住み替えや生活環境の変化、相続などの理由でマンション売却を検討している方もいるでしょう。しかし、初めてのマンション売却は流れがわからず、何に対応して良いかわかりません。
以下のような理由で、マンション売却に不安がある方もいるはずです。
この記事では、マンション売却の流れや売主が準備すべき書類、対応すべき事項を解説しています。最後にスムーズな契約のための注意点も紹介しています。
初めてのマンション売却を検討している方は、最後まで読んで参考にしてください。
マンション売却の流れを解説
マンション売却の流れを8つのステップに分けて解説します。
- マンション売却における必要書類の準備
- 売却するマンションの査定
- 不動産会社との媒介契約
- マンション売却戦略の策定
- 内覧対応など
- 売買契約の締結
- 引き渡し
- 売却益の確定申告
初めてマンションの売却を検討する方は、準備する書類や契約ごとなど、わからないことが多いはずです。マンション売却の流れを事前に把握し、スムーズな売却を目指してください。
マンション売却における必要書類の準備
まずは、マンション売却に必要な書類を確認し、準備しましょう。
・身分証明書
・印鑑登録証明書
・実印
・登録済証(権利証)または登記識別情報
・固定資産税・都市計画税納税通知書
・通帳またはキャッシュカード
・マンション管理規約・長期修繕計画・マンション総会議事録
・住宅ローン返済予定表・残高証明書
・付帯設備表・告知書
必要書類 | 概要 |
身分証明書 | ・運転免許証 ・マイナンバーカード ・パスポート ・健康保険証など 売主の身分証明のために使用 |
印鑑登録証明書・実印 | 発行してから3か月以内のもの 売買契約時に必要 |
登録済証(権利証)または登記識別情報 | 売主が所有者であることを証明するために使用 |
固定資産税・都市計画税納税通知書 | 不動産会社・買主に提示 精算額の説明のために使用 |
通帳またはキャッシュカード | 契約締結時に使用 |
マンション管理規約 長期修繕計画 マンション総会議事録 | 買主に提示 |
住宅ローン返済予定表・残高証明書 | 不動産会社に提示 査定時・売り出し価格決定時に使用 |
付帯設備表・告知書 | 設備不具合・撤去の状況などを記載 売却契約時に使用 |
そのほか、媒介契約を締結した不動産会社から指示された書類があれば、速やかに揃えておきましょう。
売却するマンションの査定
書類の準備と並行して、マンションの査定を受けます。
不動産会社の決定に欠かせない工程であり、査定結果によって売り出し価格が決まります。
マンションの査定は以下のような流れです。
- 査定の依頼
- 日程の決定(訪問査定の場合)
- 机上査定または訪問査定
複数の不動産会社に依頼して査定を受け、不動産会社を比較・検討しましょう。
不動産会社との媒介契約
不動産会社が決定したら、媒介契約を締結します。
媒介契約とは、売主と不動産会社が締結する、不動産売買の仲介を依頼する契約です。
媒介契約は3つの種類に分類されます。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できる点がメリットです。しかし、不動産流通機構(レインズ)への登録義務がなく、販売状況の報告義務がありません。
専任媒介契約・専属専任媒介契約は、1社としか契約できませんが、サポートが手厚いです。
販売状況の報告や、レインズへの登録が義務づけられ、逐次販売状況がわかるうえ、全国から買主を募れます。
自分でも買主を探したいオーナーの方は、買主と売主が直接売買契約を締結できる専任媒介契約がおすすめです。
初めてマンションを売却する方は、専任媒介契約または専属専任媒介契約を検討しましょう。
マンション売却戦略の策定
不動産会社と媒介契約を締結後、マンション売却戦略を決定します。
売り出し価格はオーナーが自由に決められますが、あまりに高額だと売れづらくなるため、相場を意識して価格設定しましょう。
売り出し価格決定後は、広告用の物件写真の撮影をし、ホームページへの掲載・チラシの配布がおこなわれます。
「イエリーチ」では、調べたいエリアに登録されているマンションの売買参考相場価格を見ることが出来ます。
内覧対応など
購入希望者から申し込みが入ったら、内覧対応が必要です。
居住中の場合は、室内の片付けや掃除をし、内覧に備えましょう。
