の物件は、平均成約価格が4,000万円を切っています。
中古マンションの値下げ率が大きく変わる年数は、築20年と考えて良いでしょう。
エリアごとに値下がり率が変動
中古マンションの売却相場は、エリアによっても変わります。人気エリアであれば、購入時より価値が上がる、またはさほど値下げせずに売却できる場合もあるでしょう。
一方で、購入時は人気エリアでも、今は開発が進まず人口が減っているエリアの中古マンションは、値下げ率が大きくなります。
築20年の中古マンションを高く売却するコツ
築20年の中古マンションをなるべく高く売却するコツを5つ紹介します。
①売却実績のある信頼できる不動産会社の選択
②徹底した相場調査
③早めの売却
④ハウスクリーニングの実施
⑤繁忙期を狙った売却
マンション売却にお悩みの方は、以上5つの点を意識して、なるべく高値での売却を目指しましょう。
売主としてどのような点に注意したら良いかを解説します。
売却実績のある信頼できる不動産会社の選択
築20年の中古マンションを高値で売却するには、売却実績が多い不動産会社を選択しましょう。
マンションの売却の際には、不動産会社と媒介契約を結び、買い手を探してもらわなければなりません。直接買い手を探すことも可能です。しかし時間や手続きの煩雑さから直接契約は、手間がかかります。
築20年のマンションの売却価格は売主が自由に決められますが、集客などは不動産会社へ依頼します。そのため、不動産会社の実績は重要なポイントです。
不動産会社の売却実績は、ホームページや営業担当から直接確認できます。
売却実績が多い不動産会社は、豊富な売却の経験・ノウハウを持っており、不動産を売る手腕に長けています。反対に、売却実績が少ない不動産会社では、「とりあえず買い手が見つかれば良い」と、適当な営業をかけることもあるため注意が必要です。
信頼できる、売却実績が多い不動産会社を選ぶことで、築20年のマンションを高値で売却できます。
徹底した相場調査
築20年のマンションを高値で売却したいなら、売りたいマンションの周辺地域の相場調査をおこないましょう。
マンション売却の価格は売り手が自由に決められます。しかしあまりに市場相場から離れた高い価格を設定すると成約が難しいです。反対に、不動産会社のすすめに従い、安値で売れば損をする方もいるでしょう。
以上の理由から、売り手側が周辺地域のマンションの売却相場を把握しておくことは大事です。
「イエリーチ」では、調べたいエリアに登録されているマンションの売買参考相場価格を見ることが出来ます。
早めの売却
築20年を超えるとマンションの売却価格は一気に下落します。エリアにもよりますが、年数が経過するごとに値下がり率は高くなるため、早めの売却に越したことはありません。
築20年程度の中古マンションは、近年徐々に需要が高まっているため、成約も早い可能性があります。
これ以上遅くなると売却価格が下がる可能性が高いため、築20年の中古マンションは早めに売却すると良いでしょう。
ハウスクリーニングの実施
築20年の物件は、管理状態がよければまだまだ綺麗な状態です。しかし、買い手により良い印象を与えるために、ハウスクリーニングを実施しましょう。
細かな汚れなどがあると、内覧時に購入検討者の印象が悪くなるからです。なるべく生活感を覚えさせず、物件を綺麗な状態にしておくことが、高値で売却するコツです。
内覧を受け付ける前にハウスクリーニングを済ませ、可能なら空き家の状態で売りに出すと良いでしょう。
繁忙期を狙った売却
築20年の中古マンション、特にファミリータイプマンションを高値で売却するには、繁忙期を狙いましょう。
不動産業界の繁忙期は1〜3月です。1〜3月は新生活を始める社会人や学生が移動を始める時期であり、物件を求める人が増えます。
売却の場合も同様で、子供の入学や会社の異動に合わせて新居を探す人が多いです。
学校や会社のイベントに合わせて新居を探すため、「多少価格が高くても期限に間に合えば購入を決めたい」という心理が働きます。
そのため、繁忙期を狙うと売り手の希望に近い価格で中古マンションが売れる可能性が高いでしょう。
まとめ
築20年の中古マンションは、市場における需要が徐々に高まっています。築20年を超えるとマンションの価値が大きく目減りします。築年数の経過は売却価格に影響があるため、早めの売却がおすすめです。
また、築20年のマンションを高値で売却するために、信頼できる不動産会社を選びましょう。