自主管理マンションで起きるトラブル7つ|問題発生時の対処法

自主管理マンションで起きるトラブル7つ|問題発生時の対処法

自主管理マンションはトラブル発生時に、所有者の負担が大きくなります。本記事では、自主管理マンションの概要と自主管理のメリット・デメリット、起こり得るトラブルや対処法を紹介します。


この記事は約11分で読み終わります。

自主管理マンションは、住民同士の連携やきめ細かな管理をできる点がメリットです。一方で、マンション内のトラブルを自分たちで解決しなければならず、所有者の負担が大きくなります。
これから区分マンションの購入を予定していたり、購入予定の物件が自主管理物件でトラブルが発生しないか不安な方もいるでしょう。

本記事は、このような方におすすめです。
  • 自主管理マンションのメリット・デメリットが知りたい
  • 自主管理マンションは売れにくいという噂の真相が知りたい
  • 自主管理マンションで起こり得るトラブルが知りたい
  • 自主管理に限界を感じた場合の対処法がわからない

本記事では、自主管理マンションの概要や自主管理のメリットとデメリット、起こり得るトラブルと、トラブルが続く場合の対処法を紹介します。

最後まで読めば、自主管理マンションが投資向きかどうか、自主管理マンションで起きるトラブルへの対処法がわかります。

自主管理マンションとは

自主管理マンションとは、管理会社に物件管理を委託していないマンションです。物件の管理は、所有者が設立した「管理組合」がおこなうケースが多いでしょう。

管理組合について

法律上、管理組合の設立義務はありません。

「管理組合」がなく、所有者自身がそれぞれで所有物件の管理をしている場合もありますが、ほとんどの場合は管理組合で対応しています。

自主管理マンションについて

自主管理マンションは管理がずさんと思われがちですが、所有者の意識が高ければ、一般的な管理委託物件よりも清掃・メンテナンスが行き届いている場合もあります。

今から自主管理マンションの購入を検討している方は、物件の状態を実際に見て判断しましょう。

自主管理マンションの3つのメリット

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マンションを自主管理するメリットについて解説します。

  1. 管理委託費用が節約できる
  2. 自身でマンション経営している自覚が持てる
  3. トラブル発生時に管理組合で連携して助け合える

管理会社にマンション管理を委託しないことで、以上3つの利点があります。

管理委託費用が節約できる

マンション管理を不動産会社に委託しないため、管理委託費用がかかりません。一般的に不動産会社に管理を任せた場合、所有者が管理会社に対して手数料を支払います。

しかし、自主管理なら手数料を払う必要はなく、経費を節約できます。

自身でマンション経営している自覚が持てる

自主管理は所有者自身が物件のメンテナンスや管理などを実施します。そのため、マンション経営を自分でやっているという自覚を持ちやすいです。

管理委託していると、ただ毎月賃料が入ってくるだけであり、ほぼ自身が管理にかかわりません。しかし、マンション管理も自分でおこなえば、物件状態や入居者の様子をきめ細かくチェックできます。

トラブル発生時に管理組合で連携して助け合える

管理組合がある場合は、トラブルが発生しても、所有者同士で助け合って解決に動けます。

所有者間の意識が統一されていれば、物件の資産価値を保全するために全力を尽くせるため、管理委託より資産価値を維持できる可能性もあるでしょう。

所有者同士の連携も強く、所有マンションの価値を守るために協力し合える点がメリットです。

管理組合がない場合は、自分でトラブルに対処しなければなりません。

マンションの自主管理における4つのデメリット

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マンションの自主管理における4つのデメリットを紹介します。

  1. 管理組合に入る人員が不足する
  2. ずさんな管理で資産価値が下がる
  3. トラブルにも自分で対処しなければならない
  4. 物件が売れにくくなるリスクがある

自主管理マンションは管理組合に入る人員が不足したり、物件が売れにくくなるリスクがあることも把握しておきましょう。

管理組合に入る人員が不足する

マンションを自主管理する場合、一般的には管理組合を設立します。しかし、管理組合を設立しても、十分な組合員がいるとは限りません。

また、設立から年数が経つと組合員が高齢化し、管理業務に携われなくなる可能性があります。その場合、新しい理事を立てる必要がありますが、役員のなり手がおらず、組合の活動自体が成り立たないリスクもあるでしょう。

