なぜ入居率が低下してしまうのか
不動産投資をはじめたばかりの頃は、高い入居率でそれなりの収益が出ていた物件も、さまざまな要因で入居率が低下してしまうことがあります。たとえばどのような原因が考えられるのでしょうか。入居率が下がる主な原因を4つ紹介します。
相場よりも価格が高い
入居率低下の原因のひとつは、家賃が相場よりも高いということです。マンション完成から時間が経てば、開発などによって周辺エリアの状況は変わるうえ、経年劣化によって適切な家賃相場も変わってしまうでしょう。
「同じ条件の同じような物件なら少しでも安い方が良い」と考えるのは当然なことだといえます。相場よりも高い物件は選ばれにくいため、自然と入居希望者は減ってしまいます。
特に築年数が経っている物件で、ずっと同じような賃料で同じような経営をしている物件は選ばれにくい傾向にあるといえるでしょう。
しかし、家賃は一度下げてしまうと上げることが難しくなるため、家賃の値下げに慎重になるオーナーも多いです。賃料を下げる方法のほかには、古い物件ならリフォームやリノベーションによって外観や内観をきれいにして、入居率を上げるという方法もあります。
仲介会社のアピール不足
物件の営業は仲介会社に委託しているオーナーも多いでしょう。仲介会社を利用すればインターネットなどの媒体で紹介してもらうこともできるので便利ではあるものの、必ずしも人目に触れやすいとは限りません。
入居者にとって魅力的な物件だと感じてもらうためにも、人目に触れやすいようなアピールを仲介会社にしてもらう必要があります。しかし、魅力やアピールポイントが不明確な場合、仲介会社としても積極的なアピールを行うのが難しくなってしまうでしょう。
このように、仲介会社の営業不足だけが原因ではなく、物件のアピール不足が原因で効果的な営業が行われず、ほかの物件に埋もれてしまうことがあります。
仲介会社を活用して入居者に積極的に案内してもらうには、物件の特徴や魅力を知ってもらうこと、仲介会社の担当者と良好な関係を築いておくことが不可欠です。
周辺の物件過剰
マンション入居率の低下は、周辺エリアの物件過剰、つまり入居希望者の数に対して物件数が多くなってしまっていることも原因です。近年、不動産投資を行う人が増えてきたこと、特に相続税対策を目的としたマンション投資が増加したことが背景にあります。
周辺エリアの物件の供給が過剰になると、より条件が良く築年数の浅い物件、新築の物件が選ばれる傾向にあるため、何も手を打たなければ入居率は改善しません。競合の新築物件を抑えて選ばれる物件にするには、差別化を図る必要があるでしょう。
たとえば、駐車場代を下げる、オートロックなどの防犯設備や宅配ボックスの設備を充実させる、特定のニーズに合わせてペット向けの機能が付いた物件にするなどです。
家賃相場に合わせて賃料を見直すことも大切ですが、機能の充実化やニーズに合わせた物件の整備を行うことによって入居率低下を改善することができます。
トラブルの対処が行われていない
オーナーの管理不足もマンションの入居率が下がる原因です。慢性的なトラブルへの対処の不満、共有部分の清掃や整備がしっかり行われないことへの不満が続くと、すでに入居している人も物件を離れてしまいます。
内見に訪れた人も、部屋の中が不衛生だと住みたいとは思ってくれないでしょう。立地や利便性だけを重視するのではなく、建物自体の環境も整えていく必要があります。
具体的な対策としては、ずっと放置されたごみや荷物がないか定期的に確認すること、入居者退去後の部屋や排水溝は清潔に保たれているか、虫の死骸はないか確認するなどが挙げられるでしょう。
特に空室が長期化している物件は下水のにおいなどトラブルが発生しやすいので、定期的に確認して「住みたい」と感じられるようメンテナンスすることが大切です。
入居率の高いアパート・マンションの特徴
ここまでは入居率が下がる原因について紹介しましたが、これらの原因を克服して入居者を獲得するには、どのような改善が必要になるのでしょうか。
具体的にイメージしやすいよう、入居率の高いマンションやアパートの特徴をいくつか紹介します。
入居者にとって住みやすい物件
投資目線だと割安な物件が目に入りやすいですが、お得感だけで物件を決めてしまうのは早計です。入居者率の高い物件の多くは入居者目線の物件だという点に注目しましょう。
たとえば立地の良さです。通勤や通学などを意識して物件探しをする入居者も多いため、立地の良さはひとつのアピールポイントになります。学校や病院に近い、商店街など買い物できる場所が近くにある、環境が良いなど利便性の良さも入居率の高い物件の特徴です。
しかし、すべての物件が環境の整った場所にあるわけではありません。立地などがアピールできない物件ではどうするべきなのでしょうか。その場合、「住む人にとって快適な設備」もアピールポイントになります。
具体的な例として、ネット無料、宅配ボックスがある、浴室乾燥機やシャワートイレが設置されているなどです。いずれのケースも入居率の高い物件は、ターゲット層に対して適切な設備があり、入居者満足につながっているでしょう。
清潔感を重視
入居率の高い物件は、共有部や専有部がきれいに保たれており、清潔感のある物件が多いです。特に内覧の際、部屋の清掃が行き届いているかは、入居者にとってしっかり管理されているかどうかの判断基準になります。
部屋のごみを片づける、トイレをきれいにする、ワックスをかけるなど、オーナー自身で行えるような清掃でも印象は変わりますので、できる範囲からはじめてみることが大切です。
安心して生活できる環境
入居者率の高い物件は、入居者が安心して暮らせるような住環境を実現しているところが多いです。防犯設備のほか、モニター付きインターフォンのような新しい設備は特に人気が高く、入居者獲得につながっています。
また、水回り、騒音、防犯など、さまざまなトラブルへの対処が早いことも、人気物件の特徴です。しっかりした管理体制は入居者に安心感を与え、長く住みたいと思える動機となるでしょう。
マンション・アパートの入居率をアップするためには
入居率をアップするためのヒントを紹介してきましたが、物件や経営状況によって効果的な改善策は異なります。入居率を高めるには、不動産投資会社を活用するのが近道だといえるでしょう。
そのためには、イエリーチの活用もおすすめです。 イエリーチは不動産投資家向けのサービスです。投資用不動産を所有するオーナーなら、誰でも無料で登録することができ、スマホの操作で簡単に資産管理ができて重宝します。 イエリーチの特徴は、不動産経営に役立つ次の3つのサービスです。
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まとめ
マンションの入居率が上がらないのには、いくつかの原因があります。運用改善を図るには、入居率の高い物件を参考にしつつ、「入居を妨げる原因を取り除く」ということが大切です。しかしパーソナルな事例ではなかなか思うように改善されないこともあります。適切なツール活用や、信頼できる管理会社への委託も考えていく必要があるといえるでしょう。