中古マンションの売却にかかる税金の内訳

大家業は儲からない?不動産投資に失敗する理由と成功のための3つのポイント

悠々自適な大家業を夢見て不動産投資を始めてみたものの、想像していたより儲からないと感じている方は多いのではないでしょうか。とはいえ、収益を上げている大家の方もたくさんいます。 では、この違いは一体どこにあるのでしょうか。この記事では、大家業が儲からないとされる理由や成功するためのポイントを紹介します。


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大家業が「儲からない」といわれる理由

安定した収益を得られるという理由で人気の大家業ですが、誰もがそう簡単に儲けられるわけではありません。まずは、大家業が「儲からない」といわれる理由を解説します。

短期間で利益が出ない

大家業で得られる利益は、家賃収入によるインカムゲインが主流です。よって、毎月の家賃収入を積み重ねて利益を確保するためには、長期的な視点が求められます。短期間で大きな利益を出すことはできないため、大家になったとたんにすぐに儲かることはないのです。

さらに、家賃収入がそのまま利益にならないことにも注意が必要です。物件の購入にあたって組んだローンの返済、維持や管理にかかる費用などの経費を差し引くと、収入として手元に残るお金はそう多くありません。

物件の売却によって購入額との差額を狙う方法(キャピタルゲイン)もありますが、経験のない初心者が行うにはリスキーです。利益を得るどころか、かえって大きな損を被る可能性があるため、安易に手を出さないほうが良いでしょう。

表面利回りと実質利回りの差

大家として管理する物件を探すとき、ほとんどの方は不動産会社の広告に記載されている投資利回りを確認するのではないでしょうか。

もちろん利回りは物件選びの指標になりますが、広告で目にするもののほとんどは「表面利回り」です。表面利回りには物件の維持・管理費やローンの返済額が加味されていないため、現実的な数値ではありません。つまり、表面利回りを目標に大家業を始めても、その実現はかなり困難でしょう。

物件選びでは広告に記載されている利回りの種類を確認することと、経費などを考慮した「実質利回り」を計算することが大切です。

リスクがともなう

株式投資などと同じように大家業も立派な投資のひとつであることから、リスクはつきものです。ハイリスク・ハイリターンで知られるFXなどと比べるとリスクは低いものの、訪れるリスクによっては、安定した家賃収入が断たれてしまう可能性があります。

大家業で考えられる主なリスクは、以下のとおりです。

空室リスク

大家業でもっとも警戒すべきリスクです。どれだけ利回りの良い物件を所有していても、入居者がいなければ収益は上げられません。入居者の募集方法や家賃の見直しなどによって、空室が続かない工夫が必要です。

入居者トラブルリスク

駐輪場やゴミ捨て場といった共有スペースの使い方、騒音、部屋の汚損など、入居者によって生じるトラブルも珍しくありません。安易に入居者を決めず、書類審査や面談をきちんと行いましょう。

金利上昇リスク

金利が上がればローンの返済は重い負担となり、場合によっては家賃収入があっても赤字化してしまうこともあります。金利が上昇したときには、住宅ローンの借り換えなど、返済計画の見直しをしましょう。

物件の価値下落リスク

不動産は、築年数に応じて資産価値が下落します。長期間所有していると補修工事や家賃の値下げなどの対応が必要になり、収益が悪化する可能性があるのです。築浅の物件を選ぶ、一定の築年数を経たら売却を検討するなどして、赤字を回避しましょう。

災害リスク

人的要因の火災をはじめ、台風や地震、津波といった自然災害を含め、大家業では災害もリスクのひとつとなります。災害による損失は、火災保険や地震保険などで損失を補填することも可能です。契約条件によっては保険金がおりないこともあるので、契約時に内容をしっかりと検討してください。

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家賃収入で利益を出すための3つのポイント

大家業で儲けるには、毎月の家賃収入を安定して得ることが何より重要です。そこで、家賃収入で確実に利益を出すための3つのポイントを紹介します。

1.空室を絶対に出さないようにする

安定した家賃収入を得るには、空室を出さないようにすることが最も有効です。

どうしても空室が埋まらないときには、入居条件を緩和して入居者の幅を広げることをおすすめします。そうすれば、立地が多少悪い場合でもほかの物件との差別化ができるため、空室回避につながるのです。

たとえば、敷金を多めに取ることでペット可にする、防音工事を施して楽器演奏可にする、日本人の連帯保証人をつけるといった条件を課すことで外国人可にするなどが挙げられます。ある程度の条件を設けたうえで緩和すれば、入居者の質が著しく低下するリスクも避けられるでしょう。

また、入居者にとって金銭的なメリットを加えるのも空室回避に役立ちます。

たとえば、家賃を数カ月無料にするフリーレントを取り入れる、敷金や礼金、補償金といった一時金を減額したり無料にしたりする、まとめ払いによって家賃を減額するなど、入居すると同時に恩恵を受けられる、効果的なメリットを打ち出すのがポイントです。

