ペット可のマンション経営で起こるトラブル事例!対策と注意点を紹介

ペット可のマンション経営で起こるトラブル事例!対策と注意点を紹介

ペット可のマンション経営で起こるトラブル事例や対策を紹介。ペット可にすることは空室対策として効果的です。その一方で近隣住人とトラブルが発生しやすいリスクもあります。本記事はマンションをペット可にするメリットやデメリット、注意点などもまとめています。


この記事は約9分で読み終わります。

ペット可のマンション経営ではさまざまなトラブルがあるため、トラブルが発生する原因を知り事前に対策することが大切です。
また、ペット可のメリットやデメリットを把握してマンションをペット可にする必要性も考えましょう。

本記事は下記のような方におすすめです。
  • マンションをペット可にしたいけどトラブルが気になる
  • マンションをペット可にするメリットやデメリットが知りたい
  • マンションをペット可にする方法が知りたい

本記事では、ペット可のマンション経営で起こるトラブル例をまとめています。
マンションをペット可にすることを検討しているオーナーさんは必見です。

マンションをペット可にするメリット

マンションをペット可にするメリットとして下記の3つが挙げられます。

・入居率の向上
・家賃を上げられる
・長期入居になりやすい

入居率の向上

マンションをペット可にすることで入居率が向上するメリットがあります。
ペットを飼っている人にとって、ペットと一緒に入居できるかどうかは重要な問題です。
そのため、アクセスや家賃の条件が多少悪くてもペットと一緒に入居できるマンションを優先して探します。

すでにペットを飼育している人やこれから飼いたいと考えている人にもアピールができるため、ペットを飼っている人のニーズが高まり入居率の向上が見込めるでしょう。

家賃を上げられる

マンションをペット可にするメリットは家賃を上げやすいことです。
ペット可の物件は少ないため、飼い主にとっては家賃が多少高くてもペットが飼えるだけで選択肢となります。
また、ペット可のマンションは退去時の原状回復に費用がかかるため、入居者にも家賃が高い理由を納得してもらいやすいです。

ほかにも、ペット可を条件に敷金を増やすこともできます。
実際、敷金を2ヶ月分に設定している物件もあります。

長期入居になりやすい

マンションをペット可するメリットは長期入居になりやすいことです。
長期入居になる理由として下記の理由が挙げられます。

・ペットにとって環境をすぐに変えることは好ましくないため
・ペット可のマンションを見つけるのが大変なため
・退去費用が多くかかるため

引越しをして住環境を変えることはペットにとって大きなストレスです。
ペットにストレスを与えないために引越しを避けたい飼い主は多くいます。

また、ペット可のマンションそのものが少なく、退去費用がかかりやすいことも長期入居になりやすい理由です。

長期入居になるとオーナーは空室対策にかかる負担が減り、長期的に安定した家賃収入が得られるメリットがあります。

マンションをペット可にするデメリットや注意点

マンションをペット可にするデメリットや注意点

マンションのペット可が少ない理由は、メリットだけでなくデメリットもあるためです。
マンションをペット可にする場合は、デメリットや注意点を知っておきましょう。
下記の順番で詳しく解説します。

・原状回復にお金がかかる
・近隣住人からのクレームが発生する可能性がある
・途中からペット可にすると他の入居者からクレームが発生する可能性がある

原状回復にお金がかかる

マンションをペット可にすると、入居者が退去する際に原状回復にお金がかかる可能性があります。
基本的に、ペットが原因で修繕が必要になったときの原状回復費用は借主の負担です。
国土交通省のガイドラインにも下記のような記載があります。

”賃借人の負担となるもの:飼育ペットによる柱等のキズ・臭い(ペットによる柱、クロス等にキズが付いたり、臭いが付着している場合) ”
引用元:国土交通省-原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

しかし、借主が原状回復のすべての費用を負担できるとは限りません。
借主が支払いをおこなわず、トラブルになって原状回復費用が回収できないリスクもあります。

原状回復の費用に関するトラブルを避けるためには下記のような事前対策が必要です。

・契約時に原状回復について説明する
・契約時に原状回復の費用負担を決めておく
・ペット用の契約書を作っておく

原状回復についての合意を得てから契約しましょう。

近隣住人からのクレームが発生する可能性がある

マンションをペット可にすると、近隣住人とのトラブルが発生する場合があります。
ペットの飼い方にルールを定めても、ルールを守る飼い主ばかりとは限りません。

そのため、ペット可にすることで下記のようなケースも想定されます。

・散歩中にペットが近隣住人に飛びかかった
・ペットの鳴き声がうるさい
・ペットの排泄物が近隣に落ちている

これらが原因となってトラブルが発生する可能性があります。

途中からペット可にすると他の入居者からクレームが発生する可能性

途中からペット可にすると、他の入居者からクレームが発生する可能性があります。
ペット不可という理由で入居を決めていた人にとっては、途中からペット可に変えられることに大きなストレスを感じるでしょう。
動物が苦手という人だけでなく、動物アレルギーの人が入居しているケースもあるため注意が必要です。
ペット可にしたことで、評判が下がったり退去者が増える場合もあります。
途中からペット可にすることにはリスクがあることも理解しておきましょう。