水回りは特に購入希望者が気にする箇所のため、必要ならハウスクリーニングも検討してください。
売買契約の締結
購入希望者が購入を決定したら、売買契約を締結します。
売却価格や引き渡しの日などを取りまとめ、必要事項を契約書へまとめましょう。
この際に、手付金として、一般的に最終売却価格の一部(5〜10%)が支払われます。
売主から不動産会社への仲介手数料振り込みも同じタイミングです。
(一般的に仲介手数料の50%)
引き渡し
売買契約に記載した引き渡し日に、物件を引き渡します。
契約締結から引き渡しまでは、1〜3か月程期間があるため、この間に以下の準備を済ませてください。
・居住中の場合は引っ越し
・売却代金の受け取り
・鍵の受け渡し
・ローン残債の精算
・抵当権抹消手続き
・登記手続き
引き渡し当日は、売主・買主と不動産会社のほかに、司法書士が同席します。また、住宅ローンを利用して物件を購入する場合は、双方の金融機関担当者も参加します。
登記変更の手続き後に仲介会社へ手数料の残り半分を支払い、マンション売却手続きが完了です。
売却益の確定申告
忘れてはいけないことが、マンションの売却益の確定申告です。
マンションの売却で利益が出た場合は、忘れずに確定申告をおこないましょう。
確定申告漏れがあると、追徴課税の対象となるなどのペナルティが科せられます。
詳しくはマンションの売却益にかかる税金について解説している記事をご参照ください。
マンションを売却する際の注意点
マンションを売却する際の注意点を5つ紹介します。
- 必要書類の抜け漏れ
- 付帯設備表と告知書のミス
- 迅速な引っ越し作業
- 確定申告
- 売れない場合は値下げも検討
マンション売却手続きは煩雑で、必要書類やしなければならないことが山積みです。
漏れがあると売主の責任を問われる場合もあるため、十分注意してください。
必要書類の抜け漏れ
マンション売却には多くの書類が必要です。
契約時に必要書類が揃っていないと、契約締結が延期されます。
抜けや漏れがないように、事前に必要書類を揃えておきましょう。
権利証などを保管しているつもりで、いざ探したら紛失していたようなケースもあります。
売却準備の時点で必要書類を確認し、見つからない場合は取り寄せや再発行手続きをしておきましょう。
付帯設備表と告知書のミス
故意でなくとも、設備の故障や不具合を記載せず売却すると、買主から「契約不適合責任(民法第562条)」を問われ、契約解除や損害賠償請求をされる可能性があります。
契約時に目的物の品質について合意せず契約を締結した場合に、売主側で負担する責任のことです。
付帯設備表や告知書のミスがないか、何度も確認しましょう。
中古物件販売では、売主は買主に対して物件の状態を正しく伝える義務があります。
設備の不具合などはしっかり検査したうえで、契約後のトラブルを防ぎましょう。
迅速な引っ越し作業
居住中の物件を売却する際は、売買契約締結後に引っ越し作業をしなければなりません。
慣例では、売買契約から引き渡しまでは1〜3か月の期間を設けます。この間に売主は迅速に引っ越し作業をおこない、契約で定めたクリーニングなどをおこなわなければなりません。
引っ越しが遅れると引き渡しが遅れ、契約不履行にもなりかねないため、引っ越しのスケジュールも立てておきましょう。
確定申告
マンション売却益が出た場合、又は売却時に居住用財産を譲渡した場合の3,000万円控除を適用する場合などは確定申告が必要です。
確定申告漏れがあると追徴課税の対象になるなどのペナルティが発生します。
また、悪質性があると判断されれば刑事罰の対象となることもあるため、必ず売却益の確定申告をしてください。
売れない場合は値下げも検討
万が一マンションが売れない場合は、値下げも検討しましょう。
売り出し価格は売主の希望に沿って決定しますが、相場を大きく外れているなどの理由で売れないこともあります。
その場合は不動産会社と相談し、納得できる範囲で売り出し価格を下げる判断も必要です。
まとめ
マンション売却の流れは書類の準備や確定申告まで長期に渡り、売主が対応する作業も多いです。
余裕を持ってマンション売却をすすめるようにしましょう。
また、負担を減らし、ミスなく売却に至るためには、不動産会社の助けを借りることもおすすめです。
信頼できる不動産会社を探し、協力しながら納得のいくマンション売却にしましょう。