もちろん、入居者にとっての金銭的なメリットは、大家にとって一時的な利益の減少になります。しかし、長期にわたって空室が続く場合や入居者の募集に苦労している場合には、これ以上の損失を抑えるために有効な手段だといえるでしょう。

2.信頼できる不動産会社を見つける

大家業を営む方のほとんどが、物件運営に関わる業務を不動産会社に依頼しているでしょう。不動産会社は、オーナーにとってパートナーとも呼べる重要な存在です。

空室が続いて思うように儲からないと感じたら、業務を委託する不動産会社の変更を考えましょう。

清掃をはじめとする物件の維持・管理のほか、入居者の募集も不動産会社の重要な仕事です。しかし、会社によって入居者募集のノウハウには差があり、賃貸仲介業としての実力には大きな違いが出ます。同じ条件の物件であっても、会社によって空室率が大きく異なることもあるのです。

不動産会社の変更はリフォーム工事のような追加投資を必要としないため、利益を上げられる可能性がある手段としては、手間がかからない方法といえます。一般論ではなく、具体的な空室対策を持っているかどうかをポイントにして、信頼できる会社、担当者を選ぶようにしてください。

3.ローンの金利を見直す

大家業における収入とは、家賃収入からローンの返済額を引いた額を指します。つまり、ローン金利が低ければ低いほど、多くの家賃収入を得られるのです。ローンの金利は定期的に見直し、必要であれば借り換えをして返済額を下げると良いでしょう。

ただし、ローンの借り換えには、現在借り入れをしているローンを完済する必要があります。不動産投資ローンを一括で返済する際にかかる「一括返済手数料」は、住宅ローンの手数料に比べて費用が高額になることがあるので注意しましょう。

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儲からないときに考えたい「出口戦略」

あらゆる策を講じたものの、なかなか利益を安定化できなければ、大家としての最終決断である「物件の売却」を検討するタイミングかもしれません。

最後に、大家業が儲からないときに考えたい「出口戦略」についてお伝えします。

売り時に注意

不動産投資の出口戦略は、売却のタイミングを見極めることが大切です。

築年数を経るごとに、物件の資産価値は低下していきます。また、近隣に広さや間取りが似通った競合物件が建設されると、集客力は落ちてしまうため売却価格の低下につながるでしょう。

対して、近隣の都市開発が進んでいる、大型イベントの開催が控えているといったタイミングでは、物件の需要増にともない、資産価値が上昇します。このタイミングで売却すれば、大きな売却益(キャピタルゲイン)を得ることも可能です。日ごろから物件周辺の開発状況には目を向けておくようにしましょう。

ただし、大家業の収支でマイナスが続いているようなら、タイミングによらず早めの売却を検討してください。損切りを急げば、それだけ大きな赤字の回避につながるからです。

また、マンション売却自体にお金がかかるため、仲介手数料の安い不動産会社を選ぶことがおすすめです。
詳しくは売却にかかるお金や手数料の安い不動産会社を探し方を解説している記事をご覧ください。

所有期間によって税率が変わる点に注意

物件を売るときには、所有期間によって税率が変わる点にも注意が必要です。

不動産を売却して利益が出た場合、物件の所有期間に応じた所得税や住民税がかかります。所有期間が5年以上の場合、長期譲渡所得として20.315%の税率がかかります。ところが、所有期間が5年以下だと短期譲渡所得となり、長期譲渡所得の約2倍、39.63%の税率が課されるのです。

少しでも多くの利益を確保したいなら、5年目以降に売却を検討するようにしましょう。

とはいえ、不動産の売却は初心者には敷居が高いため、一人で決断せず、プロの手を借りるのが賢明です。

「もっと手軽に不動産の売却をシミュレーションしたい」という場合は、ぜひイエリーチをご活用ください。イエリーチでは物件の管理や収支状況、市場価格査定ができるので、現状の把握や売却のタイミング決めに役立ちます。

もし、マンション売却で損失が出てしまった場合は、住宅ローン控除が適用されるかもしれません。
マンション売却で損失が出た場合に、検討したい特別控除や特例をこちらの記事で解説しています。

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まとめ

大家業は安定した家賃収入によって利益を得るのが一般的です。儲からないと感じているなら、入居者の確保に向けて策を講じる必要があります。ただし、不動産投資にはリスクがつきものです。赤字が続くようなら、物件の売却を決断しなければならないことも考慮しましょう。

サラリーマンの副業として注目を集める大家業ですが、安定した不動産投資にはそれなりのコツやノウハウが必要です。儲からないと感じたときには、信頼できる不動産会社に相談するようにしましょう。

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