マンションの空室が多い原因として考えられること
マンションが空室になる原因ですが、代表的なものとして近隣住民との問題などがあります。騒音が酷いなど、明らかなトラブル例がある場合は、警察に相談するなど専門家の手を借りることが解決へとつながるでしょう。
しかし、騒音や治安などに大きな問題がないにも関わらず空室が多いマンションもあります。トラブルの可能性が低い物件になぜ入居者が増えないのか、考えられる主な原因は家賃とニーズです。
同じような物件の相場より家賃が高い
入居者の多くが重視するポイントのひとつが、家賃です。不動産会社を訪れる際、物件探しの条件として挙げられやすい家賃は、言い換えれば適切な家賃設定でなければ入居者に避けられてしまう大きな原因だともいえるでしょう。
たとえば築年数の経ったマンションを、新築マンションと同等の賃料で募集している場合は、大半の人が新築マンションや築浅物件を検討するでしょう。新築マンションと同じ家賃設定をしていないか、一度周辺の物件情報を参考にしてみてください。
ただし、家賃をむやみに下げれば良いとは限りません。共用部の消耗品費など入居者が増えれば増えるほど赤字になりかねないためです。あくまでも参考程度に確認し、張り合って大幅な値下げに踏み切らないよう注意してください。
ニーズに合った物件を提供できていない
ターゲットのニーズに対して、合わない間取りや条件の物件を提供しているようでは、空室解消は困難です。
入居者に喜ばれやすい条件ですが、例として以下のようなものが挙げられます。
・駅から徒歩圏内
・病院、図書館などが近隣に揃っている
・小中学校が近い
・スーパーマーケットやコンビニが多い
これらは、ややファミリー層に喜ばれる条件だといえるでしょう。学生が重視する点はスーパーマーケットや病院よりも学校へのアクセスの良さや、コンビニまでの距離などです。
ファミリー層向けの物件を学生や単身者へアピールしたり、学生や単身者向け物件をファミリー層にアピールしたりと、無意識に逆効果の行動をとっていないでしょうか。需要を見誤ってしまわないように、ターゲットのニーズをよく理解したうえで、それにマッチしたアピールを行いましょう。
マンションの空室の活用方法
マンションの空室を埋めるために、新しい入居者を募集することは重要です。しかし、家賃や条件を変更したり、宣伝方法を工夫したりするなど手を尽くしても、空室が埋まらない場合もあります。
たとえば通行量の多い大通りに面したマンションの場合、1階部分はどうしても敬遠されてしまうでしょう。そういった場合、思い切って別の活用方法を試す手もあります。
この項目では、空室を「住む」ための場所ではなく、「利用する」ための場所として活用する方法について紹介します。
レンタルスペースとして貸し出しを行う
近年は車や駐車場、店舗スペースなど、不動産の短時間レンタルやシェアサービスなどが人気です。入居者のいないマンションの一室でも、レンタルスペースとして貸し出せれば、収益化を期待することができるでしょう。
1日のみ、数時間のみと短い期間のレンタルを可能にすれば、ホームパーティーや地域の行事など、さまざまな需要を期待することができます。以下に活用例を紹介します。
・個展や期間限定ショップの会場
・カフェセットを設置した休憩スペース
・Wi-Fiつきのワークスペース
・キッチン利用可能のパーティールーム
・少人数用の会議室
・子供会や子供食堂の会場
上記は一例ですが、このように社会人や学生など、幅広いターゲットを設定することも可能です。
地域社会のニーズに合わせた気軽なレンタルスペースとしても、活用方法のひとつだといえるでしょう。
トランク付き賃貸として入居者に貸し出しを行う
マンション住民の悩みのひとつが、収納問題です。空いた部屋をトランクルームとして貸し出す方法もあります。
近年、季節用アイテムや衣料品など、使用しない荷物をトランクルームに置く人は増えています。同じ建物内でトランクルームを開放することは、入居者にとって以下のようなメリットがあります。
・遠方へ移動する手間がない
・出し入れが簡単
・契約が手軽
トランクルームを個別で借りようとすると、近隣で新たに探さなくてはなりません。しかし、都市部でもトランクルームが徒歩圏内にあるとは限らず、遠方で契約せざるを得ない場合もあります。
マンション内にトランクルームを設置すると、わざわざ遠方まで探しに行く手間がかかりません。大きなアイテムを運ぶために車を出す必要もなく、敷地内でいつでも自由に荷物の出し入れが可能です。廊下など共用部が雨風に入り込まない構造であれば、天候を気にする必要もないでしょう。
貸主としても素性のはっきりした入居者に貸し出すため、簡素な契約で済みます。お互いに安心して貸し借りできるということは、大切なものを預けたい入居者にとって大きなメリットだといえます。
前述のレンタルスペースとも共通する点として、「一回ごとの利用で受け取られる金額は少量でも、回転率次第で家賃収入と同等の収益を期待できる」ということです。空室のまま放置するのではなく、ひとりでも多くの利用希望者が現れるよう、レンタル期間や金額設定を慎重に決定しましょう。
軌道に乗れば、世代や職業問わず人気のサービスとなり、空室の原因のひとつである「ターゲットのニーズに合わない物件」という問題をカバーすることができます。
マンションの空室活用のためにやっておくべきこと
レンタルスペースの時間貸しやトランクルームとしての活用は、あくまでも、どうしても埋まらない空室を収益化する方法です。
空室が慢性化する前に、できる限りの工夫を行いましょう。特に、物件の魅力を上げるリフォームなどは非常に効果的です。
空室のリノベーションやリフォームを行う
ありふれたデザインの室内や、経年劣化していて古びた設備などは、入居者が敬遠します。誰もが使いたい、入居したいと思えるような室内作りをしましょう。具体的には、リフォームやリノベーションなどですが、それぞれの違いは以下のようになります。
・リフォーム…修繕や交換を主とした「原状回復」のための工事
・リノベーション…間取り変更など「新たな価値の創造」のための工事
水栓トイレを温水洗浄便座付きにしたり、カメラつきインターホンに交換したり、設備や内装を現代風に一新するなど、さまざまな方法があります。これらは、多くの入居者にとって魅力的に感じる要素だといえるでしょう。
また、リノベーションで物件を新しいイメージに変更するというのも人気です。間取りを変更したり、内装のテイストを変えたりと、デザイナーズマンションのような目新しさを取り入れるといった方法があります。
大がかりな工事が金銭的に難しい場合であれば、たとえばWi-Fi設置のようにインターネット環境を整えるだけでも、入居者からの印象は良くなるでしょう。
それでも改善されない場合は
前述した空室の活用方法や対策を試しても大きな変化が見られないときは、専門家の力を借りることも視野に入れてみましょう。
どこから手を付ければ良いのか分からないと悩むオーナーの方も、第三者の意見を取り入れることで、新しい解決策に気付く可能性があります。
イエリーチでも、空室が続いているワンルームを投資に活用したいオーナーを対象として、収支シミュレーションや市場価格査定などができるサービスを無料で提供しています。
マンションの空室でお悩みの場合は、イエリーチのご利用を検討されてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
マンションの空室は、オーナーなら誰しもが悩む問題です。立地や間取りが原因の場合もありますが、狙ったとおりのターゲット層にマッチしていない可能性も考えられます。地域のニーズや家賃の価格帯など、まずは情報を整理することから始めましょう。
それでも、空室問題が解消できない場合は、思い切ってレンタルスペースなどマンション経営以外の活用方法を実行する選択肢もあります。
本記事で紹介した内容を参考に、効果的な空室対策を行ってみてください。