ずさんな管理で資産価値が下がる

不動産に関しての知識のない所有者が集まると、管理がずさんになり、物件の状態が悪くなるかもしれません。

清掃作業が手抜きになったり、メンテナンスの必要性への認識の違いから、なかなか修繕工事に着手できない可能性もあるでしょう。

トラブルにも自分で対処しなければならない

自主管理物件でトラブルが発生した場合は、管理組合または個人で対処しなければなりません。

入居者同士のトラブルも所有者が仲裁に入り、状況を判断して注意喚起するなどの対処が必要です。しかし所有者が遠方に住んでいると、すぐに対応できません。

また、そもそも対応方法がわからず対応が遅くなり、入居者の不満が募る可能性もあります。

物件が売れにくくなるリスクがある

自主管理物件は、管理委託しているマンションよりも、売れにくくなる可能性があります。
「マンションは管理を買え」という言葉があるほど、物件の管理状態は買い手にとって重要な要素です。

そのため不動産の知識がない管理組合によって管理されていた物件よりも、専門家である不動産会社が維持管理した物件の方が、買い手に良い印象を与えやすいです。

特に、管理組合がなく所有者自身で管理していた場合は、さらに物件が売れづらいリスクがあります。管理組合がなく所有者個人で管理していると「管理がずさんではないか」と思われてしまう可能性があるでしょう。

対策

管理規約を作成したり、マンション管理士を入れたりすると、購入希望者への印象が良くなります。

マンションの自主管理で起こりやすい7つのトラブル

マンションの自主管理で起こり得るトラブルを紹介します。

  1. 生活騒音
  2. 喫煙
  3. ペット関連
  4. 水漏れ
  5. ゴミ屋敷問題
  6. 家賃滞納・夜逃げ
  7. (管理組合がない場合)買い手が見つからない

集合住宅はライフスタイルの違う人が集まって生活するため、問題が起こりやすいです。
自主管理マンションで起こりやすいトラブル内容を、事前に把握しておきましょう。

生活騒音

自主管理マンションで起こり得るクレーム・トラブルは、生活騒音によるものが多いです。生活騒音への耐性は人それぞれで、神経質な人は少しの物音でも気になります。

自主管理の場合、騒音についてのクレームは所有者へ入るため、所有者は張り紙や騒音の原因と思われる住民への状況確認や注意をおこなわなければなりません。

生活騒音トラブルは住民同士の紛争になりかねないため、慎重な対処が必要です。

喫煙

ベランダでの喫煙や、ポイ捨てトラブルも起こり得るトラブルの1つです。ベランダは専用使用権があるものの、区分けとしては「共用部」に該当します。(【参考】建物の区分所有等に関する法律 | e-Gov法令検索

そのため、入居者がある程度自由に使用する権利を持ちますが、避難経路としての役割を妨げることや、大きなものを置くことはできません。
しかし、入居者に専用使用権がある以上は、ある程度自由にベランダを使う権利があるという矛盾した状態になっています。

賃貸借契約書の禁止事項に記載がないと、交渉が難航する可能性も高いです。

マンションの規約に全館禁煙を付け加えるなど、喫煙トラブルを防止するよう対策を考えておきましょう。

ペット関連

ペットトラブルも、マンションではよく起こります。管理規約でペットの飼育を禁止していても、勝手にペットを飼う人がいます。

近隣住民から苦情が出て注意をしても、ペットを手放すまたはすぐに引越しできる人は少ないです。規約違反で退去を求めることも可能ですが、即日退去してもらえるわけではないため、解決まで長引くケースが多いでしょう。

また無断でペットを飼育しており、退去時の立会いで部屋の劣化が見つかることもあります。その場合リフォーム費用を請求できますが、入居者が飼育を認めずに連絡が取れなくなるケースもあるため、注意が必要です。

また仮にペット可の物件であっても、吠え声でトラブルになるケースもあります。その場合はペットの躾を入居者に頼むなど、所有者が自身で入居者間のトラブル解決に動き出さなければなりません。

水漏れ

水漏れトラブルも集合住宅ではよく起こります。
住民から「上の階から水漏れがあるようだ」と連絡があった場合、所有者が修理業者を手配し、直接様子を見に行くこととなります。

その後、水漏れの原因の部屋への連絡をおこない、早急に水漏れを直さなければなりません。
水漏れによって被害が出た場合のリフォーム業者の手配なども所有者がおこなうため、トラブル対応に追われてしまうでしょう。

修理・補償

水漏れが共用部からの場合は、管理組合が責任を持って修理や補償をおこないます。

ゴミ屋敷問題

貸している物件がゴミ屋敷になってしまうトラブルも増えています。
ゴミ屋敷問題を放置すると、近隣住民が退室してしまい、部屋が劣化して原状回復に多額の費用がかかるなどのデメリットがあります。

ゴミ屋敷とは……?