ペット可のマンション経営で起こるトラブル事例

ペット可のマンション経営で起こりうるトラブルや対策方法を下記の順番で解説します。

・騒音に関するトラブルと対策方法
・共有スペースが汚れるトラブルと対策方法
・人に怪我をさせるトラブルと対策方法

騒音に関するトラブルと対策方法

ペット可のマンション経営では騒音に関するトラブルが発生しやすいです。
騒音トラブルにつながる原因として下記のようなケースがあります。

・犬や猫などの鳴き声
・ペットが部屋を走り回る音

騒音に関するトラブルが発生した場合は、飼い主に苦情があったことを伝えたうえで防音マットやカーペットなどが有効であることを伝えましょう。

また、ペット可にした時点で防音性が高い壁や床にリフォームしておくことも対策の1つです。
騒音対策が難しい場合はペット規約を作り、鳴き声が大きな動物のペットは不可にするなどの対策をしましょう。

共有スペースが汚れるトラブルと対策方法

散歩が必要なペットだと共有スペースが排泄物や毛などで汚れてしまうケースがあります。
また、ペットを部屋の外に連れ出さなくてもベランダでブラッシングをした際に、毛がほかの住人の部屋に飛んでいくようなトラブルもあるため注意しましょう。
共有スペースが汚れるトラブルに対する解決策として下記のような方法があります。

・共有スペースを通るときはペットを抱きかかえて移動するルールを設ける
・ベランダでペットを飼育することを禁止する
・共有スペースを汚したときの清掃ルールを決める

共有スペースはペットを飼っていない人も使う場所です。
ペット可にする場合は共有スペースの汚れによるトラブルを防ぐためにも、共有スペースの使用ルールをこまかく決めておきましょう。

人に怪我をさせるトラブルと対策方法

ペット可のマンションで起こりやすいトラブルとして人に怪我をさせることが挙げられます。
特に、散歩が必要となる犬を飼っている場合に多いトラブルです。

基本的にペットが人に怪我をさせた場合は飼い主に責任が生じます。
しかし、人に怪我をさせるトラブルが発生して周囲に知られるとマンションの評判が下がり、新しい入居者が見つからなくなる可能性もあるため注意が必要です。

人に怪我をさせるトラブルの対策としては下記のような方法があります。

・室内で飼えるペットのみ可とする
・共有スペースではリードの着用やケージに入れるなどのルールを設ける

共有スペースが狭くほかの住人に迷惑がかかるような場合は、対象を室内で飼えるペットのみにすることも対策の1つです。

ペット可のマンションにするために必要なこと

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ペット不可からペット可のマンションにする場合はトラブル防止のために事前対策が必要です。
ペット可のマンションにするために必要なことを下記の順番で解説します。

・管理規約の変更
・飼育に関する規約を作る
・マンション住人への伝達

管理規約の変更

ペット飼育に関するルールはマンションの管理規約に規定されています。
そのため、ペット不可からペット可にする場合はマンション管理規約の変更が必要です。
具体的には下記の手順で管理規約の変更をおこないます。

  1. 理事会でペット可のマンションにすることを提案する
  2. 住民説明会を実施する
  3. 総会で4分の3以上の賛成を得る
  4. 管理規約を変更する

反対が多い場合は管理規約の変更ができません。
そのため、提案や住民説明会をおこなうときは説得力のある理由を考えておく必要があります。
たとえば、下記のような理由です。

・住人からペット可にしてほしいという要望が多い
・ペットを飼いたいと思ったときに飼える環境を作りたい

マンションをペット不可からペット可にしたくても、管理規約の変更ができずに断念するケースも多くあるため十分に検討しましょう。

飼育に関する規約を作る

マンションをペット可にする場合は飼育に関する規約を作っておきましょう。
トラブルを防ぐためには、こまかな規約を作るのがポイントとなります。
たとえば、下記のような規約を盛り込みましょう。

・飼える動物の種類
・飼える動物の大きさ
・ペットの飼育ができる範囲
・ペットの飼育ルール
・違反者への措置
・ペットを飼うときの報告義務

ペット不可からペット可にする場合は、ペットを飼わないほかの住人に対して十分に配慮した規約作りが重要となります。
ペットを飼う人も飼わない人も快適に過ごせるように飼育に関する規約を作りましょう。

マンション住人への伝達

マンションをペット可にしたあとは、飼育に関する規約を含めてマンション住人に伝達をしましょう。
また、ペット可に反対していた住人に対しては直接つたえることも大切です。

ペットを飼う人や飼おうとしている人に対しても、ルールを守ることや規約違反があった場合のペナルティについてしっかり伝えておきましょう。

まとめ

マンション経営でペット不可からペット可にすることで、空室対策や家賃・敷金を上げやすくなるメリットがあります。
その一方で、原状回復に費用がかかることや近隣住人とトラブルになりやすい点には注意しましょう。
ペットを飼う人と飼わない人それぞれに寄り添うことが大切です。

ペット可のマンションを検討している方は、ペット可にすることで起こりうるトラブルや対策方法についてぜひ参考にしてください。