マンション売却の仲介手数料は無料になる！？カラクリ・計算方法を解説

マンション売却を検討しているが、売却仲介手数料が高額になることを気にしている方もいるでしょう。

この記事では、マンション売却における仲介手数料の概要や計算方法、値引きできる仕組みと仲介手数料を抑えるコツを紹介します。
マンション売却を検討している方は、仲介手数料の知識をつけてお得に売却を進めましょう。

マンション売却における仲介手数料とは

マンション売却における仲介手数料について、概要を説明します。

1. 媒介不動産会社に支払う報酬
2. 仲介手数料の法定上限
3. 下限はなく上限のみ

マンション売却を不動産会社に任せると、仲介手数料がかかることは知っている方も多いでしょう。不動産会社と媒介契約を結んだ場合の手数料は、上限が定められており宅建業法に則って決まっています。

媒介不動産会社に支払う報酬

まずマンション売却における仲介手数料とは、媒介する不動産会社に対して支払う報酬です。
不動産会社に仲介を依頼し、買主が見つかって契約に至った場合に支払います。
仲介手数料は2回に分けて支払われ、そのタイミングは売買契約締結時と引き渡し後です。

仲介手数料の法定上限

仲介手数料の法定上限は、宅建業法第四十六条により定められています。
不動産会社は、法定上限を超えて売主・または買主に対して仲介手数料を請求できません。

売却額	仲介手数料の上限
400万円超	「売買金額の3％＋6万円」＋消費税
200万円超400万円以下	「売買金額の4％＋2万円」＋消費税
200万円以下	「売買金額の5％」＋消費税

不動産の仲介手数料は、上記の上限を超えることはなく、その範囲内で請求されます。
たとえば、1,000万円のマンションを売却した場合の仲介手数料は、以下のように計算します。

仲介手数料＝（売買価格×3％＋6万円）＋消費税（10％）

（1,000万円×3％＋6万円）+3.6万円＝39.6万円
不動産の仲介手数料は、上記の計算式で支払われ、売買価格に応じて上限を超えないように請求されます。

下限はなく上限のみ

宅建業法第46条では、仲介手数料の上限のみで、下限は設定されていません。
不動産会社のなかには「仲介手数料無料」としている会社もある理由は、上限を超えなければ不動産会社が自由に手数料を設定できるためです。

マンション売却仲介手数料が安くなる理由

マンション売却仲介手数料を無料あるいは他社より安くできる理由について解説します。

1. 仲介手数料の法定下限はない
2. 競合他社との差別化
3. 売買双方の仲介業務を担当する場合

マンション売却を検討している方のなかには、仲介手数料無料の不動産会社に対してやや不安感や不信感をもっている方もいるでしょう。
なぜマンション売却仲介手数料を無料にできるのか、その仕組みを解説します。

仲介手数料の法定下限はない

マンション売却仲介手数料は法定の下限がないため、不動産会社が仲介手数料を無料にしても問題ありません。
仲介手数料を無料にしているからといって、違法営業をしているわけではないと理解しておきましょう。

競合他社との差別化

不動産会社が仲介手数料を安くする理由は、競合他社との差別化のためです。
ほかの不動産仲介会社よりも集客を多くする一環で、仲介手数料を値引きしています。
仲介手数料を値引きしている不動産会社は、さまざまなコストを削って仲介手数料分を値引きしているケースが多いでしょう。
一例として、テレビや雑誌などのメディア広告を削り、インターネット広告を主体にしているケースが考えられます。
他社との差別化を図るために、会社のコストを削り、より多くの売主・買主に利用してもらえるように仲介手数料を安くしていると考えられるでしょう。

売買双方の仲介業務を担当する場合

一般的には、買主と売主を担当する不動産会社は別であることが多いです。
つまり、買主と売主はそれぞれの担当不動産会社に手数料を支払っています。
しかし、買主と売主が同じ不動産会社に依頼しているケースでは、売主の手数料を無料にし、買主からのみ手数料をもらっても不動産会社に損がありません。
売買双方の仲介をおこない、売主側の仲介手数料を安くしている不動産会社もあります。

マンション売却仲介手数料を抑えるコツ

マンションの売却には仲介手数料以外にも、引越し代やハウスクリーニング代などの費用がかかります。

1. CtoCプラットフォームの利用
2. 仲介手数料を値引きしてくれる不動産会社の選定
3. マンションをなるべく高く売却

不動産会社に支払う売却仲介手数料を抑えたい方は、以上の3つのポイントを意識してマンションを売却しましょう。

CtoCプラットフォームの利用

マンション売却の手数料を抑えるために、CtoCプラットフォームの利用もおすすめです。CtoCとは売主と買主が直接マンション売買をおこなうことです。
プラットフォームを利用すれば、物件購入希望者を全国から手軽に募れます。
不動産会社のサポートはありませんが、プラットフォームを利用して自身で買主を募れば手数料を抑えられるでしょう。

仲介手数料を値引きしてくれる不動産会社の選定

マンション売却の仲介会社を探す際に、仲介手数料を値引きしてくれる会社に依頼しましょう。仲介手数料を値引きしてくれる不動産会社なら、単純に仲介手数料を安くできます。
ただし、仲介手数料を値引きしている不動産会社のなかには、営業手腕が伴っていない会社もあるため注意が必要です。

不動産会社が買主を探す際には、広告費や人件費などの経費が必要です。しかし、仲介手数料をとっていない会社は、これらのコストを極限まで削っている可能性があります。
その結果、マンション売却までのスピードが遅いこともあるため、口コミや実績をよく確認してから選びましょう。

マンションをなるべく高く売却

マンション売却の仲介手数料を抑えるのではなく、マンションを高く売却できる不動産会社を選ぶのも一つの方法です。
仲介手数料が安い点を基準に不動産会社を選ぶと、先述のように優秀な不動産会社を選べないことがあります。
仲介手数料が値引きできなくても、マンションを極力高く売却した方が、売却スピードや売買価格も納得のいくものになるでしょう。
仲介手数料だけにとらわれず、顧客本位で営業活動をしてくれる、良い不動産会社を選んでください。

まとめ

マンション売却仲介手数料は、不動産会社に対して支払われる成功報酬です。
仲介手数料は法定上限が定められていますが、下限は決まっていません。
そのため仲介手数料を値引き、または無料で媒介契約を受ける不動産会社もあります。
なるべく仲介手数料を抑えたいなら、CtoCプラットフォームの利用や、値引き可能な不動産会社を利用しましょう。
しかし、仲介手数料を抑えるために広告費や人件費を削減している不動産会社もあり、そのような不動産会社ではマンションを売却するまでに時間がかかる可能性があります。
そのため、最もおすすめの方法は、仲介手数料を抑えるよりもなるべく高い値段でマンションを売却することです。

複数の不動産会社をエリア実績や査定額などの観点から精査し、信頼できる不動産を選ぶことでマンションをできるだけ高く売却しましょう。