マンション経営の維持費が高額なのではと怖くて、なかなかマンション経営を始められないと悩んでいる方はいませんか。
この記事では、マンション経営で毎月かかる維持費用一覧と、維持費用シミュレーションの甘さが失敗を招くこと、成功するマンション経営のコツを紹介しています。
最後まで読めば、マンション経営の維持費を把握し、適切な収支計画を立てて経営を始められるでしょう!
マンション経営で毎月かかる維持費一覧
マンション経営で毎月かかる維持費一覧を紹介します。
- 損害保険料
- 共用部分の光熱費
- 不動産会社への管理委託費
- 修繕積立金
- メンテナンス費・修繕費
- 固定資産税
- 所得税・住民税など
マンション経営に失敗する一因は、維持費についての想定が甘いことです。事前にマンション経営の維持費を確認し、シミュレーションしておきましょう。
損害保険料
マンションを維持するためには、損害保険料が必要です。損害保険料は、災害や人災で物件が損壊した時の備えとなります。
保険料は1年ごとに支払うパターンや、10年分を一括で支払うパターンがあります。
損害保険料は経費計上可能です。10年を一括払いした場合は、支払った金額を10分割し、1年ごとに経費計上します。
共用部分の光熱費
マンションの共用部分の光熱費は、所有者の負担となります。たとえばロビーや廊下の照明などです。
物件規模が大きいほど照明数も増えるため、電気代も高くなります。
不動産会社への管理委託費
マンションの管理を不動産会社へ委託する場合は、管理委託費用を支払わなければなりません。管理委託費用は一般的に、家賃の5%程度です。
たとえば一棟管理物件で、30戸を各部屋10万円の賃料で貸していたとしましょう。満室だと仮定すると、1か月あたりの賃料の合計は300万円です。
管理委託費用は300万円×5%で15万円が管理会社に支払われます。
管理委託費は管理会社との契約形態によって異なります。管理委託契約を結ぶ際に、金額をよく確認しておきましょう。
修繕積立金
修繕積立金もマンション維持費として必要です。修繕積立金とは、マンション共用部分を将来修繕するための積立金で、長期修繕計画に基づいて積み立てされます。
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、20階未満のマンションの修繕積立金の平均金額は、1か月あたり252円〜335円(1平方メートルあたり)程度となっています。
メンテナンス費・修繕費
日常的な故障によるメンテナンス、修繕にかかる費用も所有者が負担しなければなりません。メンテナンスを怠ると、入居者離れの原因となり、空室が多くなってしまう要因となるためです。
管理委託を不動産会社に任せている場合であっても、メンテナンスや修繕費は所有者に請求されます。想定外のメンテナンスに備えて、予算を用意しておかなければなりません。
固定資産税
マンションは不動産資産となるため、固定資産税が課税されます。
固定資産税は、以下の計算式で算出します。
固定資産税の評価額×標準税率1.4%
【参考】固定資産税|総務省
ただし、宅地用の土地・家屋、新築物件の場合などは、固定資産税の軽減措置が適用されるため、上記の限りではありません
なお、物件の評価額は年数とともに落ちていくため、徐々に固定資産税は安くなります。支払い方法については、毎年4回に分割して支払う方法と、4回分を一括で支払う方法があります。
所得税・住民税など
マンション経営で収入を得た場合は、所得に対して所得税や住民税が課税されます。
厳密にいえば、マンション経営で得た収益から経費を差し引き、その額に対して税金が課される仕組みです。
税金は前年度所得に対して請求されるため、支払いのタイミングがずれ込む点に注意しましょう。所得が入り次第使ってしまっていると、税金が支払えなくなるケースもあります。
マンション経営失敗の原因は維持費シミュレーションの甘さ
マンション経営が失敗する原因の1つは、維持費のシミュレーションが甘いことです。
- 高額の初期費用+翌年以降の維持費が必要
- マンションの収入がすべて手元に残るわけではない
- 維持費・税金の支払いでキャッシュアウト
