せっかくのマンション投資が赤字経営!マイナス収支になる理由と対策

株やFXなどと比べた場合、安定さが魅力なのがマンション投資です。しかし、マンション投資がいくら安定しているといっても、運用がうまくいかなければ赤字になることも当然あります。オーナーなら誰しもが赤字になることは避けたいと考えるでしょう。 この記事では、マンション投資で赤字になるケースについて具体的に解説します。さらに、赤字を避けるための対策についても紹介しますので、マンションオーナーの方は経営の参考にしてみてください。


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マンション投資で赤字になる3つのケース

マンション投資における収益は、年間の家賃収入(収入)から諸経費(支出)を差し引いて計算します。この前提をふまえたうえで、まずはマンション投資で赤字になる代表的なケースを3つ紹介します。

ケース① 十分な入居者が来ない

マンション投資における収入とは、入居者からの家賃になります。逆に言えば、入居者がいないことは、イコール収入が途絶えてしまうことを意味します。

それだけに、入居者が来ない空室状態は、マンション投資における最大のリスクだといえるでしょう。空室になると収入が途絶えてしまうので、毎月のローン返済や管理費・修繕費などを支払うのが難しくなり、その結果として赤字になってしまうのです。

家賃を下げることで、空室を回避しようと考えるオーナーもいるかもしれません。しかし、家賃の下げ方にも注意が必要です。

家賃収入が減少してしまうと、マンション全体の収益性が下がってしまい、「空室はないのに赤字化してしまう」という本末転倒な結果に陥ることもあります。

ケース② ローン返済が上手くいかない

オーナーのほとんどが、ローンを利用してマンションを購入します。そのため、ローンの返済が上手くいかないことが赤字の原因になることもあります。

少額の返済であれば、少しくらい収入減があっても対処できるかもしれません。しかし、家賃収入に対してローンの返済額が高すぎると、予想外の出費が発生したときに、収入では賄いきれなくなることもあります。
マンション経営には思いがけないタイミングでの修繕や設備交換などが発生します。こうしたメンテナンス費用が必要になったときには、通常よりも支出が高くなることを想定しておかなければいけません。

また、ローンを利用中は金利にも注意が必要です。低金利で借入れていたとしても、一定期間後には金利が上昇してしまうローン契約もあります。たった数%の金利上昇だったとしても、返済額には大きな影響を与えてしまうでしょう。

ケース③ 節税目的で意図的に赤字を狙う

経営難による赤字とは違い、マンション投資では節税効果を狙った意図的な赤字もあります

マンション投資では、物件の取得費を数年にわたって経費として計上できます。これを減価償却といいます。

マンションがRC(鉄筋コンクリート)造りの場合、新築から47年間は減価償却が可能となります。たとえば、1億円のマンションだと、償却率0.022を掛けた220万円が1年あたりの減価償却費で、最大で47年間は経費として計上できるでしょう。

原価償却費を合わせた経費が家賃収入を上回れば、帳簿上は赤字になります。しかし、原価償却費は実際の支払いが発生しない経費なので、現金だけを考えると黒字になります。

さらに、原価償却費はサラリーマンなど一般会社員であれば給与所得と損益通算できるため、年間所得の圧縮が可能になります。税金の還付など、節税によるメリットを享受できるでしょう。

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赤字にならないためのポイント

マンション投資で赤字にならないためには、経営上の不安要素をできる限り取り除くことが大切です。次は、マンション投資で赤字経営を避けるためのポイントについて解説していきます。

① 空室リスク対策をする

マンション経営を安定させるためには、空室リスクへの対策が必要不可欠です。空室にならないためにも、事前に対策を実施しておきましょう。

理想的な対策としては、物件選びの段階から入居者に人気の高いマンションを選ぶのが一番だといえます。しかし、すでに所有している経営中のマンションであっても、効果的な空室リスク対策を行うことは可能です。

空室リスクを下げるには、入居者が「住みたい」と感じる、魅力あるマンションであることが重要です。たとえば、問い合わせが少ないようなら「入居者の募集条件を見直す」「周辺環境から入居者の傾向を割り出して内容や間取りをリノベーションする」といった方法なども具体的な対策方法だといえるでしょう。

そのほか、単身者向けにインターネット環境やエアコン・家具などを整えることも、魅力的なマンション作りの方法として有効です。

② 銀行ローンの見直しをする

毎月のローン返済が負担になっているなら、銀行ローンの内容を見直してみましょう。ローンの返済にかかる利息も経費として計上できますが、実際には現金が出ていくため、原価償却費ほどのメリットはありません。マンション経営では、投資対象が高額な分、ローン金利の負担は大きくなりがちです。少しでも低金利のローンへ借り換えて、返済額を下げましょう。

銀行ローンの見直しが成功すれば、毎月の返済額を下げられるうえ、返済総額も圧縮できます。

③ マンション投資に強い管理会社と契約する

できる限りの対策を行ったつもりでも、マンション経営は必ずしも順風満帆に進むという保証はありません。常に赤字の不安を抱えているようであれば、マンション投資についてより熟知している管理会社へ契約を変更すると良いでしょう。

マンション投資について高い知識を持った信頼できる管理会社であれば、赤字にならないための最適な提案を行ってくれます。

管理会社と同様に、イエリーチを利用するのも不動産経営のお悩み改善に効果的です。

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④ キャッシュフローを重視した経営をする

キャッシュフローを重視した経営をすることで、マンション投資の赤字化を回避しやすくなります。

キャッシュフローとは「現金の流れ」です。マンション投資では、原価償却費によって帳簿上の赤字が続くことは珍しくありません。しかし、キャッシュフローに着目すると、原価償却としての現金の出費はなく、一方で損益通算による節税効果によって現金の収入は増えます。つまり、キャッシュフローだけを見ると、健全なマンション経営だと判断できるのです。

ただし、オーナーの中には、節税効果に目を奪われて赤字経営を恒常化させてしまう方もいます。節税を意識することは必要ですが、マンション投資は安定した収益が目的です。キャッシュフロー上のみならず、帳簿上でも黒字になることを目指して、マンション経営の安定化に努めることが大切だといえるでしょう。

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まとめ

マンション投資は、投資費用が大きいぶん、赤字への不安も大きいものです。せっかくの賃貸経営を赤字にしてしまわないためにも、事前に対策を講じておくことが大切です。
今回紹介した赤字に陥る代表的なケースとその対策方法を参考に、安定した賃貸経営を目指していきましょう。

それでもうまくいかない場合は、マンション投資の専門家にアドバイスを仰いでみてください。マンション投資は投資や不動産についてだけでなく、法律や税金など幅広い分野の知識が必要となります。より専門性の高い管理会社や不動産会社を選ぶことが、リスクの低いマンション投資を行ううえでのポイントだと覚えておきましょう。