マンションの価格が下がるタイミング
新築マンションの価格は、2010年以降、東京23区を中心に上昇傾向が続いています。しかし、2021年の東京五輪を境に、マンション価格は下がっていくと考えられていました。
マンション価格が下がると予想されていたのは、過去に開催された1964年の東京五輪の後、景気が後退する時期があったためです。同じように、2021年の東京五輪の後も景気が後退し、それにともない不動産価格も下がると考えられていました。
そのため、新築よりも価値の下がった中古マンションを売却するなら五輪前に売却してしまうのがおすすめであると言われていました。
しかし、実際には五輪後に不動産価格が減少していることは確認できていません。
マンションを売る前にまず知っておくべきこと
マンションを高く売るためには、東京五輪などの節目のタイミングを図ることも重要ですが、それ以前に押さえておくべき部分もあります。所有するマンションの「相場」と売却にかかる「費用」です。
自分のマンションの相場
前述したように、マンションを売る前に知っておきたいのは、所有するマンションの相場です。実際の売却額は異なる可能性もありますが、マンションの面積や間取り、エリアなど近い条件で検索することで、ある程度の相場を知ることができます。
以下の表は、国土交通省の2019年第4四半期「不動産取引価格情報」のデータを基に作成した、主要都市や地域の中古マンションの取引相場です。表の面積あたりの取引相場を見ても、23区を含めた東京都の取引相場が高いことが分かります。
取引価格 | 面積(㎡) | |
札幌市中央区 | 3,127万円 | 110 |
東京都 | 6,047万円 | 90 |
名古屋市中区 | 2,298万円 | 46 |
大阪市北区 | 4,529万円 | 66 |
福岡県中央区 | 4,391万円 | 78 |
中古マンションの取引相場を調べるには、国土交通省の「土地総合情報システム」が便利です。
出典:「不動産取引価格情報検索(土地総合情報システム)」(国土交通省)の2019年第4四半期のデータを加工して表を作成。
マンション売却には費用がかかる
マンションの売却では、売却額がそのままオーナーの収益になるわけではありません。マンション売却には費用がかかるので、考慮して売却を行う必要があります。
マンション売却時に発生する費用は以下のとおりです。
・印紙税…マンションの売買契約書作成時に必要な費用です。取引価格によって必要な額は異なります。
・仲介手数料…マンションの売却は、直接でなく、不動産会社に依頼することが多いです。仲介手数料は不動産会社に依頼する際に支払います。仲介手数料の上限は法律で決められており、上限いっぱいの仲介手数料がかかることもあれば、上限以下のこともあり、不動産会社によって手数料の額はまちまちです。
・抵当権抹消、住所変更登記にかかる費用…ローンを組んでいる場合は、抵当権抹消など登記に費用がかかります。登記に関わる手続きを司法書士に依頼する場合は、司法書士に支払う分も考慮しなくてはなりません。
・一括返済手数料…マンションを売却するときは、残りの住宅ローンを一括返済しなくてはなりません。その際に発生する手数料です。手数料の金額は、契約をしている金融機関によって変わります。
マンションを高く売る4つの方法
マンションを売却する際は、はじめに市場相場を確認し、売却額からコストを差し引き、実際にどれくらい手元に残るかを計算する必要があります。住宅ローンを組んでいる場合は、ローン残債を下回らないかについても確認しましょう。
このように、周辺エリアの相場を確かめてから計算した金額は、ある程度は参考になります。
しかし、常に同じ価格で売却できるとは限りません。土地の価格は変化しますし、エリアによっても高く売れる場所に偏りがあるほか、マンションのきれいさや築年数でも売却価格は変動するからです。
では、マンションをできるだけ高く売るにはどのような工夫をすると良いのでしょうか。ここからは、売却を検討中のマンションオーナーに向けて、高く売るためのポイントを4つ紹介します。
1.余裕を持った活動期間を確保する
一般的に、マンションを売りに出して売却が完了するまで、2~3ヶ月かかるといわれています。さらに、価格の査定や瑕疵保険の加入などを含めると、もっと長い期間が必要です。
ベストなタイミングを逃してしまわないためにも、マンション価格の現状と推移、マンション価値の下落につながりそうな要因など、さまざまな点を考慮したうえで売却することが大切です。余裕をもって活動期間を確保するようにしましょう。
2.日経平均株価が上昇するタイミングに売る
投資用IRマンションを高く売るためには、日経平均株価が上昇しているタイミングを狙えば良いでしょう。投資用IRマンションは、投資目的で購入するものなので、日経平均株価によって売却価格が左右されます。
最近ですと、オリンピックの日程変更が決定した日からオリンピック開催日までが高値になる可能性があります。投資IRマンションの売却を検討しているなら、この時期の日経平均株価に注目し、売却を検討すると良いでしょう。
3.最低限のリフォームを行う
マンション売却時に空室がある場合、別途費用としてリフォーム代が発生することがあります。そのため、なるべく入居者が埋まっている状態で売却するほうが、結果的に費用を抑えることにつながります。
そういった理由だけでなく、マンションは最低限のリフォームを行ってから売却するのがおすすめです。マンションの売却価格は、内観など見た目にも大きく左右されるためです。
リフォームはコストがかかりますが、うまくいけば結果的にリターンが増える可能性があります。安く買い叩かれてしまうことを防ぐためにも、リフォームは有効だといえるでしょう。
とくにタバコ汚れの目立つクロスの張替え、傷んだ畳の交換、大きな傷の修復など、見た目の印象が悪くなる部分は、優先的にリフォームをしておきましょう。リフォームが完了していると、内覧者の印象も良くなり購入にもつながりやすいです。
また、最低限のリフォームにプラスして、市場のニーズに合わせたリフォームも行うことも、さらなる売却価格のアップにつながります。費用対効果について考慮したうえで、最適なリフォームを実施しましょう。
4.部屋をきれいに保つ
先述したように、内装などマンションの見た目は売却価格に影響します。いくら設備の修繕が行き届いていても、部屋そのものが清潔でなければ、希望の価格で売却するのは難しくなります。部屋を清潔に保つことも、高くマンションを売るためには重要な要素です。
とくに、キッチンや洗面台、お風呂場など、汚れが目につきやすい水回りはしっかり掃除しておきましょう。あまりにひどい場合は、ハウスクリーニングを利用するのもおすすめです。
まとめ
このように、マンションの売却価格は、エリアや売却の時期などに左右されます。マンションを高値で売るためには、まずは周辺の相場を良く知っておく必要があるでしょう。周辺相場を知ることで、希望の額で売れるかどうかも分かります。
とはいえ、状況次第では思うように売却できないこともあります。もしも投資マンションの運用がうまくいっていないようであれば、売却するのではなく、運用方法を見直すことも選択肢のひとつでしょう。
マンション経営には、多種多様な選択肢が存在します。
投資用のマンションを初めて売却するオーナー様にとっては、分からないことなども多いでしょう。売却のタイミングの見極めなども難しいと感じるかもしれません。
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