精神的な病気やセルフネグレクトなどが原因で、部屋にゴミを溜め込んでしまう状態のことです。
不衛生な環境が長く続くため、部屋が劣化しやすく、最悪の場合はスケルトンリフォームが必要になるケースもあります。

1部屋ゴミ屋敷があると、近隣から管理組合に苦情が出ます。入居者に注意しても、聞き入れないケースが多く、対応に苦労するでしょう。
ゴミといっても入居者の財産であるため、所有者側が勝手に処分できません。

解決策として法的に訴えて退去を求められますが、時間とお金がかかります。また、仮に退去させられてもゴミを置いて逃げてしまい、ゴミの片付け費用や原状回復費用を、所有者が負担しなければならないケースが多いです。

家賃滞納・夜逃げ

家賃滞納や夜逃げも、自主管理物件で起こりうるトラブルです。

払うべき家賃を払ってくれないと、家主の収入が途切れてしまいます。滞納が長引けば無収入状態になるリスクがあるため、支払督促や法的手続きが必要です。
また、滞納状態の入居者は最終的に夜逃げを選ぶケースも多く、その場合は滞納した家賃・原状回復費用を取り返せず、自己資金から費用を負担しなければなりません。

対処法として、家賃保証会社の利用が有効です。ただし、保証契約の内容によって保証期間が短期の場合もあるため注意しましょう。

保証会社とは……?

万が一入居者が家賃を滞納した際に、代理で家主に対して家賃を保証してくれる会社です。保証会社から家主に賃料が振り込まれ、保証会社は入居者に対して、代位弁済した賃料を請求します。無限に保証してくれるわけではなく、保証上限金額や期間が決まっている会社が多いです。

(管理組合がない場合)買い手が見つからない

管理組合がない自主管理マンションは、買い手が見つからない可能性があります。

マンション管理が個人でおこなわれていることで、買い手からのイメージが悪くなるためです。しっかり管理していたとしても、イメージだけで避ける人がいます。

自主管理マンションを売却したくても、思い通りの時期に売れなくなるリスクも検討しましょう。

自主管理マンションでトラブルが続く場合の対処法

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自主管理マンションでトラブルが続く場合は、以下2つの対処法を実践しましょう。

  1. 管理委託の検討
  2. 物件の売却

マンションの管理を個人や組合でするメリットはありますが、トラブルが続くと家主側の負担も大きいです。
これから自主管理マンションを購入予定の方も、購入後に管理委託を選べば、トラブル対応の負担を減らせるでしょう。

管理委託の検討

自主管理マンションを購入後にトラブルが心配なら、管理委託を検討しましょう。
またすでに自主管理マンションを持っている方も、負担が大きいのであれば、管理委託が適切です。

管理委託すれば、管理会社が物件のメンテナンスやトラブル対応などをすべて代行してくれます。

契約の注意点

管理委託契約の内容に応じて、代行する内容は異なります。集金代行契約のみであれば、家賃の集金のみになるため、契約内容をよく読んで契約を締結しましょう。

先ほど紹介した集合住宅のトラブルが発生した際に、対応を管理会社に任せられれば、家主の負担は大きく減らせます。

また、適切な管理会社への依頼は売却時に買い手に「しっかり管理された物件」という印象を与えるため、売却金額に良い影響を与える可能性もあります。

管理委託費用が必要となりますが、キャッシュフロー上で赤字にならないのであれば、プロに管理を任せる方法がおすすめです。

物件の売却

すでに物件を所有しており、トラブルが連発しているなら、売却も対処法の1つです。
滞納者が多くて収入が安定しない、老朽化によって水漏れトラブルなどが頻発していると、収入よりも経費の方が高くなります。

物件の資産価値が下がらないうちに手放した方が、この先も管理を続けてトラブルに経費をかけるよりも、得になるかもしれません。

まとめ

自主管理マンションは、所有者の意識が高ければきめ細かい管理ができ、マンション経営の実感も持ちやすいです。

反面、自主管理マンションは集合住宅で起きるトラブルすべてを、自分で対応せねばなりません。

集合住宅では騒音やペット、喫煙など多数のトラブルが起こります。また、滞納や夜逃げなどの家主の収入を脅かす問題が起きた際に、頼れる人がいないため、不安になるでしょう。

マンションを区分所有している方、購入予定がある方は、この記事を参考にして自主管理物件の投資の将来性について考えてみてください。

また、すでにマンションを自主管理していて限界を感じている方は、管理委託の検討、または物件の売却を検討してみましょう。
資産価値が落ちていない間なら、手放した方が経営を続けるよりも収益がプラスになる可能性があります。

所有物件の資産価値を知りたい方は、まずは不動産会社に査定を依頼して、どれくらいの金額で売れるか把握しておきましょう。
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