初期費用は綿密に計算するものの、維持費を想定しておらず、経営に失敗する所有者も多いため、事前にシミュレーションしておきましょう。
高額の初期費用+翌年以降の維持費が必要
マンション経営を始める際には、高額の初期費用が必要で、次年度以降は維持費を用意しておかなければなりません。
マンション経営の初期費用は数百〜数千万円以上かかります。
初期費用で資産を使った後、翌年以降は税金の支払いや維持費の支払いが始まるため、最初のうちは資金面が厳しくなるでしょう。
資金計画をきちんと立てておかないと、想定外の維持費がかかり、現金がショートしてしまいます。最悪の場合は税金支払いができず延滞税が課される、ローン返済が滞り借金しなければならないリスクもあります。
詳しくは、マンション経営に失敗して借金するリスクについて解説している記事をご参考ください。
マンションの収入がすべて手元に残るわけではない
マンション経営で得た収入のすべてが、手元に残るわけではありません。
毎月のローン返済や修繕積立金、保険の支払いなどで現金の支出があります。
そのため、計画的に資金を貯蓄しておかなければ、維持費や翌年以降の税金が支払えないリスクがあるでしょう。
マンション経営で得た収入を散財したり、無計画に使ってしまうことは大変危険です。
維持費・税金の支払いでキャッシュアウト
マンション経営には多額の維持費がかかります。資金計画が甘いと、維持費や税金の支払いでキャッシュが不足し、支払い不能に陥ることがあるでしょう。
万が一ローン返済が難しくなれば、物件を売却しなければなりません。売却金額でのローン完済が難しい場合は、金融機関の判断によって任意売却や競売で物件が処分されます。
詳しくはローン残債がある場合のマンション売却について解説している記事をご参照ください。
マンション経営を成功させる3つのコツ
マンション経営を成功させる3つのコツを紹介します。
- 維持費を把握しシミュレーションする
- 信頼できる管理会社への委託
- 必要であれば売却も検討
維持費を含めた支出を把握したうえで、計画的に経営を進めればマンション経営は非常に有効な資産形成方法です。
失敗なくマンション経営を進めるため、以下の3つのポイントを頭に入れておきましょう。
維持費を把握しシミュレーションする
マンション経営を始める前に、維持費を把握しシミュレーションをおこないましょう。初期費用はもちろん、長期間にわたる収支シミュレーションをしてください。
不動産会社にマンション経営の相談をしている場合は、維持費のシミュレーションを出してもらえます。自身でも必要な税金、維持費の知識をつけ、空室・滞納など家賃収入が得られないパターンも想定しておきましょう。
信頼できる管理会社への委託
マンション経営には、信頼できる管理会社への業務委託も必要です。不動産会社の中には、入居者対応の悪さや劣悪な管理をし、空室リスクを高めたり資産価値を低下させる会社もあるからです。
管理実績や戸数が多く、評判の良い管理会社へマンションの管理を任せましょう。
必要であれば売却も検討
マンション経営が失敗、または資金繰りがうまくいかない場合は、売却も検討しましょう。キャッシュフローが悪化している状態で物件を持ち続けても、赤字が膨れ上がる可能性があるためです。
マンション経営につまずいたら、一度売却して再度やり直すことも検討してください。適切なタイミングでマンションを売れば、ローンを完済したうえで新たにマンション経営を始める元手を得られる可能性もあります。
詳しくはマンションの売り時(タイミング)について解説している記事をご参考ください。
まとめ
マンション経営には維持費の計算が欠かせません。初期費用の方に目が行きがちですが、維持費を計算していないと、マンションを維持できないでしょう。
維持費の一覧を把握したうえで、しっかりシミュレーションをして収支がプラスになる経営を目指してください。
また、万が一不動産経営がうまくいかない場合は、売却も視野に入れておきましょう。その場合は「イエリーチ」のような、オンラインで査定・市場価格の調査ができるプラットフォームを利用することをおすすめします。
また「イエリーチ」は選択エリアの物件一覧を閲覧することも可能です。これから物件探しをする方、物件を売りたい方も一度利用してみてください。